2025年4月8日火曜日

のうてんふぁいらⅢ日記

 

ここのところ、仕事の方でいろいろと想うところがあり、

ブログを書くタイミングを失っておりました・・・

すみません。

 

と、最初から言い訳になってしまいましたが、

先々週末(329日)、「のうてんふぁいらⅢ」無事開催できました。


今回はそんな「のうてんふぁいらⅢ」日記です。

個人的な思い入れ濃厚+長文な記事になります。そのおつもりで。

(しかも写真なし・・・)

 

 

昨年までの「のうてんふぁいら」は地元飯能で開催しておりましたが、

今回は隣町の秩父での開催。

と言いますのも、飯能にはドラムセットをガンガンならせる会場がなく、

今回はロックバンドを集めてのイベントにしたかったので、

秩父の音楽スタジオ“スタジオJOY”での開催とさせていただいた次第です。

 

当日は昼の会場入りでしたので、

自宅出発は10時半。

我が家から会場までは峠道を1時間程度といったところ。

出演者には悪いですが、地元企画なので移動が楽です。

 

途中で秩父のおにぎり屋さん「松村食堂」でおにぎりを関係者人数分購入。

このおにぎり屋さんは我々夫婦の最近の一押し。

前日に仕入れておいた地元の名栗饅頭とともに、

出演者、スタッフ向けのケータリングとします。

 

会場のスタジオJOY2階がバースペース、

3階がスタジオという作りになっているので、

2階で妻の作品展示と物販を行います。

会場入りして、JOYの皆さんと挨拶を済ませ、設営開始。

初めての会場なので、設営は手探り。

物販位置を考えたり、ケータリングを準備したり・・

ここが楽しくも時間に追われて少し緊張する。

 

そうこうしていると出演者が会場入り。

DAYBREAKは八王子、SISTER PAULは杉並、FLOATERSは横浜から。

皆様、遠路お疲れ様です・・・

 

会場を選ばず活動する猛者ばかりなので、

個々のサウンドチェックは無し。

出順的に最初のバンドとなるDAYBREAKのみセッティングを兼ねて

軽く音出ししてもらう。

 

私も何度か経験がありますが、

スタジオライブでは基本的に演者でPA的なこともするのが通例。

ですが、スタジオJOYでは特にお願いさせていただくでもなく、

当たり前のように店長のノリさんがPAをさばいてくださる。

レコーディングエンジニアもなさっているだけあって、
何も不安を感じさせないPAさばき。

本当にありがたい。

 

 

そして開場。

 

1番手は私です。

久々のBRIAN ENOカバーも含め、530分のステージ。

 

演奏中、客席側を見ると、

気心の知れた出演バンドたちと

地元でお世話になっている方々が目に入る。何とも不思議な感じだ。

 

昔の私だったら、この感じをあまり前向きにとらえられなかったかも。

でも、今はこの形がすごく自然であり、本当にありがたい。

万人には楽しんでもらえないと思い込みながら音楽やってたって

大したものじゃないだろう。

どんなに尖った表現だとしても、
閉鎖環境でしか胸をはれないようじゃそこまでだ。

 

 

2番手はDAYBREAK

リーダーの石浦さんとは30年前からの付き合いだ。

Bucket-Tの初期に何度か企画に呼んでいただいたりしていたが、
その後は距離が開き、
コロナ時期に邂逅。

お互いの活動指針、スタイルに意気投合し、今にいたります。

なんだかんだで、企画に呼ばせていただくのは今回が初めて。

 

彼らと一緒に活動する中で、

我々夫婦は刺激を受け、
企画をやるなら絶対に声を掛けたいと思っていました。

 

そんな想いが伝わったかどうかはともかく、

この日のDAYBREAKは絶好調。

 

MCでベースのコウスケ君が会場である秩父までの道のりで

自然の中を移動し、高揚するとともに、
この道のりもライブなのだと感じたとの旨を話す。

我々夫婦もDAYBREAK企画で宮ケ瀬湖畔地などに赴くときは

移動から楽しいし、それが一連で「その日」です。

その感じを彼らにも味わってもらえたなら、すごくうれしい。

まぁ、終演後の打ち上げではリーダー石浦氏は秩父がすごく遠かったこと、

 朝が早かったことを延々ぼやいていましたが(笑)。

 

