2023年12月28日木曜日

振り返り

 

クリスマスも終わり、いよいよ年の瀬ですね。

 

今年もいろいろなことがありました。

ちょっと振り返ってみます。

 

何と言っても一番の事件は「移住」です。

 

いままでも山に近いところに住んできましたが、

今年の1月にいよいよ山の中へ移住しました。

最寄り駅まで車で4050分、

コンビニも車で30分近くかかる環境。

 

数年前までは中野区鷺宮というところに住んでおり、

コンビニは徒歩10分圏内に4件。

駅までも10分かからない。

新宿ロフトまで早ければ30分くらいでついてしまう環境にいました。

 

そこから考えると、まぁだいぶ深いところまできたもんだと

我ながら不思議な気分になります。

 

極寒で寝れなかったり、信じられないサイズのクモが家に出たり、

近所で熊が出るなど、いくつかのラブリーな事件はあったものの、

大きな問題なく過ごしており、

近所の方々(基本的にご年配)にも仲良くしていただくとともに、

いろいろと学ばせていただく、実り多い1年でした。

 

妻は驚くべき順応を示し、

地元のフラサークルへの参加や学童保育バイトを始めるなど、

どんどん地元の交流を増やし、

その流れで私も年末には地元で演奏をさせていただく機会を得ました。

ありがたい限りです。

 

来年はさらに地元での音楽活動も加速していきます。

地元演奏会への参加、慰問演奏などのほか、

ぼちぼち自主企画なども開催していきたく思っており、

画策を続けております。

 

音楽に関しては、いくつか新しい試みに挑戦しました。

フレットレス化アルコ弾き導入といった

自身の音楽に即効的にかかわる内容のほか、

地力アップ(?)としてダウンピッキングの練習読譜学習なども持続しており、

ダウンについてはなんとかBPM212についていけるかな、といったところまで来ており、

読譜は国語読解に例えると小学生低学年くらいの読譜力はついたかな、といった状況です。

まだまだではありますが、この年齢でも少しずつは上達できることが改めて確認できて、

やりがいを感じています。

 

その他、生活習慣に関する挑戦として砂糖断ちもやってみましたが、

こちらはダメでした・・・

ちょっと気を緩めたらずるずると昔の習慣にもどってしまい、

先日は普通にケーキとドーナツを連続で食べたりしちゃってました・・・

これじゃいかんと、最近また砂糖断ち再開しておりますが、

まぁ、無理ない程度に今後もやっていこうかと思います。

 

もう一つ心掛けていたこととして、

「できるだけ人と会う」というのがありました。

とはいっても、例えばライブハウスや飲み会に頻繁に顔を出すとかではなくて、

じっくりと人に触れる機会を作り、その人を学ぶというかんじ。

決して多くはありませんが、何人かの尊敬できる仲間、先輩と

じっくり話す機会を作ってきました。


人は根底に思想、生きる指針みたいなものを持っているように思います。

それは本を読んで学べる哲学ではなくて、

その人からにじみ出る哲学。

それはじっくりお話しないと見えてこないものです。

 

じっくり人に向かい合って、その人が音楽から何を得て、何を信じているのか

さらには音楽で何をやろうとしているのかを肌で知る。

来年も積極的に人に触れる機会を作っていきたく思います。

 

 

来年はどんな事があるかな、

いや、どんな事をしようかな。

夢想の時くらいは受動ではなく能動で。

 

 

それでは皆様、よいお年をお迎えくださいませ。

 

 

 

 

 

2023年12月11日月曜日

なぐりのコンサート

 

先週末は今年最後のライブでした。

地元飯能市名栗の福祉団体主催によるコンサート。

 

行政センターの大部屋にて地元の方々を招き、

地域福祉の一環でもある無料の音楽会。

出演者も地元の人間ばかりで、

弾き語りやリコーダー演奏、地元神社の獅子舞保存会による笛、

フラ、コーラスなど、

多様で基本的にロックとは縁が遠い出演陣だ。

 

妻の紹介で私にもお声をかけていただき、

出演させていただくこととなった。

演奏時間はセッティング込み15分と短めで、私は2曲を演奏。

 

