2021年12月30日木曜日

年末ご挨拶と”GUNDA”のこと

 

年末です。

あと二日で2021年も終わりとなります。

 

今年、自分の中での大きな出来事というと

ソロアルバムの発売」かと思います。

 

コロナ以降、一人稽古を続け、

自分なりに練り上げた曲と技術を一応形にできたことは

自分にとって事件でした。

 

一般流通していませんし、決して人目を集めるような作品でもなく、

たくさんの人に聴いていただくことはできていませんが、

それでも、聴いていただけた方々からはいろいろなご感想、ご評価をいただけており、

励み、力になるとともに勉強、気づきの糧にさせていただきました。

本当にありがとうございます。

 

現在も当然販売中ではございますが、

上述の通り、一般流通はしておりません。

ライブ会場での販売かメールオーダーでの販売となります。

ご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、

下記までメールいただけますよう、よろしくお願いいたします。

sleepsleepgotosleep@gmail.com

 

 

さて、年末で仕事も休みに入っており、

ここ数日は街に出て買い物したり、

ライブを見に行ったりなどしています。

コロナ状況も比較的落ち着いており、ありがたい限りです。

昨日は映画を見に行ってきました。

 

GUNDA”というドキュメンタリー映画。

セリフ無し、字幕無し、音楽なし、色なし(白黒画像)で

ある牧場の動物たちの姿を描いた作品。




 

本当にすごい映画でした。

こんな映画見たことない。

宣伝文句の中にもあった表現ですが、人生観を揺さぶられる感じです。

妻と見に行ったのですが、見た後の昼食は二人とも

衝撃を消化しきれずに変に無口になってしまいました。

 

そのすごさは言葉にするのが難しく、

仮に述べようとすると恐ろしく長文になりそう。

そしてそれでも言い尽くせない。

まれに言語化不可能、言語化拒絶な音楽に出会うことはありますが、

映画では初めての経験です。

不立文字な作品。

 

 

音楽に関わる観点で少しだけ頑張ってみますと、

上述の通り、作中に「音楽」は無いのですが、

動物たちの鳴き声、風、踏みしめられる草の音などが

完璧な音楽として存在しています。

それらはどこにでもある音なのに、

いわゆる「映画音楽」以上に作品にぴったりマッチする。

 

フィールドレコーディングをして、後で聞くと、

普段聴いている世界と違う表情が聞こえてくることがあります。

例えば、風の音などは普段の生活では「音」としてはあまり意識しません。

ですが、レコーディングすると、風の音、いわゆる「吹かれ」の音は

すごい存在感を示してくる。

 映画を見ていてそんなことを思い出しました。


映画の中の音は、普段の我々の生活の中でも聴いている音です。

我々の周りにも素晴らしい音楽があふれているのだと気づかされます。

ただ、それに気づけないだけで。

 

この映画の中には、この音楽の例にとどまらず、

特殊な事件、環境ではなく、普段の生活に真理があることを

示唆する要素があふれています。

 

うーん・・・

感想の一部だけでもうまくまとめようとするのですが、

全然伝えきれません。

やはりご覧いただくしかありません。

 

気になった方がいらっしゃいましたら、

ぜひ映画館に足をお運びください。

コロナの落ち着いているうちに。

 

 

今年も残り2日です。

楽器や模型でもいじりながら、のんびりと力まずに過ごしたく思います。

 

皆様、よいお年をお迎えくださいませ。




 

 

2021年12月22日水曜日

上原ひろみ THE TRIO PROJECT ”MOVE"


 

愛聴盤ご紹介。

第2回は上原ひろみトリオプロジェクトの”MOVE”です。

 

最初にこのトリオに触れたのはこちらの動画でした。


確か、今の日本のジャズミュージシャンを聴いてみたくて

彼女にたどり着いたんじゃなかったかと記憶しています。

そして一発でノックアウトされました。

以降、今年中で20回はこの動画を見ています。

 

