2024年1月26日金曜日

かぶり

 

先週、車のエンジンがかからなくなってしまいました。

 

バッテリー上がりかと思って、

ブースターを使ったりしたのですが、

セルは回るけど、エンジンはかからない。

 

先ほど修理屋さんに診てもらい、何とか復帰。

おそらくプラグかぶりだろうとのこと。

初めてのことでしたが、旧車なので、

真冬にはままあり得るトラブルらしい。

 

 

そんなわけで1週間ほど車無しの生活となったのですが、

山暮らしで車が無いというのは結構不便。

 

妻の電動バイクを借りて片道30分かけて灯油を買いに行ったり、

仕事で町に出るにも片道1時間、870円のバスに乗る。

しかもこのバス、1時間に1本あるか無いかといったところでして、

家から町に行くには時刻表に合わせて出発すればいいのですが、

帰りは時間が読めないので、最悪の場合は2時間近く待つ必要がある。

 

我が家のあたりまでは来てくれないが、

途中までのバスはもう少し本数があるので、

それに乗って、途中のバス停まで来て、

そこから日が暮れかけの寒空を1時間ほど歩いて帰ったりしました。

 

そんなわけで不便な1週間でしたが、

まぁ、これはこれで学びもある。

灯油をいかにして節約しようか考えてみたり、

プラグかぶりというトラブルも知ったし、バスに乗ったのも初めて。

1時間歩いて帰るというのも普段は車で通る道を別の視線で見れて面白い。

 

特に改めて学んだのは人の気遣いのありがたさ。

市内の自動車修理屋さんや灯油配達屋さんをWEBで調べ、

いろいろと相談する中、無下に断られることもあり、

世知辛さを感じることもありましたが、

中には親身になって話を聞いてくれる方もいる。

一見さんからの電話なのに。

 

ある自動車修理屋さんは親身になって状況を細かく聞いてくれて、

いろいろとアドバイスをくれたのですが、すぐには車を見ることができず、

その間、代車が出払ってて貸すことができない状況でした。

急いでいたこともあり、「ちょっと他にも当たってみます」とのこちらの言葉に対し、

「困っているところ、力になれずにごめんなさい。」との回答。

なかなか言える言葉じゃないと思います。

 

この言葉で、こちらの自動車修理屋さんにお願いすることに決め、

腹をくくって1週間の車無し生活を決めた次第。

そして、さきほど車を見てもらって、無事復帰できました。

 

気遣いって本当に大事ですね。

困っていない側にとっては何気ない言葉でも、

困っている側には大きく響いたりする。

その言葉に「気遣い」があるか。

それ次第で意味は大きく変わったりするのだと思う。

 

 

被災地に対し、自分ができることは何だろう。

ボランティアや炊き出しに向かうことはできず、

募金をさせていただくにとどまっておりますが、

せめて「気遣い」は持ち続けよう。

 

写真は途中のバス停から家まで1時間歩いているときの風景。

寒くて、心細い風景ですが、

陽が沈みゆく山際がきれいでした。

 

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さて、告知です。


 

久々に都内でのライブです。

2月22日(木)

西荻窪PITBAR

「PEACEMEAL REMAIN DEPARTMENT」

1500円+投げ銭

 


昨年11月、宮ケ瀬でのDAYBREAK企画でご一緒した、

A SOXのボーカル 千葉さんに誘っていただきました。

 

よろしければどうぞお越しくださいませ。

 

 

 

 

 

 

2024年1月15日月曜日

丁寧

 

2024年になり、

気が付いたら「あけましておめでとう」の時期が過ぎてしまいました。

年明け早々から大きな天災や事故の報道が続き、

あまりおめでたい気分ではなくなってしまったというところもあるのですが、

ようやく今年1つ目の記事を書かせていただきます。

 

 

昨年から読譜の勉強を続けており、

いくつかのコントラバス向け譜を読み込み、練習しております。

 

具体的には、クラシックの定番「シマンドル」と、

JAZZの定番「レイブラウンベースメソッド」を練習していますが、

最近はWEB上で見つけた、バッハ「無伴奏チェロ組曲」のコントラバス譜も練習中です。


 

いまさらですが、バッハってすごいですね。

50前のおじさんが何言ってんだというかんじですが・・・)

 

ele-phantをやっていたころ、

少ない音構成でコード感を出すことに苦労し、

山際さん(割礼、血と雫、ソロ)に相談したところ、

バッハを勉強してみたら、とおすすめいただいたことがある。

その時はいくつかの曲を聴いてみるだけにとどまったのですが、

こうして自分で弾いてみると、おっしゃっていたことが改めてわかってくる。

 

チェロという、単音で弾くことが多い楽器むけに作られた組曲なのに、

しっかりとコード感がある。

また、JAZZ、ロック以降のコード概念が生まれる前に作られた曲なので、

使われている音が私の感覚からすると不思議だったりする。

それでいて「異音」とか「外れた音」という感じがしないのも面白い。

 

クラシックのすごい人はこの曲をどうやって弾くのかな、と思い、

適当にYOUTUBEで探し、この動画を見ました。

 

うーむ、凄い。

不勉強でこの方を存じ上げないのですが、

凄い演奏です。


当たり前ですがアコースティック楽器ですので、

コンプ、イコライザー、リバーブなどでのドーピング、味つけは無し。

(レコーディング、編集では若干掛けているかもしれませんが・・・)

それなのにこの表現力。

 

若いころ、クラシックの奏者に対し少しうがった見方をしていました。

「楽譜」という「答え」があるのだから、

凄いのはあくまでも作曲者(バッハ)であって、

演奏者は一定レベル以上ならば誰でも同じなんじゃないか。

そんな低レベルなことを考えていました。

でも、この演奏を見てまったく的外れな考えだったと

改めて思い知りました。

 

「楽譜」は「答え」ではなく、

「譜面に書かれていること以外はせず、その中で最高の演奏をしなさい」という指示書でもある。

決められた型のなかで最大限に自分を表現する。


 この方の演奏は流麗すぎて、軽く弾いているように見えますが、

実は1個1個の音の在り方をしっかり掴んだうえで、

それを最大限に表せるように丁寧に演奏しているように聴こえます。


確実な演奏力を持っていることは大前提でしかなく、

それ以上のものを望むならば、さらに厳しく楽譜と自分に向き合う必要がある。

こうして至ったこの演奏はこの方にしかできないもの。

バッハを素材とした固有の芸術作品だ。



「丁寧に演奏する」

当たり前のようで実は難しいのかもしれません。

どちらかというと勢いで演奏しがちな自分には丁寧さが足りない。

 

 

今年はこれをモットーに稽古していこうかと思います。