 

とにかく緊張しました。

 

過去のバンド活動の中では

結構な大人数の前でのライブや、

失敗が許されないライブ録画、ワンマンライブなども経験してきましたが、

それ以上の緊張。

指が震えたのなんて何時以来だろう。

 

地元なのでおかしな失敗はしたくないという思いもありましたし、

機材は小型アンプだけでPAのサポートもない中で、

ちゃんと部屋全体まで鳴らせるのか、といった音響技術面の心配もありました。

それらも緊張の一因ではありましたが、一番大きいのは

普段、あまり音楽を聴いていない(であろう)方々の前での演奏ということかと思います。

 

お集りの皆さんは地元のご年配を中心に150名くらいといったところ。

その中で私の音楽を知るのは妻だけ。

他の方々はひょっとすると「ベース」という楽器もご存じない。

 

普段のライブでは当然のことながら、音楽好きがお客さんとして集まる。

さらには音楽をやっているお客さんも多い。

そういう場とは異なり、

機材、音作り、演奏力、音楽性といった音楽的要素や、

活動歴、趣味などの付随要素はほとんど聴衆に響かない。

 

単純に「演奏」だけで魅せなければいけないのだ。


この環境は春に出演させていただいたお寺でのイベントと同じですが、

その時はお祭り的なイベントでしたので、

受けなきゃ受けないでいいという吹っ切れた思いもありました。

ですが、今回は「音楽会」に集まってくださっているので、

ちょっと趣が違う。 


そんな緊張を抱えながらの演奏となりました。

 


結果、ありがたいことに盛況をいただきながら終えることができました。

あぁよかった。

 

演奏後はいろいろな初対面の皆様からお褒めのご感想をいただく。

なかなかできない経験だ。本当にうれしい。

また、帰宅後、妻が撮ってくれた映像を見ると、

演奏後に拍手とともに、ご年配が「わー」と感嘆を漏らされる声が入っている。

普段のライブでの「ワーッ!」ももちろんうれしいですが、

漏れ出る「わー」に少し泣きそうになる。

大げさですが音楽やっててよかった。

 

冒頭に書きました通り、

今年のライブはこれにて全部終了です。

 

ありがたいことに年明けのライブ予定も2本ほど決まっておりますが、

来年は今回のような地元での活動も加速させていきます。

 

同時に地元の皆さんに地域の一員として認知してもらうとともに、

地域のため、人のために私ができることを模索していきたい。


演奏後にいただいたお言葉で「プロなんですか」というものがありました。

ありがたいお言葉ではありますが、

私としては「楽器が得意なおじさん」で十分であり、

そう自覚している。

 

共同体はそれぞれの得意を持ち寄って構成されるというのが

最初にして理想的な形だと思う。

私が得意な楽器演奏で地域に何らかを添えることができたら素晴らしい。

音楽の力って何なんだろう。そんなことを少し考えていきたい。


写真は演奏後の控室からの風景。

抜けるような冬晴れ。



2023年12月3日日曜日

エンド

 

夏目漱石の小説に「行人」という作品があります。

漱石の作品の中でも哲学的要素が強めでして、

好きな作品です。

 

主人公の兄は哲学、思想の勉強に取りつかれており、

その果てに思想、さらには疑心を伴わなくては何もできなくなってしまっており、

それに苦しみ続けます。

果ては家族すらも信用できなくなってしまい、

楽天的な性格の主人公にその思いが伝わらないことにも苦しみ続けます。

 

そんな兄の印象的な言葉があります。

「自分のしていることが目的(エンド)になっていないことほど苦しいことはない。」

自分のやっていることがどこへ向かっているのか、

すべてに目的、意味を探してしまう。

でも、そこに答えが見いだせない。

 

本来はそんなものは探さなくてもいい。

というかそんな「エンド」なんて存在しないことのほうが多い。

でも、そういうことを考えずに生きることができない。

答えが得られないその苦しみはある種の無間地獄だ。

 