本当に不思議な曲で、すごい構成美と演奏力に圧倒されます。

最初に引き込まれたのはSIMON PHILLIPSのドラムプレイでした。

ジャズ、フュージョン系ながら、

すごくロックっぽい盛り上げ方をなさるドラマーさん。

大好きです。

ツーバスの使い方やアタックの強さに

TOOLDANNY CAREYを連想しちゃうくらいロック的です。

 

中盤の5拍子のドラムソロ最後のツーバス連打、盛り上がりが絶頂になり、

一気に転調する場面に泣かされます。

なぜかこの動画を見るのは仕事での新幹線移動中が多いのですが、

何回か車内で涙ぐんでしまい、気恥しい思いをさせられています。

 


動画で感激して、ほかの曲も聞きたくてアルバムを買いました。

当然のようにアルバムもすごいです。

動画同様にハードでカタルシスにあふれる曲をメインに、

若干遊びを感じる曲も含め、アルバム9曲中7曲が7分越えの大曲ながら、

一気に聴きとおしてしまう。

 

上原さんはジャズピアニストとくくられるのかと思います。

実際、いくつかの曲ではジャズ的な演奏、フレーズが出てきますが、

どれもこれも一筋縄でいかない。

例えば、5曲目の中盤ではハードバップ的な4ビートが披露されますが、

これもフレージングに癖が強く、独特です。

 

ジャズ、フュージョンとかどうでもよく、

「いい曲」が並んでいます。

こんな曲をどうやって作曲したのか、

そしてこれをレコーディングしちゃう3人の技量、疎通を考えると気が遠くなる。

 

 

この記事を書こうと思い立ってから、アルバムを数回聴きました。

その上で昨日久しぶりに動画をみました。

 

驚きました。

アルバムでのピアノソロと動画でのソロは全く違う。

全然違和感がないので気づいていませんでした。

両方とも素晴らしいソロです。

 

どうすれば人間はここまでの音楽表現力、演奏力を身に付けられるんだろう。

どれだけのことを彼女は積み上げてきたんだろう。

童顔で小柄な彼女の演奏を見ながら

そんなことを思ったら、また泣かされてしまいました。

 

いつか生で見てみたいミュージシャンの一人です。







2021年12月3日金曜日

さらばガンプラ

 

ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、

私、プラモ、模型趣味がございまして、

こんなサイトもやっていたりします。

コロナの変異株の名前を聞くと、

ついついアナハイムの試作ガンダムのコードナンバーを

連想しちゃうくらいにはオタクです。

 

世代的にプラモというとガンプラです。

最近は触れる時間が少なくなってますが、

昔は頻繁に買っていて、

模型屋さんに行ってずらっと並ぶ製品を前に、

迷う楽しみを満喫したものです。

 

ですが、ここのとこ、状況が大きく変わっています。

 

今模型屋に行ってもほとんどガンプラが売っていません。

大型の模型店であっても数えるほどのアイテムしかありません。

以前は3棚くらいガンプラに割いていたお店でも、

今では1棚で数少ないアイテムを平置きして

なんとか「ガンプラコーナー」を埋めている感じです。

 

この現象ですが、コロナ以降、自宅趣味としてガンプラを始めたり再開する人が増え、

需要が高まり、その結果、転売目的に買い占める業者が多数現れたことが原因でして、

AMAZONであればたいていのアイテムは買えますが、

どれもこれもプレミアがついた状態です。

 

発売元のバンダイでも製品供給を増やすなどの調整をしているようなのですが、

ガンプラのアイテム数を考えると補完しきれるものでもなく、

最近では発売前の製品まで転売業者によって

AMAZON上でのプレミア価格で予約販売されているという異常事態です。

 

そんな状況なので購入希望者は転売屋と予約競争をしたり、

発売日に店舗に並ばなくてはいけない状態です。

そこまでするくらいならプレミア価格で買う、という人も多く、

悪循環に陥っています。

 

