2024年11月6日水曜日

脳天壊了Ⅱ日記

 

先週末はのうてんふぁいらⅡでした。

足元の悪い中お越しいただいた皆さま、
本当にありがとうございました。

 

今回記事はそんな「のうてんふぁいらⅡ」日記です。

 

当日、朝起きるとあいにくの雨。 

前回ののうてんふぁいらⅠの時は

お客様向けのおやつとして、
高尾にある「チチ」さんでスコーンを仕入れる都合から、

早朝の出発でしたが、今回のおやつは地元の「名栗饅頭」。

すでに前日に準備していたので、

家を出るのもゆっくりで大丈夫。

自宅ですこし練習などしたうえで、9時ころに出発。

 

会場入りの前に、会場近くの伊勢屋さんで、

事前に予約していた出演者用のケータリングお弁当を購入。

斉藤家お気に入りの手作りお弁当です。

 

10時に会場入り。

会場のイーストコートさんにご挨拶し、軽く打ち合わせ。

出演者のpapalion、大河原さんの到着を待ちつつ、

会場準備やサウンドチェックを行います。

 

ひととおりの準備をすませてから、お弁当で昼食。

以前の記事で書いたように、今回の出演者は

武蔵大学の音楽サークル出身者ばかり。

ライブ会場でみんなで弁当というのは、

当時の学園祭準備のようで、なんか楽しい。
(みんなアラフィフですが。)

 

12:30開場。

前回同様、予約制なので、

事前予約のリストを見ながら、お客様を迎えます。

今回は先述のおやつ(名栗饅頭)とお土産として
私の新作デモを準備していたので、

受付でそれらをお渡しする。

前回は受付に慣れずにわちゃわちゃしましたが
今回はスムーズに対応(できた気がする。)

ライブにきて饅頭をもらうという珍しい状況にお客さんも楽しそうです。

 

そして開演。

まずは大河原さんの演奏。


 

エレキガットギターにルーパー、シマーリバーブ(かな?)、
ディレイなどを絡めてのソロ演奏。

フラメンコギターの講師でもある彼らしく、

地中海的な複雑なリズムや、ラスケアード奏法など、

耳触れない音がすごく興味深く、心地良い。

ブルーノート全開だったBucket-T時代の彼からは想像できない音使いだ。

 

以前にフラメンコのライブも拝見しており、

その時も感じましたが、改めてBucket-T解散で袂を分かってからの

大河原さんの歩みを見るような気がする。

そしてなんか誇らしくもあったりする。

 

 

そして次はpapalion



こうして彼らのライブを見るのは何年ぶりだろう。

ひょっとしたら先日記事にかいたele-phantでの競演が最後かも。

そうなると、10年近くたっていることになる。

 

年齢とともに時間の経過は加速していくもので

若いころの数年にくらべ、
最近の10年は体感時間が短く、そんなに昔という気もしない。

それでも10年はやっぱり10年。

今回彼らが演奏した曲は知らない曲ばかりであり、

あのときよりもバンドの完成度が増している。

なんというかちょうどいい脱力をもって演奏しているさまが素晴らしい。

 

Bucket-Tが解散するとき、

いろんな人に「斉藤君はずっとBucket-Tなんだと思っていた」と言われた。

そんな私も気が付いたらいろんなバンドを転々として、

遠からじとはいえ、いろんなスタイルを演奏してきました。

そして、振り返ってみて思うのは、
スタイル、らしさを維持しながら進化することの難しさ。

papalionはそれを成し遂げている。

 

彼らの演奏後、口をついて、ギターボーカルのミズキに

「本当にいい曲だね。」と言ってしまいました。

彼とは大学入学式の日に同じ音楽サークルの見学でたまたまあったのが最初。

なんだかんだ長い付き合いですが、
こんな事言ったのは初めてかな。

 

 

そして最後は私の演奏。

雨だったので、暗い曲を演奏するのがはばかられ、

急遽セットリストを変更し、明るめの曲でまとめました。

 