そこまで高尚なものではないのですが、

自分にも同じ傾向があります。

何かと考えすぎてしまい、それに苦しんでしまうのです。

 

音楽に対しても考えすぎてしまう。

手放しで楽しむことができないことがある。

常に意味を求めてしまうのだ。

音楽を作ることにも、学ぶことにも、演奏することにも、

演奏を見ること、聴くことにも。

 

 

昨日(12月2日)、VERITAS CONC75の企画で西横浜エルプエンテでライブでした。

そして、2週間前の11月18日はDAYBREAK企画で

宮ケ瀬湖畔地でのライブ。

 

この2つのライブに出演させていただき、

それを楽しむ中でなんとなく悩みが晴れた気がする。

つきものが落ちたような。

 

2つの企画に共通していた方向性は

「コミュニティの形成」のように思う。

「いい空気」「居心地」を作る。

お金、集客、企画(バンド)のブランド形成とかに主眼はない。

それらは結果論であり、目的ではない。

 

 

そのための場は公共施設(湖畔公園)だったり、

DY度の高いライブハウス(エルプエンテ)だったりする。

演出や音響は必ずしも完璧ではないかもしれないが、

自分たちで会場をつくりあげたり、

会場もコミュニティの一部とするべく協同し、

理想的な空間に仕上げていく。

 

お客様、出演者、誰もが音楽をそれぞれのやり方で楽しむ空間。

そういう場に触れ、

「楽しい」という感想だけで十分であり、

その先にことは考えなくていいのだと実感した次第。


きっと企画者の2バンドに上記のような明確な意図があるわけではないでしょう。

気づいたらそんな企画になっていたのだと思う。


エンドは求めるものではない。

気づいたときに見つけているものなのだろう。

だから、心配はいらない。

歩き続けるだけでいいのだ。


 

まぁ、きっとまたすぐに何かと考えすぎてしまう癖が顔をもたげることでしょう。

性格なので仕方ない。

でも、今はなんかすっきりしてる。

そんな2企画に感謝です。

 



 

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さて、来週は地元コンサートです。

 


今年最後のライブとなります。

町場からは遠いですし、

演奏時間15分と短めではありますが、

よろしければ名栗の紅葉を見にいらしてください。

 

 

2023年11月9日木曜日

ライブ拝聴記 蛯名宇摩さん

 

先週末、隣町の原市場で蛯名宇摩さんのライブをみてきた。

 

蛯名さんは奄美大島のヒッピーコミューンに生まれ、

15歳で和太鼓を学ぶために上京。

たまたま触れた高橋竹山さんの津軽三味線の音色に惹かれてその道に進み、

その後、民謡、尺八、竪琴、蛇味線などを習得するとともに、

各地の民謡を学ぶ。

原発事故を機にそれまで住んでいた福島から岡山に移住し、

現在は岡山を拠点に活動なさっています。

 

ちなみにこんなすごい経歴ながら、

私より年下。

世の中、いろんな人がいるものです。

 

私は以前にこの動画をみて津軽三味線に興味を持ちました。


以降、高橋竹山さんのCDを聴いたり、

一時は習ってみたくて先生を探したりもしたのですが、

その後、コロナ禍となり、その熱も冷めてしまった経緯があります。


三味線、特に津軽三味線にはベース(フレットレスベース)との共通点が多い。

グリスを多用する奏法はミックカーンのようだし、

バチで激しく弾く様子はスラップ奏法のようだ。

また、三味線にはフレットがないので、

確実な音程を確保しながら弾くためにはしっかりと押弦する必要があり、

津軽三味線奏者は左手指の爪が弦の形に削れてしまうそうだ。

その辺もフレットレスベースとの共通点を感じて興味深い。


また、文化面でも、盲人の生活の糧であったという歴史が

デルタブルース、戦前ブルースと共通していて面白い。


そんな思いから、一度ライブで見てみたいと思っていました。

そんな中、地元の喫茶店にて常連さんから

たまたま今回のライブの情報をいただき、

見に行ってきた次第。

 

 