店頭で選ぶ楽しみが無く、

水物の転売価格を伺いながら買おうという気持ちにはなれません。

また、転売屋に売り上げ貢献するというのも、

この状況を受け入れるみたいで、なんか嫌な気持ちになります。

結局、ガンプラから気持ちが離れていきつつあります。

 

 

そんな中、ガンプラと持ちつ持たれつの関係にある

模型誌ホビージャパンの編集部員がこの状況に対し、

市場原理として普通のことであり、不満を言うのはおかしい。

黙ってAMAZONで買え、といった内容をSNSに書き、

炎上するという事件がありました。

言いたいことはわかりますが、模型誌までそんなことを言うとは世も末です。

同誌の質低下は以前から感じていましたが、

ここまで来たか、という感じです。

 

AMAZON、さらにはヤフオク、メルカリなどによって

個人であっても「プチ資本家」になれる時代。

この事態は資本主義では、

十分起こりえる事態なのだと思います。

個人である「プチ資本家」には市場倫理や業界調整なんて関係ないですから。

あくまでも利潤追求という本来の自由経済の形なのかもしれません。

 

起こるべくして起こっている事態なのかとも思いますが、

なんとも面白くないです。

 

 

最初にガンプラを買った(買ってもらった)のは

1次ガンプラブームの残り香がまだ漂っていた1981年、6歳の時でした。

1/550 ビグザム

6歳児には難しく、結局完成できませんでした。

 

あれから40年。ある時は熱中し、ある時は横目で見る程度に

細く長く付き合ってきましたが、

ガンプラとの関係もいよいよ潮時なのかな。

そんな気がしています。




 

2021年11月28日日曜日

MICHAEL GREGORY JACKSON "KARMONIC SUITE"

 

唐突に愛聴盤の紹介です。

 

今後、ブログの記事の一テーマとして、

自分の好きな音源などを紹介していこうかな、と思った次第でして

今回はその1回目です。

 

といっても、あんまり有名なものをわざわざ取り上げても、

ちょっと面白みに欠けるようにも思いますので

あまり一般的ではないけど、私が好きな作品を紹介していけたら、と思ってます。

 

そんな第一回目は

MICHAEL GREGORY JACKSONの“KARMONIC SUITE”です。




 

MICHAEL GREGORY JACKSONはアメリカのギタリストで、

一般的にはJAZZFUSION系のギタリストということになるかと思います。

フリー演奏、インプロで有名でして、

このアルバムもインプロが主体となっています。

 

このアルバムは彼の2枚目のソロアルバムで、1978年の作品。

ギターはエレキ、アコースティックを曲によって使い分けつつ、

曲によってはポエトリーリーディングやマリンバ、パーカッション、バンブーフルートなんかも演奏しています。

数曲でOLIVER LAKEがサックスを吹いており、

それらの曲では一歩下がってサックスが主役になっている場面も多い。

自分のソロアルバムなのに。

全体を見ることができる人なのでしょう。

 

フリー演奏のエレキギタリストと言いますと、

轟音や空間操作など、エフェクターを効果的に使用する方が多いのですが、

MICHAEL GREGORY JACKSONはフレーズで攻めるタイプです。

このアルバムでもエフェクターはほとんど使ってないように聴き受けられます。

おそらくアンプで歪ませてる程度かな。

 

そのフレーズが独特。

「フリー」であろうとすると、無調音楽になりがちだったり、

むしろフリー=無調みたいな考え方の人もいるかと思います。

この人は調性を感じさせるフレージングも多い。

曲によっては喫茶店でかかってても大丈夫なくらい。

 

その塩梅が絶妙で、不思議な雰囲気があります。

このアルバム全編を通して、その不思議感が漂っています。

不思議だけど不気味ではなく、乗れないけど揺れがある。

 