ここのところ、演奏に際して意識しているのが「感謝」。

「感謝を込めて演奏」とか、よく聞く言葉ではありますが

抽象的な言葉でもあり、
それを徹底することは実は難しいことだったりもします。

 

ですが、自主企画では当日に至るまでに準備や心労や不安、期待がうずまき、

それらは自然とお客様、共演者、会場への感謝を生みます。

そういった中での演奏でしたので、特に気負うこともなく、

「感謝」を体現できたのではないかと思います。





 

これも自主企画の魅力であり、学びです。

 

 

演奏終了後はお越しいただいた皆様と談笑。

久しぶりにあった友達、元バンドメンバー、地元の皆様、先輩。

車じゃなかったら久々にビールでも飲みたかったな。

 

ぽつぽつとお客様がお帰りになり、

最後に妻と一緒の会場に挨拶し、帰路。

外は相変わらずの雨でしたが、晴れやかな気持で帰りました。

 

 

そんなこんなで
今回も充実の「のうてんふぁいら」でした。

 

もちろん今後も続けていきます。

 

次回は来年の春かな。

少し趣向を変えてみるプランも練っておりますので、

お楽しみにどうぞ!

 



妻の展示風景1



展示風景2



展示風景3

 

 

2024年10月25日金曜日

「人間ってオモシロイ」参加

 先週、武道家、格闘家であり、

誰でも何歳からでも強くなれるをコンセプトに、

誰ツヨDOJOyを運営なさる、菊野克紀先生の

「人間ってオモシロイ」というセミナーに参加してきました。

 

菊野先生のことはご存じの方も多いかと思います。

世界最大の総合格闘技大会UFCへの参戦経験や、

国内総合格闘技大会DREAM参戦、

DEEP,巌流島での優勝など、華々しい経歴をお持ちで、

同時に沖縄拳法空手やシステマも体得なさっているという、

ちょっと珍しいタイプの武術家でいらっしゃいます。

 

先生の特徴的なところは、

総合格闘技の場でも武術を活用なさっている点かと思います。

三日月蹴りやナイハンチ突き、構えのスイッチなど。

それも、かじったとかのレベルではなく、

達人級の技術をお持ちです。

 

私は武術の考え方は音楽(表現)に通じるものがあると考えており、

以前に合気道を勉強したことがありました。

コロナや引っ越しもあり、中途半端で辞めてしまった形ですが、

それでもその時に学んだ「気」の出し方、姿勢、考え方は自分の中に生きています。

 

菊野先生のことは、以前から技術、考え方、人間性に感服しておりまして、

今回のセミナーは座学、体験会メインということでしたので、

勉強になるのではないかとの思いで、

勇気を出して参加してきた次第です。

(サンドバックやら畳でドタンバタンとなると死んでしまいますので・・・)

 

いや~行ってよかったです。


あまり詳しいことは書けませんが、

菊野先生の技術に触れて驚くとともに、

もともとそういった力が人間に備わっているのだということを再認識しました。


セミナーの内容としては、身体操作の方法、理合のご説明、体験から

徐々に意識によって体を操作する方法や無意識の力など

精神面を含んだ内容にシフトしていき、

生き方や世界の在り方などにも触れるという特盛なセミナーでした。

 

古武術的な技というのは、

ともすると、オカルトの領域に受け取られがちです。

触れずに相手を転ばせるとか、

複数人に押さえつけられているのに、それを吹っ飛ばすとか。

ほとんどドラゴンボールの世界ですので、仕方ないのかと思います。

ですが、気の力、意識の力、言霊、祈り、呪い、結界・・・

そういうものは形や呼び方はいろいろあれど、
確かに存在するのだと改めて実感しました。

 

ついつい「嘘だ」と笑い飛ばしたくなりますが、

もともと、人は歴史の中でこれらとともに、
これらを使いながら生きてきました。

現代は笑い飛ばすのがクールなのかもしれませんが。

 