 

3番手はSISTER PAUL

妻がアートワークやデザインなどでご一緒させていただいており、

私もデュオバンドの大先輩として、ele-phant時代に影響を受け、

企画にお呼びいただいたこともある。

 

カバー3曲を含む30分のステージ。

以前のディストーションバリバリのSISTER PAULもカッコよかったが、

昨今の穏やかな音作り(と言ってもずっとトレモロが
かかりっぱなしでかなり奇抜)もすごく味がある。

 

シスターポールは本当に不思議なバンドです。

宇宙人のようでありながら人間的で、

やさしいのに暴力的、

永遠に続くようで刹那的。

 

冒頭に書いた通り、ここのこころ仕事の方でいろいろと考えることがある中、

「心に火をつけて」でのお二人の歌声に泣きそうになる。

うむ。決めました。燃やしてしまおう。ぼうぼうと。

お二人の言う通りに。

 

シスターポールには次回の「のうてんふぁいらⅣ」にも出演いただきます。

凄く楽しみです。

 

 

そして最後はFLOATERS

 

リーダーのモッサ君ともかれこれ長い付き合いだ。

REDWOOD BLUESINSIDE CHARMERNEPENTHES

ドゥームロックまっしぐらに活動してきた彼。

そんな中FLOATERSはスラッジよりの音楽性となっている。

彼は泣き曲を作らせてもうまいが、ゴリゴリのリフ曲もいい。

 

とにかく3人とも上手い。

ハイテクとかではなくて上手いのだ。

凄く説得力のある演奏です。

 

私は過去にドゥーム、スラッジ、ストーナーロックに
近いところで活動してきました。

ですが、あまりそれらの音楽を聴かない。

というのも、これらのジャンルっておおむね形が明確になっているので、

新しい形が生まれてこない(きにくい)のだ。

結局、BLACKSABBATHKYUSSIRON MONKEYSLEEPなど、

昔のバンドで十分だという気持ちになってしまう。

 

でもFLOATERSは新しいことがちゃんとできている。

そしてそこに自覚もあるように感じる。

今後、彼らはどうなっていくんだろう。

ずっと見ていこうと思います。

 

 

そして終演。

終演後はお店で軽く打ち上げしてから帰宅。

 

DAYBREAKを見て「俺もまたパンクやりたいな」

SISTER PAULを見て「またデュオバンドに挑戦したいな」

FLOATERSを見て「また重い音楽やりたいな」

そんな3タテなバカ感想をいだきつつ帰路につきました。

 

なお、翌日の日曜は夫婦で後夜祭として

埼玉の名チェーン店「ぎょうざの満州」で豪遊。

ここのところ小食だった妻がかなりしっかりと食べていました。

「脳天壊了」していたのでしょう。

 

 

さて、次回「のうてんふぁいら」は実は今週末なのです。

次回は今回に続いてのSISTER PAUL

THE DEAD PAN SPEAKERSにお越しいただきます。

 

次回も楽しい空間になるはずです。
皆様、おこしくださいませ。





 

 

 

2025年3月20日木曜日

松下のおばちゃん

 

知る人ぞ知るパンク界の名カメラマン、

「松下のおばちゃん」が亡くなったそうです。

 

高円寺20000ボルトに出演していたころ、

一時期は毎回撮影にきてくださってました。

 

小柄でガラガラ声、ちょこちょことステージ周りで
カメラをふるう松下さんを最初に見たときは

凄く不思議に思った。

 

今よりもライブハウスがキナ臭かった時代。

まさか誰かのお母さんというわけもないだろうし、

関係者というにはあまりにカジュアルなおばちゃんルック。

この人はどういう人なんだろう??