以前に「フリー演奏を聴く」とはその「人」を聴く行為ではないか、と書きましたが、

このアルバムを聴いていると、MICHAEL GREGORY JACKSONの「人」を感じます。

勝手な想像ですが、きっとちょっと難しいけど明るくて優しい人なのではないかと思う。

 

実はMICHAEL GREGORY JACKSONを知ったのは最近でして、

YOUTUBEで偶然知りました。

たしかKENWOOD DENNARDのドラムプレイを見ようと思って動画を探してて、

共演している動画を通して初めて出会ったんじゃなかったかと思います。




 

この動画ではギターシンセを使ってますね。

今回紹介したアルバムに比べて音が強すぎて

ちょっと魅力が伝わりにくいかと思いますが、

フレージングの癖はにじみ出てます。

ここから興味を持って今回紹介のアルバムにたどり着きました。

 

ちなみにタイトルの”KARMONIC”という単語は造語だそうです。

KARMA+HARMONICということでしょうか。

邦訳が難しいですが、なんかいい言葉です。




2021年11月25日木曜日

人間の発揮することのできる最も大きな力は人間の中に起源を持たない

 

郊外に引っ越してきて2年が経った。

 

郊外といっても徒歩圏内に電車駅、コンビニもあるし、

観光地なので、土日は人も多い。


とはいえ、家の裏は川でその向こうには森、山が広がる。

引っ越す前に住んでいた都心に比べると

自然との接点がかなり多い環境だ。

 

そんな中、絵描きである妻の作品に変化を感じることがある。

昔から動物をモチーフにすることが多いのだが、

最近書く動物は「可愛すぎない」ように思う。

可愛くも不思議な作風であることは変わらないが、

なんというか、「可愛く書く」というディフォルメが少なくなっているように感じるのだ。

 

自分の音楽作品についても変化があるようで、

以前は映画的と言われることが多かったように思うが、

転居以降は風景、自然を感じると感想をいただくことが増えた。

 

先日、内田樹さんの「武道論」という本を読んでいて、

興味深い文章に出会った。

「人間の発揮することのできる最も大きな力は人間の中に起源を持たない」

 

過去にラベル、伊福部昭の音楽を例に、

環境による作曲への影響について書いたことがありますが、

この内田さんの言葉はそういうことも説明できるかもしれない。

 

外部の力、環境が人の発信、性格に影響を与える。

 

ただ、外部から受け取るものを自分なりの形に変換する力は個々のものだ。

その力を常に整え、磨く努力は続けていかなくてはいけないな。

 

それは受け取ったものへの敬意、感謝でもあると思います。



何事のおわしますかはしらねども

かたじけなさにに涙こぼるる


これは西行法師が伊勢神宮にて謡った歌です。

八百万の神との関係として、あるべき姿のように思います。

この「涙」が作品であれたら素晴らしい。

ちょっとロマンチックすぎるかな。



 

2021年11月14日日曜日

国分寺でライブ

 



昨日は久々のライブ。

国分寺モルガーナ。

 

もともとは今年の2月に開催予定だった

GUILTY FOREST ユリアキ君の企画が、

コロナ影響で2度延期となり、ようやく昨夜開催となりました。

 

当初の予定から出演者の変更もなく、

延期にめげずに開催してくれたユリアキ君、国分寺モルガーナに感謝です。

 

久々ということもあり、

なんか落ち着かず、結構早く会場についてしまう。

思えば、若いころライブハウスに出始めたころも

同じように必要以上に早く会場に入ってました。

ライブの日は特別感があって、それをじっくり味わいたくて。

 

そのうち、ライブ慣れしてきて、

しまいには必要最低限しか会場にいないような

ライブ当日の過ごし方になってました。

それは別に悪いことではないですが、

やっぱり人前で演奏するという

貴重な非日常をもう少し大事にした方がいいですね。

懐かしい感覚を味わいつつ、そんなことを思う。

 

