2020年4月20日月曜日

沈潜日記


緊急事態宣言が発令された中、
私はというと、自宅勤務となり、
ほとんど家を出ない生活が続いています。

あまり意識していないのですが、
夜中に目が覚めると胸騒ぎで寝付きにくくなることもあり、
やはり深層では病魔、先行きに不安を感じているのかもしれません。

おそらく、医療、物流、生活必需品関連など、
自宅勤務に移行することが難しい職種の皆様は
私どころではない不安や疲労をお持ちでしょう。
皆様のおかげでこうして大きな変化もなく生活させていただいています。
本当にありがとうございます。


ライブはおろかバンドで集まること、
街に出ることも憚られる状況ですので、
スタジオに入ることも当然なく、
自宅近辺が現在の練習場所となっています。

前回の記事で書かせていただいた通り、
この沈潜期間を前向きにとらえるべく、
いろいろと模索する中で
こんなものを録ってみたり、

裏庭の倉庫内にアンプを置き、
マイキングの上、毛布でくるんで
レコーディングなんかもやったりしています。

まだ寒い日も多く、外作業はこたえますが、
こういった場所があるだけでもありがたい限りです。


自宅勤務の経験は初めてなのですが、
よく言われるようにすごく効率がいい。
周囲の声や、意味の薄い会議、
そして何より満員電車での移動から解放されていることで、
朝一からフルで仕事に入れます。

そんな高効率化と、そもそもお客さんや取引先さんも停滞していることで
少々時間を持て余す傾向もあり、
その分を読書時間に割いています。
ここ最近読んだものを並べてみるとなかなかの量になっています。
たいていは再読ですが、過去に読んだものを
こうして読み返すのもいい機会です。


思えば、震災から原発事故の起こったとき、
これが嘘であってほしい、なかったことになってほしいと考えたものでした。
もちろん今でも傷跡はそれぞれにあり、
私の中にも傷はある。
でも、あの一連をきっかけに得たものもたくさんあり、
考え方も変わったように思う。

個人的な部分だけではなく、
日本人すべてが何らかの形で、考え方に影響をうけたのではないだろうか。
9年たった今ではそんな風に感じることができます。

今回のウィルス禍もいつかそうやって思えるときが来るでしょう。
しかも日本だけではなく、世界中のだれにでも共通するきっかけです。
仕事、生活、情報、政治、資本主義‥
いろんな分野に対して考え方が新たになっていく機会なのかもしれません。
いや、「かもしれない」じゃなく、
そうやってとらえていくべきなんだと思っています。


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さて、告知と行きたいところですが、
残念ながらキャンセルの情報しかありません。

5月のこちらもキャンセルになりました。

久々に重量級なバンドさんたちとの共演の予定だったのですが、
残念。またいずれです。




2020年4月3日金曜日

沈潜


不安な状況が続く中、
残念ながら以下のライブが延期となりました。

ABNORMALS 
4月12日
渋谷CLUB ASIA

 NILOMETER
4月18日
阿佐ヶ谷天


後者については私の企画ですので、
自分で延期を決めました。
イベントの性質としてリスクはさほど高くはなく、
よっぽど電車の方が危険といった感じですが、
リスクが無いわけではなく、
状況が安定するまで延期と判断させてただいた次第です。


音楽に限らず、全国的に自粛の動きとなり、
閉塞的な気分になりがちです。

国民の不安や実情を感じ取れない、政府、自治体。
場当たり対策の一個一個に紛糾するばかりで進展の少ない国会。
汚い言葉や悪意、大喜利気取りのSNS
世界はどんどん醜くなっていくようだ。

私も同様に閉塞感を感じがち。
ですが、ちょっと意識を変えるようにした。

今は沈潜の時期。
自分を見直す時間に充てようと思います。
曲を作り、演奏技術を鍛え、音楽を見直し、
本を読んだり、坐禅をして、思想や性格を見直し、
規則正しく生活し、乱暴な食、酒は控えて体を見直す。
SNSから距離を取り、ニュースは他人のコメントを非表示とし、
自分なりの物の見方を見直す。

本来、隠遁生活、沈潜は楽しいものかもしれない。
だからこそ方丈記や徒然草は面白く、あこがれる。
沈潜を楽しむ、今はいい機会ととらたえたい。

幸田露伴は春を「気持ちの張る季節」と言っている。
気持ちを入れ替えて、前向きに生きていくにはいい時期だ。