 

何度か遭遇しているうちに
私のバンドBucket-Tのライブを拝見していただく機会があり、

ありがたいことに気に入っていただけて、
以降、写真を撮っていただけるようになった。

 

松下さんは当時50歳ちょっと、私は20歳前後。

撮影いただいた後はしっかりと現像された写真を自宅に郵送してくださる。

そのころ、実家暮らしだったので、

母は自分と同じ歳くらいのおばちゃんから息子の写真が届くことを

少し不審に思っていたそうです(笑)。

 

当時、松下さんと色々お話しました。

曰く、趣味で写真を撮り始め、

被写体として、高円寺の町にうじゃうじゃいたパンクスを選び、

ライブハウスに足を運ぶようになったとのこと。

 

 

あれから30年。

私は当時の松下さんと同じくらいの年齢になった。

そして思う。

今、私が新しい趣味を始め、
若者たちの中に一人で飛び込んでいけるものだろうか。

 

 

その後、活動の場が少しずつ変わっていく中で、

松下さんとも疎遠になってしまったが、

松下さんは撮影を続け、

写真集も発売するくらいの名カメラマンになった。

 

何をやるにも遅いなんてないってことを体現した松下さん。

本当にすごいな。

 

 

松下さんにいただいた写真を探したんですが、

どこかに埋もれて出てこない。

と思ったら、当時アンチノック系ライブハウスが発行していたフリーペーパーで

Bucket-Tをインタビューいただいた号が見つかった。

これも松下さんに撮っていただいた写真だ。

 


「私みたいなおばちゃんが写真撮ってると、

 勝手に撮ってんじゃねえみたいに凄んでくるハードコアの人なんかもいるんだけど、

 気にせず撮ってるうちに、仲良くなっちゃって、

また撮って、なんて言われることもあるの。」

松下さんの笑顔を思い出す。

 

楽しい思い出をありがとうございました。

ご冥福をお祈りいたします。

 

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告知です。

のうてんふぁいらⅢ、いよいよ来週です。




初めての秩父でのイベントです。

松下さんほどじゃないけど、私も少しずつでも
新しいことにチャレンジしていきたく思っております。






2025年2月28日金曜日

今年初の”のうてんふぁいら”

昨年から、絵描きである妻と二人で

「にじいろのめ」というユニット(?)を運営しています。

 

運営と言うほど大それたものでもないのですが、

私たちの住む、埼玉県飯能市名栗周辺からの文化発信、

保護犬、保護猫の援助活動を行う活動体となっております。


昨年は”のうてんふぁいら”というイベントを2回開催しており、

ライブ、絵の展示などをおこないました。 

のうてんふぁいらⅠの様子

のうてんふぁいらⅡの様子


今年も34月に34回目のイベントを開催いたします。





 

-のうてんふぁいら・-

3/29() 秩父 スタジオジョイ
開場13:00 開演13:30
終演16:15
当日/予約 ¥2000(ドリンク別)

DAYBREAK
FLOATERS
Sister Paul
斉藤新

展示/斉藤マミ

-のうてんふぁいら・IV-

4/12() 秩父 スタジオジョイ
開場13:00 開演13:30
終演16:00
当日/予約 ¥2000(ドリンク別)

THE DEAD PAN SPEAKERS
Sister Paul
斉藤新

展示/斉藤マミ


イベントページもご覧ください。

 

 

前回までは飯能でのイベントでしたが、

今回は隣町(隣山?)の秩父です。


都心からだと遠いイメージがあるかと思いますが、

特急電車であれば都心から2時間もかかりません。

 

秩父は温泉もあるし、お酒もご飯もおいしい。

イベントは昼から始まり、夕方には終わりますので、

都内からお越しの方はいっそ一泊旅行となさっても楽しいかと思います。

 

盟友や先輩たちを招聘しての”のうてんふぁいら”。

出演バンド数も絞り、少し長めのセットで演奏させていただきます。


しかも飯能を飛び出しての開催。

”にじいろのめ”としては今年最初の冒険といったところです。

 

前回、前々回同様、間違いなく楽しい一日をご用意しますので、

皆様、ぜひお越しくださいませ!