会場は普段はナチュラル食材販売や市場などが開かれる古民家。

ライブは約2時間。

中間に15分の休憩が入り、その間、主催者さんのご準備なさった

ハーブティーやお菓子をいただくという、なんともアットホームな雰囲気。

 

ライブ前半は主に日本各地の民謡を聴かせていただく。

全然なじみがなかったのですが、これが面白い。

同じ南国でも沖縄と奄美では全然雰囲気が違ったり、

京都の部落民謡では少しブルースに近い音使いを感じる。

(解析したわけじゃないので、あくまでも感覚ですが。)

こうした民俗学的な面白さを味わうとともに、

これら民謡の謡い手がどんどん失われて行っているという事実に少し暗然ともする。

 

後半は蛯名さんのオリジナル曲なども交えたセット。

これがまたすごい。

関東大震災時の韓国人虐殺や、原発問題といった社会的な内容を

三味線弾き語りという形で謡い上げる。

このくらいの時点では奏法を勉強しようとか、

民俗学的な興味などは薄れ、

ただただ演奏に引き込まれる。

 

彼女は民謡という年配者になじみのある様式に乗せて

こういった社会問題や目をそらしがちな問題を聴衆に問いかける。

すごくロックでパンクな姿勢だ。

酔っぱらって騒ぐことをパンクだと思っている自称パンクは足元にも及ばない。

そんな蛯名さんの姿勢と突き刺さる謡に涙が出る。

 

 

聴衆は地元のご年配がメインで、

私などは若い部類かと思う。

そんな年配の皆さんはネット、SNSとは離れた生活を送っている。

だからだろうか。すごく純粋に演奏を楽しんでいらっしゃる印象を受けた。

 

曲間の蛯名さんの説明によると、

津軽三味線のルーツは新潟の「ごぜ」にあるらしい。

「ごぜ」は「瞽女」と書き、盲人女性を意味します。

新潟上越地方には盲人女性が寄り合い、三味線、民謡を生業とするコミューンがあり、

それを「ごぜ」と呼んだそうだ。

 

ごぜさんたちは季節ごとに近隣の村々を回り、

演奏を聴かせ、生活の糧を得る。

娯楽の少ない時代、各村々はごぜさんを待ち望み、

ごぜさんが来ると、演奏会場に村中の人が押し掛けたという。

音楽を聴く、見るというのは貴重な行為だったのだ。

 

平成の頭ころに最後のごぜさんが他界し、

ごぜさんの文化はすでに失われてしまっているのですが、

ごぜさんを楽しんでいた昔の人たちは、

きっと今回会場にいらっしゃったご年配のように、

まっすぐに音楽を楽しんでいたのだろう。


音楽というのは本当はこうして楽しむものなのかと思う。

私のように奏法だの、歴史だのと頭でこねくったりしてしまうのは邪道だろう。

 

世の中は変わり、

音楽は近く、安く、軽くなった。

その有難さを享受していますし、楽しんでもいますが、

やっぱり私は遠くても高くても、重い音楽を聴きたいし、

聴くべきだなと感じました。


そんな2時間のライブ。

本当に行ってよかったです。

 

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さて、告知です。

11月のライブはこちらです。


DAYBREAKの秋の名物企画。

いよいよ来週末です。


そして来月はこちら。

ベリコンの忘年会。


そしてこの翌週の12月9日には

地元名栗のクリスマスコンサートに出演させていただきます。

こちらの詳細は後日アップさせていただきます。


よろしくお願いします。

2023年10月24日火曜日

保護犬猫活動支援に関するご報告

 

以前に書かせていただいた

妻が進めている保護犬猫のための活動支援ステッカー企画ですが、

開始から1年が経ち、

以前お世話になった茨城県のNPO法人「ポチたま会」様に

いったん売り上げを寄付させていただきました。

ご協力いただいた方々、ご興味を持っていただいた方々、

本当にありがとうございました。

※詳しくはこちらをご覧ください。

 

同企画は今後も継続いたします。

私のライブ会場でもステッカー販売しておりますので、

よろしければご覧くださいませ。

 