菊野先生はこうした技術、知識を
「どうだ凄いだろ」で済まそうとなさいません。

誰にでも備わっているものだとして、
セミナー参加者にも経験させるとともに、

それを武術、格闘技以外の分野に生かしてほしいとのお考えです。

なかなか反芻に時間のかかりそうな経験ではありましたが、

今後の自分の表現、考え方に生かしていきたいです。

 

こういうことは体感していただかないと伝わらないかと思います。

今回のセミナーは菊野先生としても初めての試みだったそうなのですが、

今後も継続なさるようですので、気になった方は参加をお勧めします。

私のようなもやしっ子でも問題なく参加できましたし、

女性、ご年配も参加なさっていましたので、
体力面は気兼ねなく参加できますので。

 

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さて、のうてんふぁいらⅡまで1週間となりました。

ありがたいことに想定していた予約が完売し、

一応ソールドアウトとなります。



 

といっても、「ご来場の方に気楽に楽しんでいただく場」
というのがコンセプトですので、

ギュウギュウとかではなく、
会場キャパに対してだいぶ余裕を持った人数です。

「ソールドとか言ってるけど、これ赤字じゃないの?」という感じですが、

いいんです。心は大黒字ですので。

 

 

 

2024年9月27日金曜日

5度コードを重く聴かせる裏技(微分音)

 

4年ほど前、手持ちのベースをフレットレス化しました。

目的は「12音階からの離脱」と
偉そうなことが当時の記事に書いてあります。

 

半音以下の音程である“微分音”の研究、
というか遊びはその後も続けており、

最近、ちょっと面白い使い方に気づきました。

 

今回はそんな発見の話です。

 

 

その前に、微分音の簡単な説明をさせていただきます。

ドレミファソラシドは7個の音
(最後のドを入れると8音)で構成されていますが、

西洋音楽ではさらに12個の音に分解されます。

 

ピアノの白鍵だけを弾くと、ドレミファソラシド、
つまりメジャースケール(イオニアンスケール)が弾けますが、

ピアノには白鍵だけでなく、黒鍵も存在します。

黒鍵は白鍵と白鍵の間に挟まっており、半音ずれた音となります。

ドからシまで白鍵が7個、黒鍵が5個、合計12音ということになる。

つまり、ドレミファソラシ(ド)は12個の音に分解できる。

 

基本的に西洋音楽はこの“半音音程”に則っており、

一般的な楽譜はこの半音までの構成で書かれています。
(後述する現代音楽では微分音を含む超難解な楽譜も存在します。)

 

だが、音は半音以下にも分けることができます。

というか無限に分けることができます。

ピアノやフレッテッドの楽器では特殊な奏法を使わないと、

こうした半音以下の分割音程は発音できないですが、

フレットレス楽器や管楽器では分割が可能です。

 

この半音以下の音程が“微分音”でして、

4分音、6分音などと呼ばれたりします。

 

微分音は民族音楽(邦楽を含む)では普通に使われますし、

西洋音楽でも現代音楽では
積極的に“微分音”を使っている曲が存在しますが、

いわゆるポピュラー音楽ではあまり使われない。

というのも、この微分音、曲の中に組み込みにくいのだ。

どうしても不安定な響きになってしまうので、

必要以上に不気味になってしまったり、
単純に下手な演奏に聴こえてしまうことになりがち。

そんなわけで、リード演奏などでは
例えばギターソロのチョーキングなどで導入されるが、

アンサンブルの中に入れようとすると”異物“になりやすく、

敬遠されてしまうのだ。

 

 

 

前置きが長くなりましたが、

そんな微分音を自分なりに使うことができないものかと考え続けておりました。
(そんなに大仰に言うほどでもないんですが。)

そして、最近見つけたのが下記となります。

 

 

2音コードの中で一番安定していると言われるのが5度コードです。

パワーコードなんて言われたりもします。

メタルなどで、ひずませてブリッジミュートでゴンゴン弾く時は
5度コードが大半かと思います。

重さが強調されるこの奏法ですが、

これに微分音を混ぜるとさらに重みが演出されることに気づきました。

 


例として、MELVINSJOAN OF ARKを通常の5度コードと

5度の音を4部音落とした、言うなれば4.75度コードで弾いてみます。

 

まずは5度です。

こちら」に音源がリンクしていますので、お聴きください。
(DROPBOXへのリンクですので安全です。念のため。)

ベースでのクリーントーン演奏なので原曲と雰囲気は違いますが、

まぁ、基準としてお聴きください。

 

 

 

次に4.75度。

こちら」にて聴いてみてください。

 

どうでしょうか。

微妙ではありますが、少し重みが増したように感じませんか?