2025年1月23日木曜日

ヘッドピックアップ実験

 

今年初の記事となります。

あけましておめでとうございます。

 

早速ですが、正月休みの間に新たな奏法、ツールを考えました。

それがこちら。

 


写真でおわかりになりますでしょうか?

ペグとナットの間にピックアップを増設し、

そこの音を拾うというものになります。

 

ここの部分で弦を弾きますと

弦長が極端に短いため、サスティンがない金属的な高音が鳴ります。

以前から、これがガムランで鳴らされる
小サイズ銅鑼(レヨン)みたいな音だと感じておりまして

なんとか曲に取り込めないかと考えた次第です。

 

また、このピックアップを作動させた状態で

普通にナット、ブリッジ間をかき鳴らすと、

凄く遠鳴りの「シャーーン」という高次倍音が鳴る。

どこかで聞いたことがあるような無いような不思議な音。

これも演奏に取り込みます。

 

そして試作してみた曲がこちら。

 


 

出だしはヘッドピックアップのみを使ってリズムを作り、

通常ピックアップに切り替えてアルコでドローン音を重ねています。

その後、さらにコード進行、リード演奏を重ねています。

いささか乱暴なつくりの曲ではありますが、
なかなか面白い雰囲気ではないかと自画自賛しております。

 

 

なお、このヘッドピックアップ、

ヘッドにボルト固定してあり、取り外し可能としています。

この奏法を使わないときや、楽器の運搬時には外すという仕様です。

 

ボルト設置方法やピックアップ高さ設定やらを検討している中で、

3回ほど試作を重ねて今の形に至りました。

基本的に物置や近所に転がっている廃材を使っています。


 

ヘッドにボルト止めするにあたり、

愛機リッケンバッカー4001のヘッドにピアスを開けることになりました。



いよいよヘッドにも刃物を入れられ、満身創痍の愛機・・・

18歳の時にベースを始めて、

19歳の直前に購入したベースなので、かれこれ30年のつきあいですが、

こんなにそこら中をいじくられるとは、コイツも思いもしなかったろうなぁ・・

 

 

上記の通り、ベースを始めて30年を超えました。

30にして立つ」と言います。

今年も自分なりの表現を模索してまいります。

改めまして、今年もよろしくお願いします。

 

 

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告知です。

 

昨年末の記事で2025年は都内でのライブを増やしていきたい旨を書きましたが、

早速2月にライブの機会をいただけました。


 

220日(木)

西荻窪PITBAR

 

w/

Nirvana420

Achin

DIET OF DEATH

 

OPEN 1930

START 2000

前売り 1500

当日  2000

(ドリンクチャージ無し)

 

私は2番目の出演となり、

2030頃演奏開始予定です。

 

DIET OF DEATHDEEPFREEZEMANIA石井さんのバンドですね。

氏との付き合いも長くなったなぁ。

楽しみです。

 

ドリンクチャージも無いっていうローチャージイベントですので、

お気軽に遊びに来てくださいませ!

 

 

 

 

2024年12月16日月曜日

12月8日 京王堀之内TIMETOKYO

 

先週の日曜(128日)、

京王堀之内TIMETOKYOという会場でライブ演奏してきました。

 

ライブの2日前にあたる6日の金曜日、

常日頃お世話になっているDAYBREAK 石浦氏からメールがあり、

友人のイベントで急遽出演バンドにキャンセルが出てしまい、

代打出演をお願いできないか、とのこと。

 

実はそのライブ、DAYBREAKの他、

古くからの友人であるLORIMOPも出演するということで、

お客さんとして顔出させていただこうかな、と検討していたこともあり、

スケジュールは空いていたので出演を決めさせていただいた次第。

急ではありますが、石浦氏が勧めてくるんだから、

ちゃんとした企画であることは間違いなさそうですし。

 

会場となる京王堀之内TIMETOKYO、初めて出演しましたが、

面白い会場でした。

ライティング少な目で真っ白というシンプルなステージ、

音響的にも、一般的には左右に2発設置されるウーファースピーカーが

片側のみになっているという独特な設備。

おそらく、低音が回ってしまうことを避け、

出来るだけクリーンな音響を目指してのことかと思います。
攻めてますね。挑戦的で面白い。

 