リハを済ませてから、国分寺の町を散歩。

駅周辺の開発で昔と雰囲気は変わりましたが、

まだ文化のにおいの残る、好きな街です。


七七舎(古書店)で食肉文化についての本と

ユリイカバックナンバーのブーレーズ特集を買う。

こういうお店の趣味を感じるセレクトショップ的な古書店って大好きです。

その足で珍屋(中古レコード店)ものぞく。

いつも通り、店頭の灰野さんのポスターにひるみつつ入店。

哲学者 森有正さんの言葉を録音したという謎のレコードに惹かれましたが買わず。


 

そしてライブ。

 



写真の通り、結局スタインバーガーは使いませんでした。

壊れたリッケンバッカーを何とか手直しして使いました。

 

思えばこのベースとの付き合いも30年近い。

おそらく今後の自分の音楽活動期間は30年残ってないだろう。

そう思うと折り返し地点を超えた付き合いとなっており、

やっぱりできるだけこの楽器を使っていきたいな、と改めて思い修理した次第。

 

人も年齢とともにガタが来ます。

ガタと付き合いながら生きていくしかない。

そしてそれによって自分の生き方、考え方、性格も変わっていく。

使い続けた楽器、道具のガタも同じように付き合い続けて行くことで

面白い変化が得られることもあるんじゃなかろうか。

 

 

共演者の皆さんのライブも興味深く拝見させていただく。

初見だった「曇ケ原」「沈む鉛」もすごく好みな感じで楽しく拝見。

しかし、二組ともすごい名前ですね。

「沈む鉛」とはCDを交換させていただく。

 

久々のライブハウス、しかも全バンドを見たということで

今日は結構な耳鳴りです。

今日に限らず、目が覚めている限りずっと耳鳴りはあるのですが、

昨日のダメージで普段より大きめの耳鳴りがする。

 

そんなわけで今日は練習せずに耳を休めます。

ガタと付き合っていかなきゃいけませんので。

 

 


 

2021年11月12日金曜日

眼鏡雑記

 

どうでもいい話ですが、

眼鏡を新調しました。


たいてい眼鏡は23年で買い替えるので、

最近は5000円くらいの安価なものを使っていましたが、

今回は奮発して、ちょっといいものを購入。

 

昨年、免許の更新の際、

眼鏡をかけても既定の視力に対してギリギリという状態で、

審査員の方にもう少し度を上げるようにとの指摘をもらっていましたので、

今回は度も強化。

 

今までは矯正視力で0.7程度だったのが、

1.2程度まであがりました。

すごくくっきり見える。

慣れるまでは少し目が回るくらい。

 

アフリカ ケニアの人たちは

視力8とか10と聞きますが、どんな世界を見ているんだろう。

同じものを見ていても私たちよりも高解像度で見ているのだろう。

 

眼鏡で急に自分の視力が上がり、

今まで見慣れている世界の見え方が変わる。

我々は視覚情報をすごく大事にするが、

それはこんな感じに簡単に変わってしまう。

見えるものを信じすぎてはいけませんね。

どうせ、見せかけです。

 

 

せっかく眼鏡を更新するので、

好みのデザインのものを探した。

理想はビルエヴァンス。

 

調べてみると、ビルエヴァンスの眼鏡を復刻したモデルが存在するようなのですが、

近所には売っていないので、できるだけそれっぽいものを探しました。

もちろん「そのもの」というわけにはいきませんが、

まずまず似ているものが買えた。

うれしくなって

自室の机をピアノに見立ててちょっと格好をまねてみたり。

ピアノ弾けないけど。

 

ジャズピアノはそんなにたくさん聴いてきたわけでもありませんが、

レニートリスターノとビルエヴァンストリオは好きでよく聞きます。

 