なんかすっきりしない違和感があり、それが濁り、重みを感じさせます。

 

なんでこういう聴こえ方になるのか、 

ちょっと分析してみます。


5度コードというのは、先述の通り、安定したコードでして、

ルート音に対し整数次倍音にあたる5度の音でコードが構成され、

含まれる倍音も(基本的に)整数次倍音がならびます。

 

それに対し、4.75度の音は非整数次コードとなっており、

そこに含まれる倍音群もやはりルートの音に対し、

非整数次の倍音となってきます。

それらが、ある種の異物として、

重く、うるさく感じさせるではないかと思います。 

 

中村明一さんの「倍音」という本
(すごく面白いおすすめの名著です。)によりますと、

人間の声は倍音の含み方にが個性があるそうです。

 

男性歌手で言うと、

整数倍音を多く含むのは郷ひろみ、氷川きよし

非整数倍音を多く含むのは森進一、桑田佳祐

 

女性歌手だと、

整数倍音が美空ひばり、浜崎あゆみ

非整数倍音が八代亜紀、宇多田ヒカル

 

整数の方はどちらかというと美しくパーンとはじけるように響き、

非整数の方は濁って重い。
そのおかげで心に引っ掛かりやすく、感情的でもある。


ちなみにタモリは整数次倍音、浜ちゃんは非整数次倍音です。

落ち着きを感じさせるタモリの司会と、

「けっかはっぴょ~!」に感じるような注意喚起力を持つ
浜ちゃんの司会、

その違いの秘密が倍音にあったりするわけです。

 

今回の4.75度コードの響きも、

濁りが重さを演出してくれているのではないかと思います。

 

 

ちなみに、微分音を混ぜてコードを重くする方法は

5度以外ではここまで効果が出ません。
(この辺、主観なので微妙なところではありますが。)

 

というのも、先述のとおり5度は安定度が高いので、

4.75度を弾いても、錯覚的に5度に寄せて聴いてしまいます。

つまり「濁った5度」に聴かせることができる。

 

ですが、他のコードですと、

”無意識に寄せて聴く“まで行きにくいので、

単純に音痴なコードとして聴こえがちなのだと思います。

 

 

以上です。 

まぁ、主観に基づく発見ですので、

万人に伝わるかどうかは自信がないですが、

微分音を音楽的に使う手法として、
自分なりに、少しヒントをつかんだように感じています。


現在、この4.75度コードを自曲に生かすことができないかと模索しております。
次回ライブまでに間に合うかな・・

 


さて、そんな次回ライブはこちらです。



 

にじいろのめ 企画

“のうてんふぁいらⅡ”

 

112日(土)

飯能イーストコート

 

演奏:

斉藤新

大河原康夫

パパライオン

 

展示、物販:

斉藤マミ

 

開場:12:00

開演:12:30

料金:2000円(おやつ付き)

※完全予約制です。

 予約はこちらまでどうぞ。


sleepsleepgotosleep@gmail.com

斉藤新

 

ドリンク持ち込み自由です。

というか会場でのドリンク提供ありませんので、
好きなもの好きなだけを持ちこんでください。

ただし、ごみはお持ち帰りをお願いいたします。

 

お土産として、

現在作成中の斉藤新2ndアルバムから、

3曲入りのデモCDRを差し上げます。

(受け取ってくださいませ!)


ご予約、お待ちしております!!