この日のライブ、久しぶりに動画を撮りました。

YOUTUBEにあげましたのでよろしければご覧ください。


 

 

ライブの合間、LORIMOPの面々と昔話やらバカ話やら。

特に同い年のギタリスト池田君とは話が尽きない。

最初にあったのが19歳の時だから、30年の付き合いになる。

 

LORIMOPは長らく活動休止していたのですが、
今年からめでたく活動再開しており、

この日は再開後初見となりました。

ドラムはヘルプメンバーでTRIKORONAの服部君。

ベースの是枝君、ギターの池田君もそれぞれのバンドで
コンスタントに活動を続けているだけあって、

あの頃の“超”粗削りなファストコアではなく、

上手さも光る“ちょうどよく”粗削りなファストコア。

ステージをのたうち回るという
ボーカル アキームの90年代的なステージングも相変わらず。

いや、太った分迫力が増しているかも。

 

べろべろに酔っぱらっているはずなのに

しっかりとした池田君のピッキング。すごいな。

本当にギターが好きで、
暇さえあれば触っているんだろうな、と伝わる演奏。

刺激になりました。

 

 

このライブにて今年のライブは終了となります。

急遽の参加でしたが、終わってみれば今年最後に
ちょうどいいライブだったような気がしてきます。

 

慰問演奏で初めてお会いするご年配の前で演奏したり、

全然友達もいないフリーインプロの世界に飛び込んでの演奏も刺激的ですが、

昔からの仲間との演奏というのもやっぱり楽しい。

来年はこういう機会ももう少し増やしていきたいな。

 


皆様、ライブのお誘い、お待ちしております。

2日前でもオファーOKですので。



2024年11月28日木曜日

フリーインプロについて思うこと 2024年

 

カメムシ達が家に入ってきて、独特なにおいが漂ったり、

デーハー達が動かなくなってきたり、

11月も終わろうという時期になって

冬らしさを増し、一気に冷え込んできました。


そんな中、一昨日の火曜日、中野ピグノウズというライブバーで
フリーインプロのセッションに参加してきました。


平日夜に街に出るのは久しぶり。

セッションを終え、0時ころ地元駅まで帰ってきたのですが、

少しお酒を飲んだので、車で自宅に帰ることが出来ず、

車中で仮眠して明け方に帰宅しました。

そんな大学生みたいなマネしたところ

見事に風邪をひきまして、現在咳が止まらない状態です。。。


 

以前、「新即興の日」というイベント参加した記事を書きましたが、

その後もなってるハウスの同イベントには継続参加しており、

そのほかにも今回のように近似のイベントを探して参加したりしています。


今年はフリーインプロの楽しさを知った年であり、

今はこの活動に大きな意義と興味を感じています。


 

今日はそんなフリーインプロについて最近思っている話など。


 


昔から不思議に思っていたことがあります。

虫、風、鳥、川・・などといった自然の音はうるさく感じないのに、

人が出す音(声、車、物音・・)はうるさいと
感じることが多いのはなぜなんだろう。

 

ずっと考えてきて、最近自分なりにたどり着いた答えは

「作為の存在」です。

人の出す音には、大なり小なり作為があるから
うるさく感じるのではないか。

 

以前にも紹介した本ですが、
中村明一さんの「倍音」という本に面白いことが書かれていました。

 

日本人と西洋人では、環境音の聞き方に違いがあり、

日本人は左脳、西洋人は右脳で捉えているのだそうだ。


一般に、右脳が空間や音楽の認識を司り、

左脳は言語を司ると言われています。

 

左脳で聞くというのは「言語的」に聞いているということであり、

日本人は環境の音を
「何かを言っている」として聞いているのだ。

 

例えば、小鳥の声を聞いたとき、西洋人は音楽として聞くが、

日本人は「何かをしゃべっている」として聞く。


こういった特性が、日本人ならではの

「八百万の神」「もののあわれ」「わびさび」
といった感覚にもつながるのだろう。

 