トリオという小単位にもかかわらず、

ビルエヴァンスもスコットラファロも攻めのソロを弾く。

曲が分解しそうなくらいに。

私ごときの耳だと、無調性に聞こえてしまう場面もある。

もともとの曲はすごくきれいな調性の曲なのに、

ソロパートに入ると様相が変わる。

何というか肉感のようなものがいっきににじんでくる。

その感じがとても好きです。

 

この感じは楽譜には落とし込めない。

楽譜は見て読むものですからね。

やはり見えるものを信じすぎてはいけないですね。




 

 

2021年11月6日土曜日

STEINBERGER SYNAPSE XS-1 FPA4

 

前回記事の続きです。

 

購入したSTEINBERGER SYNAPSE XS-1 FPA4の感想など。

 


今まで使っていたのが左のオールドのリッケンバッカー4001、

ピックアップはオールドのジャズベピックアップをリアのみに設置し、

トーン回路は無し、マスターボリュームのみという状態。


それがスタインバーガーシナプスでは

アクティブの2ピックアップモデルという対極的な構成になります。

この変化が大きくて印象的だったため、

その辺の感想が主になってしまいます・・・

 

操作系を紹介します。


一番上はボリュームノブ。

パッシブのボリューム回路は絞ることでハイも削られる傾向があり、

それを利用して音を丸めるなどもできますが、

アクティブではボリューム大小で大きくトーンは変わらない印象です。

次のノブがピックアップセレクター(ブレンダー)、

シナプスはセンターのEMGのピックアップの他、

ブリッジにピエゾピックアップが入っています。

それらのブレンド率を変更するノブです。

残り2つはハイ、ローの増幅、カットを操作するEQノブになっています。



アクティブのベースをちゃんと弾くのは実は今回が初めてでして、

その出力範囲の広さに驚きました。

 

出力範囲というよりも

ピックアップの集音域範囲の広さというべきかもしれません。

パッシブのベースではなかなか拾ってくれないような、

超低音、超高音も拾ってくれて、

それをベース内の回路で増幅させることができる。

 

ただ、これがいいことばかりかというとそうでもなく、

要らないハイがギンギンしてしまったり、ローがこもったりする。

もちろんそれらはEQノブで調整できるのですが、

パッシブのように「いい具合」に出てくれるのではなく、

増幅もカットも効きがよすぎる。

よく言えば素直、悪く言うと下品という感じ。

 

この辺は再生装置(アンプ)によってもだいぶ変わってくる。

当然パッシブでも再生装置次第で音は変わるが、

アクティブではそれが顕著になる印象です。

含まれている音域が広いので再生装置の癖が強く出てくる。

 

この辺は試しながら覚えていくしかないので、今日はスタジオに入り、

各種再生装置で鳴らしてみました。

具体的にはベーアン、ギーアン(JC)、PA卓での再生音の確認。

 

今回入ったスタジオのベーアンは

ヘッドがAMPEGのトランジスタモデル、

キャビはAGUILAR12インチ4発。

ほっておいてもローが出やすい組み合わせです。

 

このアンプで鳴らすとかなりローが出てしまい、こもりがち。

かといってローをカットしてしまうとそれはそれでおいしくないので、

かなりセッティング幅は狭く感じました。

 

次にJCを鳴らしましたが、

これは全然ダメ・・・

もともとJCは高音域がきついアンプですが、

それによってフレットノイズや微細なビビりノイズが強調されてしまって耳が痛い。

何を弾いてもギンギン鳴ってしまう。

 

最後はPA卓。

これも高音がきつめでしたが、ベースの方で高音を絞ってやることで

まずまずのフルレンジ感が得られました。

 

※これはあくまでも私のやっている、

 ルーパーで各種の音域を何層も重ねる音楽を前提とした音作りの話です。

 普通にバンド内でのベースとして考えるならベーアンがベストかと思います。

 

音についての感想は以上です。

スタインバーガーならではの感想というより、

アクティブピックアップの感想になっちゃってますが・・・

 