 

 

 

 

 

2024年9月20日金曜日

自信と慢心

 

今回の記事は

最近になって、ようやく自分の中で整理出来てきた話です。

備忘、自戒のために記事にさせていただきます。

 

 

以前書いたかと思いますが、

今年は介護施設の慰問演奏などおこなっております。

いや、正確には「おこなっていた」です。

ある事件があって、自分を見直す必要を感じ、今はやめてます。

 

慰問演奏を行おうと思った経緯は

「自分の音楽は複雑ではあるが、ある程度の普遍性をもっているはずだ。

それを確認したい」という思いから、

ふだん音楽を聴かない(少なくともロックは聴かない)であろう、

ご年配の皆様の前での演奏に挑戦してみたく思った次第です。

 

最初に慰問演奏をしたのは3月でした。


全く顔も知らないご年配の皆様30人ほどのまえで演奏。

なかなかに緊張します。

ですが、ありがたいことに好評をいただき、

施設の方からも、また来てほしいとのお言葉をいただきました。

 

もちろん、お聴きの皆さんが知っている曲は一つもありません。

そんな中で受け入れられたのは本当にうれしかったです。

 

 

 

その後、6月に再演奏のお話をいただきました。

 

2回目ということもあり、少しリラックスして臨めましたが、

・・・まったく受けませんでした。

 

演奏を続ける中で

聴衆の皆さんの気持ちが離れていくのが手に取るように感じられ、

どんな曲をやっても、こっちに引っ張れない。

もうどうにもならなくて、途中で放棄して帰りたくなるくらい。

ここまでの気持ちは過去の音楽歴の中でも味わったことがないレベルでした。

皆さん、静かに聴いていらっしゃるが、ぜんぜん響かない。

 

演奏におかしな間違いはありませんでした。

音響にも変なところはなかったはずです。

でも1回目とは全然違う。

なにがよくなかったのか・・・

 

 

 

その後、反省を重ねていく中で気づきました。

私は”自信”というものを取り違えていたのだと思います。

 

2回目の演奏に赴くにあたり、

1回目の成功があったので無意識で慢心していました。

お話をいただいた時点で、

すごくいやな言い方をすると
「そうですか、また聴きたいですか。いいですよ。やってあげますよ」的な。

(もちろんこんな風に思ってはいませんが。)

 

1回目の結果に対し、自信を持つべき点は、

最初に自分が考えていた

「普遍性をもっているはずだ」という考えが確認できたことに対してであり、

「受けた」ことではない。

 

“自信”とは自分の中に見出すものであり、

他所の評価に対して持つ“自信”というのは、不完全で危ういものだ。

だって「自」じゃなくて「他」発信なんだから。

「他」によってもたらされた「自信」っぽいものは

どこかで”おごり””慢心“にすり替わってしまう。

 

 

先述の通り、聴衆であるご年配の皆さんは

私の曲を全く知らない。

だからこそ、こうした機微は明らかに伝わってしまう。

「いい曲かもしれないけど、なんか楽しくない」といった感じに。

 

これはレコーディングには表れないだろう。

でも、現場ではしっかりと見えてしまう。

そして聴き手の心に伝わる。

 

 

故黒田鉄山先生という武術家がいます。

黒田先生の抜刀は目に見えない速さです。


 

演武をなさるとき、

黒田先生はどういう心境で臨むのかインタビューに答えています。

 

この術を残してくれた先祖、自分に伝えてくれた祖父、両親に感謝を持ち、

どうかうまく刀が抜けてくれますように見守りください、と
祈願しながら臨むとのことです。

 

全く境地が違う。

でも、高い境地ゆえの難しい理念や複雑な思想があるわけではなく、

そこにあるのは謙虚、感謝という当たり前なことだ。

 

何に臨むにしても、この気持ちを忘れないようにしなければいけないな。

改めて思いました。



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さて、気持ちを切り替えて告知です。

 前回記事で書きました通り、

11月にのうてんふぁいらの第2回をやらせていただきます。



前回同様、音楽、絵、おいしいもので
居心地のいい空間を作ります。

ぜひお越しくださいませ。


あまりぎゅうぎゅうで見ていただくもの好きじゃないので

完全予約制になっています。

予約は下記メールにてお願いします。

sleepsleepgotosleep@gmail.com

斉藤 新


よろしくお願いします!