人が出す音に対しても同様です。

雑音の類に対して、言葉のように聞く。

声はもちろんのこと、工事現場の音、車の音といった騒音に対しても。


それゆえに、そこに「作為」をくみ取ってしまい、

音量以上にうるさく感じるのではなかろうか。

 

世界的にみると日本人はおとなしい性格と言われます。

また、静寂を好む傾向もあるように思います。

それはこうした「音の捉え方」からきているのかもしれません。

※ちなみに、日本人の他にはポリネシアの人たちが同様の音の捉え方をしているらしく、

世界的には珍しい部類のようです。 

 


さて、冒頭に書きました通り、

ここのところフリーインプロに熱意を注いでいるのですが、

演奏参加イベントでは自分の演奏中以外は

他者の演奏をたくさん聞くことになります。

 

色々な人の演奏を聞いていると、
演奏内容からその人の性格などが見えてきて面白い。

この人は控えめだけど芯のある人だなぁとか、
この人はどんな仕事もそつなくやりそうだなぁとか。

そして、たまに先述の「うるささ」を感じるときもある。

 

このうるささはやはり「作為」が見えたときに感じるのだと思う。

例えば「場を支配してやろう」とか
「難度の高いフレーズを見せよう」とか。

そういうものは音に現れ、異物としてうるささを発する。

 

いわゆるフリーインプロの達人たちの演奏には

この「うるささ」を感じることは少ない。

音量面ではとてつもなく大きかったり、
すごく高難度の演奏をしていたりするのに。

 


こうした経験や思考から、

フリーインプロの理想的な形は

自然のようにあることなのだろうと感じています。

意思、意図を持たない、作為のない演奏。

 

 

 

私がソロ演奏している楽曲群は

自然の美しさを模写するイメージで作曲しています。

ショーペンハウアーは芸術を「自然を模する行為」としていますが、

まるっきりそんな感じです。

 

ですが、フリーインプロでは模写ではなく、

自然そのものであろうとすることが理想的なんだろうと思っています。


普段から演奏力を磨き、いろいろな物を聴いて耳を鍛え、

でも演奏に際しては無心で臨み、

自分の手、心が導くままに演奏する。

カメムシが匂いを発したり

デーハーが死出の冬を見つめるのと同じように。

 


・・・こんな考えを巡らせていると

だんだんと内容は抽象的に、そしてスピ的になってきちゃうな。


こういう姿勢がフリーインプロをとっつきづらく、
いかがわしく感じさせるのかもしれませんね。


でもまぁ仕方ない。

よくわからないものだからこそ惹かれるし、挑戦したくなるものです。

論理や〇×で答えが出るものなんて大したものじゃない。


今後も挑戦、研究続けてまいります。





2024年11月6日水曜日

脳天壊了Ⅱ日記

 

先週末はのうてんふぁいらⅡでした。

足元の悪い中お越しいただいた皆さま、
本当にありがとうございました。

 

今回記事はそんな「のうてんふぁいらⅡ」日記です。

 

当日、朝起きるとあいにくの雨。 

前回ののうてんふぁいらⅠの時は

お客様向けのおやつとして、
高尾にある「チチ」さんでスコーンを仕入れる都合から、

早朝の出発でしたが、今回のおやつは地元の「名栗饅頭」。

すでに前日に準備していたので、

家を出るのもゆっくりで大丈夫。

自宅ですこし練習などしたうえで、9時ころに出発。

 

会場入りの前に、会場近くの伊勢屋さんで、

事前に予約していた出演者用のケータリングお弁当を購入。

斉藤家お気に入りの手作りお弁当です。

 

10時に会場入り。

会場のイーストコートさんにご挨拶し、軽く打ち合わせ。

出演者のpapalion、大河原さんの到着を待ちつつ、

会場準備やサウンドチェックを行います。

 