ステッカーだけでなく、今後は私の音楽活動も合わせて、

共同企画みたいなものも検討しております。

まだまだ具体的になっておりませんが、

追々、こちらのブログでも紹介してまいりますので、

よろしくお願いいたします。

 


さて、唐突ですが久々にSNSを始めました。


どちらかというSNSがあまり好きではないのですが、

コロナも明け、もう少し情報発信していってもいいのかな、なんて思いまして。

また、情報を得るという意味でも、今の世の中、

SNSを何もやっていないというのはちょっと不便。

 

昨今、情報はあふれかえっていますが、

大半はどうでもいいことばかりで、

ほしい情報はやっぱり自分から動かないと得られない。

そうなるとSNSでの情報を確認したいところなのですが、

以前はアカウント無しでも各種SNSを見れたのに、

最近はどのSNSもアカウント保持者限定になってしまっています。

 

バンドのライブ予定なんかでもSNS上だけで情報配信される場面が多く、

そうなると、そのSNSのアカウントがないと内容が確認できないんですよね・・・

 

そんなわけでSNS再開を思った次第です。

以前はツイッターをやっておりましたので再開も考えたのですが、

昨今のイーロンさんによる強引な変貌に違和感がありますので、

インスタグラムを始めてみました。

 

気まぐれなのでいつまで続くかわかりませんが、

よろしければ、ご覧くださいませ。


さて告知です。

いよいよ1か月を切りました。

DAYBREAKによる秋の名物企画。


湖畔地の野外ですので、結構な寒さが予想されます。

暖かくしてお越しくださいませ。


そして12月はベリコンの忘年会。


どちらもよろしくお願いします!







2023年10月5日木曜日

生きている音楽

 

CORRUPTEDの新作がすごい。

https://corrupted1994.bandcamp.com/track/mushikeras

 

おそらくバンドとして、大きな挑戦と思われる今作、

すごく心に響きます。

 

私はCORRUPTEDを云々できるほど

歴史を追って聴いてきたわけではないのですが、

日本のスラッジ、FUNERAL DOOMの開拓者という認識を持っており、

やっぱり必殺技は「溜めて溜めてからの低音リフで爆発」のカタルシスだと思っていた。

ですが、今作はその武器は振り回さない。

もちろん引きずる重さや爆発的な低速リフはあるが、

それはあくまでも一要素。そこへの偏重は感じない。

 

驚いたのは「歌」の存在。

全編通して歌われているのだ。

 

新ボーカルさんの表現力は本当に素晴らしい。

緻密な多重録音と、寓話的で、ある種牧歌的な印象もある歌詞もあいまって、

グイグイと心を揺らす。

 

今回の音源で彼らが一番重視しているのは、

この歌に込められたメッセージなんじゃなかろうか。

 

CORRUPTEDといえば、誰しもその歴史、独自の雰囲気、

思想性を思うんじゃないでしょうか。

そんなCORRUPTEDがメッセージを伝えるには何がベストな方法なのか、を考え抜いた結果のように思う。

そしてそのために歴史、雰囲気、思想もぎりぎりまで捨てる覚悟が伝わってくる。

 

妻はこの音楽を「美術」と感想していました。

まさしくその通りだと思います。これは美しく描かれた美術。

でもそれはしっかりと血で描かれており、

悩みぬいた痕跡みたいなものが美しさとして顕われている。

 

 

また、今回BANDCAMPでリリースされたということも、

界隈(?)では事件なんだろうな。

私はベストな選択だと思います。

美術はだれの目にも触れることができる方がいい。

 

実は私、BANDCAMPをよく知らなくて、

今回初めて使ってみたのですが、面白いですね。

有名無名問わず、ミュージシャンによる直接発信、販売が可能なことから、

他のストリーミングサービスよりも濃い音楽が見つけやすいように思う。

 

早速私も数曲購入したり、聴いたりしています。

スコットラファロやアルバートアイラー、高柳昌行さんの未聴ライブや

チャックシュルディナーの別バンドとか。

気が付くと死者の音楽ばっかりを聴いている。

 