 

 

2024年9月5日木曜日

のうてんふぁいらⅡ

 

毎朝の坐禅中、ちょっと前までは夜明けとともに
ヒグラシの大合唱が聞こえていましたが、

今では秋の虫の声に切り替わっています。

ぼちぼち夏も終わりですね。

 

久々のブログとなります。

夏の間、特に何かしていたでもなく、

普段通り、練習、模型、坐禅、読書で過ごしておりました。

 

お盆前後から仕事が忙しくなり、

都心に出ることが増えてます。

都心は人が多いので疲れます。

疲れるというより、消耗するという表現のほうがいいかな。

仕事を終えて、山の方に戻ってくるとホッとします。


夏目漱石の「草枕」にこんな文章があります。

 

「自然のありがたいところはここにある。

 いざとなると容赦も未練も見せないかわりには、

 人によって取り扱いを変えるような軽薄な態度は少しも見せない。」

 

そんな自然の中の方がやっぱり落ち着きます。
ありがたい。

もっとも、最近は人が多いといっても、みんなスマホに没頭していて、

互いを無視しあっている群衆なので、

人によって取り扱いを変えるようなこともありませんけどね。

余計気味が悪い。

 

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さて、季節が秋に移りつつありますが

今秋にまたイベントを開催いたします。


 

にじいろのめ企画 ”のうてんふぁいらⅡ“

112日(土) 東飯能イーストコート

 

出演:
斉藤新
大河原康夫
パパライオン

 

展示、物販:
斉藤マミ


料金:2000円

 

 


4月に続き、妻とのユニット”にじいろのめ”による企画、
今年二回目の”のうてんふぁいら”です。

1年に複数回イベント企画やるなんて、20代のころ以来かな。

今回も音楽と絵を主軸に居心地のいい空間を作ります。

 

詳細はまだ決め切れていないのですが、

前回同様、昼間のイベントとなります。


音楽ライブと妻の作品展示。

 音楽のほうは、

今回は大河原康夫さんとパパライオンとの三つ巴です。

 

大河原さんは、知る人ぞ知る元Bucket-Tのギタリスト。

Bucket-T解散後はフラメンコギターの道に進み、

今ではギター講師を生業にしています。

最近はエレキガットギターでのソロ演奏を開始しており、

その初ライブとなります。

 

まさかの元Bucket-T共演です。

いや・・・全然大した話じゃないんですが。

 

 

そしてパパライオン。

比較的ポップロックなシーン(?)での活動が多い彼らなので、

お互い活動歴は長いのに
私の過去バンド歴の中で共演したことは1度しかありません。
(妻の企画ライブで活動初期のele-phantで対バンさせていただきました。)

ですが、実は付き合いは長く、ぼちぼち30年になります。

 

というのも、パパライオンのメンバーも私も
練馬区江古田の武蔵大学の出身でして、

学生時代からの付き合いなのです。

さらに、妻である斉藤マミも武蔵大学出身。

Bucket-Tも武蔵大学内のバンドとしてスタートしてまして、
大河原さんも武蔵大学。

 

そんなわけで今回の企画は武蔵大学の同窓会といった状態になっています。

30年ごしでの「いま」を見せ合うという意味でも楽しみです。

ご覧になる方には関係のない話かもしれませんが・・・



今回も前回同様に完全予約制となります。

前回同様にお越しいただいたお客様に楽しんでいただけるよう、

ケータリングやお土産なんかも検討しておりますので、

どしどしご予約お願いいたします。

 

あまりぎゅうぎゅうで見ていただくのも好きじゃないので、

人数に限りを設けています。

お早目のご予約をお勧めいたします。

 

では、よろしくお願いします!