しかし、アクティブピックアップの「強さ」はすごいですね。

ベースは材、作り、形、使い込まれ方などで音が変わりますが、

アクティブの場合はある程度の微差は簡単にねじ伏せちゃいそうです。

 

極論ですが、どんなベースでもアクティブピックアップを乗せちゃえば、

同じような音になってしまいそうな気がします。

それはそれですごいのですが、ちょっと面白みは少ないような気もしますね。

 

 

あ、スタインバーガーシナプスならではの特徴を一つ思い出しました。

 

とにかくバランスがいいです。

リッケンバッカーを弾いているときは左肩に重さが集中し、

長く弾いていると左腰が痛んできますが、

スタインバーガーシナプスは重さが背中全体にばらける感じでして

長時間弾いても痛くなりにくい。

先日6時間連続で弾きましたが、腰痛になりませんでした。

リッケンバッカーでしたら4時間くらいで限界です。

 

このバランスの良さはシナプスならではかと思います。

さすが人間工学云々で有名なスタインバーガー。

以前SPIRITを使ってた時にはここまでのバランス感は感じませんでした。

廉価版だからかな・・・


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さて、そんなスタインバーガーシナプスのデビューとなるライブがいよいよ来週です。

 


私は1920から出演予定です。

新ベースが不安ではありますが、久々のライブ、楽しみです。

 

なお、このライブ以降はオープンマイクへの参加や路上ライブをしながら、

ライブの在り方の模索をしていこうかと思っています。

 

 

 

 

 

2021年11月4日木曜日

ベースを買った話。

 新しいベースを買いました。

 

STEINBERGER SYNAPSE XS-1 FPA4




 

以前にも書きましたが、

私、ベースは数本しか持っていません。

フレッテッドはリッケンバッカー 40011本、

フレットレスはオービル FLYING V BASS1本。

この2本だけです。

 

たくさんの楽器を所有すると、

楽器への愛情が薄れてしまうような気がするし、

私にとって楽器はコレクションの対象ではないので、

できるだけ少なくしていたいのだ。


 そんな中、久々のベース購入。

というのも、先日スタジオでリッケンバッカーを倒してしまい、

指板が4フレット溝を起点に割れてしまったのです。

近くの楽器屋さんに相談してみましたが、結構な重症とのことで、

そちらのお店では対応不可とのこと。

 

先日、真剣で稽古をする居合の先生の動画を見ました。

その先生が言うには真剣で稽古するとなると、少しでも気が緩んでいると

大きなけがをすることもあるため、常にしっかりと剣に向き合う必要がある。

剣を握った時にその日の自分の集中度がわかるようになってくるとのこと。

 

うーむ。楽器を倒して壊してしまうなんて論外ですね。

演奏に対して気持ちが緩んでしまっている証拠かと思います。

反省。

 

ライブも近い。

フレットレスでは今やりたい音楽にはそぐわない。

どうするか迷った挙句、

新しいフレッテッドのベース購入に踏み切った次第。

 

スタインバーガーは過去に廉価版のspiritを使ったことがあります。

ele-phantのライブでも何回か使ったりしておりました。

コンパクトさはやはり理想的で、持ち運びもさほど苦にならない。

ですが、spiritは音がいまいち。

    ele-phantの時は歪ませていたので何とか音作りできていましたが、

生音だとちょっといただけない。


アンプを通さないで弾くとそこそこ鳴るし、

サスティーンもまずまず。でもアンプを通すと、軸のない音・・・

よく言われるように、ピックアップがよくないのかもしれません。

 

今回もスタインバーガー(系)を買おうと決めてから、

spiritを買ってピックアップを変えるなども検討しましたが、

いっそのこと、もともともう少しグレードの高いものを、ということで

シナプスに決めました。

 

早速弾きこんでいます。

ライブまでに慣らしていかなくちゃいけませんので・・

 

感想についてはまた次回。