思えば、私の好きな音楽は死者の音楽が多い。

自分なりに考えてみたのだが、死によって歴史が断絶することで、

「完成」のままでいてくれるからかもしれない。

人気を維持するために無理をしたり、金のために誇りを捨てたりすることなく

美学を保ったままでいてくれる。

 

だが、この考えは理想的ではない。

CORRUPTEDの音楽を聴いて、少し考えなおした。

きっと彼らの音楽はこれからも進化していく。

やっぱり進化し続けるこそが音楽家、表現者としてあるべき姿だ。

「完成」で終わりではない。

「完成」を更新し続け、生きていかなければいけない。

 

うーむ、背筋が伸びました。

私も私なりにさらに自分の音楽を練っていきます。

 

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さて、告知です。

 

前回記事で書きました、11月のライブの情報が開示されました。

DAYBREAKによる秋の定番企画

”BURST YOUR PICNIC”

 


コロナ以降スタートしたこの企画には

かれこれ3度目の出演となる。

ほぼレギュラーとしてお呼びいただき、ありがたい限りです。

 

その後12月にはこちらも控えています。

12月2日 西横浜エルプエンテ

”BORN TO BOOZE”

 


 そして、フライヤーはありませんが、翌週は地元のイベント。

12月9日 なぐり広場

”なぐりクリスマスコンサート”

https://nagurihiroba.jimdofree.com/

実はこうして普段音楽を聴かない方々の前で演奏するのが一番緊張したりする・・・

それだけに刺激も勉強もあります。


今年はこの3本のライブで終了かな。

約1か月の間に3本のライブなんて、私としてはかなりのハイペース。

楽しみです。




2023年9月29日金曜日

展覧会で思ったこと


 

今月、珍しく2つの展覧会を見てきた。

 

まずは損保美術館で「山下清展」。


素晴らしかったです。

特にお若いころの貼り絵作品が好みでした。

有名な「花火」では感動で涙が出ました。

すごく混んでて、しんどい思いもありましたが、

見に行ってよかった。

 

そして、もう一つは三井美術館で「明治の超絶技巧展」

明治時代の精密工芸品を集めた展示会。


過去にも開催されていた展示会でして、

その時は見に行けなかったものの、

その時の図録をヤフオクで入手して眺めるにつけ、

いつか実物を見たい、と思い続けていました。

 

・・・ですが、実際に展示を見て、

正直なところあまりガーンとくるものには会えなかった。

 

いや、もちろんすごいです。

特にあこがれの安藤緑山氏の作品などは

見ていて釘付けになりました。

 

ですが、大半の作品は

「へぇ。すごいなぁ。」という、

文字にすると何とも不遜な感じになってしまうような感想だった。

比べるものではないですが、山下清展での衝撃、感動は味わえなかった。

 

工芸品ゆえに芸術とは違う、とかいうことではないです。

どんなものでも、人が作ったものは

どこかで芸術に転化するものだと思っていますし、

実際、安藤緑山氏の作品は「芸術」として受け取りました。

ですが、その感じを持っている作品は少なかった。

 

特に今回の展示では明治時代のものばかりではなく、

現代の作家さんの作品も並んでいたのですが、

それらからは明治時代のものたちよりもさらに薄味に感じられました。

(にもかかわらず、芸術であることをアピールするみたいな、
作意についての文字説明がくっついていたりするから
さらに冷める・・・)

 

 

さて、話がすこし変わりますが、

先週末、義理の母の喜寿お祝いにて

妻の実家に行ってきた。

義兄夫婦、姪にも久々に会った。

 

姪は小学校1年生。

家では何か紙があれば夢中で絵を描き続けているらしい。

義兄は過去にBucket-T/PIGMENスプリットのジャケをデザインしてくれた人物で、

妹である私の妻も絵描き。

義兄、妻、姪と絵描きの血が流れているのだろう。

 

そんな姪の絵を見せてもらって驚いた。

ちょっと感動的に素晴らしいのだ。

 

もちろん技巧はつたないのだが、

とにかく熱い。

なんというか「これが描きたい」がほとばしっているのだ。

 