 

 

 

2024年7月17日水曜日

新・即興の日

 

先週末、“入谷なってるハウス”での
「新・即興の日」というイベントに参加してきました。

 

同イベントは“なってるハウス”で定期的に開催されている
自由参加型のイベントでして、

その場に集まったミュージシャンどうしで即興セッションを行うというもの。

 

私は過去にロック的なジャムセッションはやってきましたが、

いわゆる「完全フリー」な即興セッションをやったことがない。

ただ、そういう音楽は好きでして、

いつか自分でもやってみたいと思っていました。

 

そんな中、“なってるハウス”のスケジュールを見ていて

このイベントの存在を知り、興味を持った次第。

 

イベントは13:30開場、1400開演。

開演までの間に続々と参加希望者が来店し、

名簿に名前と演奏する楽器を記載する。

その名簿に基づき、イベントホストである
ギタリストの林隆司さんが演者組み合わせを指名、

順番にステージに上がり、それぞれ1015分ほどの演奏をおこなう。

 

今回の参加者は10人強だったので、

閉演となる17時ころまでにそれぞれ3回ずつステージに上ることになる。

 

演者組み合わせはおおむね名簿順になるのですが、

実際のところは指名されるまで分からない。

演者間での準備、相談はもちろん、

どんな演奏をしようかな、なんて事前検討もできないバーリトゥードだ。

 

 

初挑戦という緊張も手伝って開場直後の13:35にはお店に到着。

その時点で1人参加者がいらっしゃり、私は2人目の参加者として名簿に名前を書く。

一応お店の人に初参加であり右も左もわからない旨を伝えるが、

「そうですか」くらいで、こちらの緊張が伝わらない。

なるほど、これは緊張を持って臨むものではなく、

自然体でいくものなんだなと直感する。

 

名簿の序盤に名前を書かせていただいたことで、

開演後、最初の演者として指名される。

初挑戦、初参加なのに1番手か・・・

まずは他の人の出方を見たかったなぁと思いつつもステージに上がる。

逃げれば一つ、進めば二つです。(©水星の魔女)

 

お相手はドラム奏者でもちろん初対面。

よろしくお願いしますとお互いに挨拶をし、演奏開始。

ドラム相手なので、ビートを刻んでもらえるなら、

いわゆるロックのジャムセッションのように弾くこともできるな。

なんて思っていたのですが、全く刻んでくれない。

相手の出方に反応しながら、いわゆる「音楽」としての構築を排除して演奏。

 

10分ほどで演奏を終え、

「ありがとうございました」とごあいさつしてステージを降りる。

なんだか武道の組手みたいで面白い。

 

その後は他の方々の演奏を楽しみつつ、

2回目、3回目の演奏をさせていただく。

 

2回目はスティールギター+エフェクトの方とアルトの方とのトリオで、

3回目はアルト×2、ウィンドシンセ(電子サックス)の3名とカルテットで演奏。

そんな感じであっという間に終演の時間。

 

さすがは名門なってるハウス。

皆さん、演奏力が高く、音楽への熱意を感じる。刺激になります。

本当に勉強になりました。

 

ロックやジャズといったジャンルが決まったセッションですと、

それ相応のイディオムが存在するが、

完全フリーとなると本当に各人で臨み方が違う。

相手を無視してかかる人もいれば、ある程度の構築を試みる人もいる。

ただ、誰も共演者に何かを望むことはない。

一般にその楽器に望まれる要素
(例えばドラムだったらビート、ベースだったらリズムとか)すらも

全く意に介さない。


誰もが自由で平等。

そして何が起こるかわからない無常の中で、自分も無常の一部になる。

ある意味ですごく平和で温かい音楽経験だ。

人生の、命の縮図のようでもある。ちょっと大げさだけど。

そんな中で自分の在り方を明確に示せる
「フリーの巨人たち」のほんとうの凄さが

少しわかった気がする。

 

私は構築された音楽が大好きですが、

なるほど、フリーにはまた別の楽しさ、美しさがありますね。

これは癖になります。

新しい経験の場を設けてくれた“なってるハウス”とホストの林さんに感謝です。

 

今後はフリー演奏にも積極参加していこうかと思います。