ひととおりの準備をすませてから、お弁当で昼食。

以前の記事で書いたように、今回の出演者は

武蔵大学の音楽サークル出身者ばかり。

ライブ会場でみんなで弁当というのは、

当時の学園祭準備のようで、なんか楽しい。
(みんなアラフィフですが。)

 

12:30開場。

前回同様、予約制なので、

事前予約のリストを見ながら、お客様を迎えます。

今回は先述のおやつ(名栗饅頭)とお土産として
私の新作デモを準備していたので、

受付でそれらをお渡しする。

前回は受付に慣れずにわちゃわちゃしましたが
今回はスムーズに対応(できた気がする。)

ライブにきて饅頭をもらうという珍しい状況にお客さんも楽しそうです。

 

そして開演。

まずは大河原さんの演奏。


 

エレキガットギターにルーパー、シマーリバーブ(かな?)、
ディレイなどを絡めてのソロ演奏。

フラメンコギターの講師でもある彼らしく、

地中海的な複雑なリズムや、ラスケアード奏法など、

耳慣れない音がすごく興味深く、心地良い。

ブルーノート全開だったBucket-T時代の彼からは想像できない音使いだ。

 

以前にフラメンコのライブも拝見しており、

その時も感じましたが、改めてBucket-T解散で袂を分かってからの

大河原さんの歩みを見るような気がする。

そしてなんか誇らしくもあったりする。

 

 

そして次はpapalion



こうして彼らのライブを見るのは何年ぶりだろう。

ひょっとしたら先日記事にかいたele-phantでの競演が最後かも。

そうなると、10年近くたっていることになる。

 

年齢とともに時間の経過は加速していくもので

若いころの数年にくらべ、
最近の10年は体感時間が短く、そんなに昔という気もしない。

それでも10年はやっぱり10年。

今回彼らが演奏した曲は知らない曲ばかりであり、

あのときよりもバンドの完成度が増している。

なんというかちょうどいい脱力をもって演奏しているさまが素晴らしい。

 

Bucket-Tが解散するとき、

いろんな人に「斉藤君はずっとBucket-Tなんだと思っていた」と言われた。

そんな私も気が付いたらいろんなバンドを転々として、

遠からじとはいえ、いろんなスタイルを演奏してきました。

そして、振り返ってみて思うのは、
スタイル、らしさを維持しながら進化することの難しさ。

papalionはそれを成し遂げている。

 

彼らの演奏後、口をついて、ギターボーカルのミズキに

「本当にいい曲だね。」と言ってしまいました。

彼とは大学入学式の日に同じ音楽サークルの見学でたまたまあったのが最初。

なんだかんだ長い付き合いですが、
こんな事言ったのは初めてかな。

 

 

そして最後は私の演奏。

雨だったので、暗い曲を演奏するのがはばかられ、

急遽セットリストを変更し、明るめの曲でまとめました。

 


ここのところ、演奏に際して意識しているのが「感謝」。

「感謝を込めて演奏」とか、よく聞く言葉ではありますが

抽象的な言葉でもあり、
それを徹底することは実は難しいことだったりもします。

 

ですが、自主企画では当日に至るまでに準備や心労や不安、期待がうずまき、

それらは自然とお客様、共演者、会場への感謝を生みます。

そういった中での演奏でしたので、特に気負うこともなく、

「感謝」を体現できたのではないかと思います。





 

これも自主企画の魅力であり、学びです。

 

 

演奏終了後はお越しいただいた皆様と談笑。

久しぶりにあった友達、元バンドメンバー、地元の皆様、先輩。

車じゃなかったら久々にビールでも飲みたかったな。

 

ぽつぽつとお客様がお帰りになり、

最後に妻と一緒の会場に挨拶し、帰路。

外は相変わらずの雨でしたが、晴れやかな気持で帰りました。

 

 

そんなこんなで
今回も充実の「のうてんふぁいら」でした。

 

もちろん今後も続けていきます。

 

次回は来年の春かな。

少し趣向を変えてみるプランも練っておりますので、

お楽しみにどうぞ!

 



妻の展示風景1



展示風景2



展示風景3