結局こういうことなんだと思う。

「これを表現したい!」をどれだけ作品に込められるか。

それを無意識にやっている山下清さんや姪の作品は

だからこそ心に響くのかもしれない。

 

音楽もきっとそうだろう。

心に届く作品かどうかは

「うまい下手」とはまったく別問題。

 

昔から思っているのですが、

「うまい」よりも「すごい」でありたいものです。

なかなか達することはできないのですが・・・

 

 さて、告知です。

まずは久々のベリコン企画。



そして、その翌週の12月9日には

地元名栗のクリスマスコンサートなるイベントで演奏させていただきます。

こちらはまだフライヤーなどないのですが、

追って上げさせていただきます。


さらに、11月にもう一本予定が入ってきました。

そちらも追って詳細を上げさせていただきます。



 

 

 

2023年9月16日土曜日

052

 

コロナが落ち着き、仕事での出張、宿泊の機会も増えてきた。

 

そんな中、今週頭に久々に名古屋に宿泊となったので、

九狼吽のリキさんと吞んできた。

 

ABNORMALS時代、

いろいろな人と知り合ったり、友達になったりしましたが、

なかでも、不思議とリキさんとは意気投合し、

仲良くしていただいている。

 

いかつい彼と、もやしっ子な私という凸凹なサシ呑みながら、

同じベーシストであり、年齢も近く、音楽趣味も近い。

そしてなにより、私が九狼吽ファンであることもあり、

話題は尽きず、あっという間の呑み会だった。

彼のまじめさや純粋さにすごく刺激をいただきました。

今後、発表されるであろう音源もすごく楽しみ。

 

 

さて、話題が変わりますが、

電車移動が増える中、周りを見渡すと

誰もがスマホをいじっている。

特に通勤の車内となるとスマホいじり率80%超といったかんじだ。

 

そしてそういう中で思うのは

プライバシーマナーみたいなものの希薄化です。

皆さん、あけっぴろげ過ぎませんでしょうか・・・

 

ガラケーの時代はモニター面に

のぞき見防止の偏光シートみたいなものを貼るのが普通でしたが、

スマホでは流行っていない。

スマホはPCの延長的な側面があるからでしょうか。

 

混雑した車内では、見たくなくても周りの人のスマホ画面が目に入る。

他人のプライバシーや趣味が勝手に視界に入ってくる。

メール、ライン、SNS

萌えアニメ、5ちゃん、ゲームに夢中なおじさん・・

 

マナー云々の前に恥じらいを感じそうなものですが、

今はそういう世の中ではないんだろうな。

オープンにしていい領域みたいなものが

一昔前に比べて大きく拡大しているように思う。

 

結局、こういうのは各人の美意識でやっていくしかないんだろうな。

私はあんまりあけっぴろげなのは粋じゃないと思うので気を付けている。

人は人として、自分はどこまでをマナーと考えるか。


ただ、単純にまぶしかったりチカチカするには目障りなので勘弁してほしい。

 

購読している季刊誌「いいね」にて

スマホ専用車両の導入というアイデアの記事があった。

誌面での主旨はスマホによる

電磁波影響、アレルギー対策としての導入提案でしたが、

面白いアイデアだと思います。

ぜひ導入してもらいたいな。

 

 

さて、告知です。

 

年末、12月に2本のライブ予定が入っています。

 

まずは12月2日

ベリコン企画でエルプエンテ

 VERITAS CONC.75 presents

BORN TO BOOZE Vol.20




ベリコン企画に参加させていただくのは、

コロナ直前のピットバー以来。

昔の記事を見てみたら、2019年の11月でした。

もう4年前か・・・

プエンテもすごく久しぶりだし、本当に楽しみです。

 


そして翌週の12月9日には

地元の名栗でのクリスマスコンサートイベント。

出演は二胡演奏、リコーダー、笹笛、フラダンスなどなど、

かなりのバーリトゥード。

 

こちらはオープンマイク的な乗りで演奏時間は短めですが、

地元の人だけを対象にしているわけではありませんので、

気兼ねなくお越しください。