2025年9月10日水曜日

のうてんふぁいらⅤ日記

 

先週末は「のうてんふぁいらⅤ」でした。

お越しいただいた皆様、ありがとうございました。

 

妻と二人での地元発信活動体「にじいろのめ」による5回目の企画。

いままでは昼の開催でしたが、初の夜開催となりました。

今回はそんな「のうてんふぁいらⅤ」日記です。

 

昼開催の時は朝から準備+移動でしたが、

夜開催ということで日中に時間余裕があり、
気負うことなく準備して15時過ぎに出発。

・・・ですが、これが「抜け」につながったか、

会場についてみると
妻の展示物類を持ってきていないという
痛恨のミス発覚。

 

会場準備は妻に任せ、私はトンボ帰りで自宅へ忘れ物を取りに帰る。

何とか開場前に間に合い、急いで食事を済ませて開場。

余裕をもって進むはずが、なんともドタバタな幕開けとなりました。

反省です。

 

そんなこんなで開場し、
来場のお客様や出演の山際さんと談笑などしているうちに

いよいよ開演の時間。

 

 

山際さんの演奏からスタートです。

談笑ムードから、山際さんがステージに出ると空気がピシッとする。

 

先日、SNSで古武術研究家の甲野善紀さんの言葉を読みました。

氏は古武術の中に見られる、現代人が忘れた体術、身体操作を現代に伝え、

格闘技、スポーツのみならず、音楽家に対しても
セミナー、講演をおこなっていらっしゃいます。

 

そんな氏のことばで、

音楽家にとって楽器演奏は
「型」みたいなものだと思う、との言葉がありました。

 

「型」とは身体操作を学ぶためのヒントが詰め込まれた先人の知恵であり、

空手では型演武の美しさを競う部門もあったりします。

「型」に隠されたヒントを読み解くことで、

以前に紹介させていただいた菊野先生などは、

見た目からは想像できないような重い突きを放ったりなさいます。

 

楽器演奏はそんな「型」だという甲野先生。

この言葉の根底には、
「楽器奏者である前に音楽家であるべき」という前提がある。

楽器演奏を通して音楽家として成長していく。

私などはついついこれを忘れ、
音楽家よりも「ベーシスト」として自認してしまいがち。

本当の自分完成はベーシストという楽器奏者ではなく、
音楽家であるはずなのに。

 

甲野先生の何気ないこの表現に、

上記のような気付きを得た次第です。

 

さて、話がずれましたが、

この「音楽家」という言葉に山際さんを思い出します。

山際さんはギタリストですがその前に音楽家。

どんな楽器を持とうが、
なんなら楽器を持っていなくても音楽家山際さん。

氏のたたずまいにはそういった雰囲気がある。

この日の演奏もそんなことを思い出させる、

自然体からあふれ出る山際ワールドを堪能させていただきました。

 

 

今回の企画では、

ステージ上で妻のライブペイントもあり、
音楽演者と二分して妻もステージに立つ。

私の知る限り、妻がステージでペイントするのは初めて。

初の共演が山際さん・・・なんともすごい話です。

 

会場へ向かう車中での妻との会話で

思えば山際さんを知ってから10年になるといった話しをする。

夫婦でシスターポールのライブを見に行き、

共演の血と雫に衝撃を受ける。

帰り道、二人で「あのギタリスト、すごかったね」などと話しあった。

あれから10年。

こうして共演させていただく間柄になれるとは思いもよらなかったなぁ。

これからもよろしくお願いいたします。

 

 

山際さんの演奏を終え、転換中、

妻のアイデアで、お客様に事前に配った自作のシールを

描き途中のライブペイント作品の上に、思いのままに貼り付けていただく。

ライブペイントにハプニング要素を加えるとともに、

お客様にも参加してもらうという面白いアイデアです。

 

 

転換を終え、私の演奏。

自主企画ということもあり、
普段より長めのセットを演奏させていただきました。

 

妻も隣でライブペイント。

ソロ演奏でステージを誰かと共有するというのは初めてのことであり、

しかもそれが妻というのがまた不思議な感じです。

特に意識するでもないのですが、違和感のようなものは感じてました。

演奏にそれらが顕れていたかどうかはわかりませんが。

 

 

そして終演。

久々に会ったお客様からお初にあった方々と談笑。

飯能という土地柄、電車の都合もあってお客様皆様お早めにお帰りになり、

遠くから来てくれて、飯能に一泊するというお客様(学生時代の後輩)を
ホテルまで送って帰路へ。

 

なんかドタバタの中で駆け抜けた感じでしたが、

達成感とともに帰宅しました。

帰宅後、久々にビールなど飲みました。

あー楽しかった。

 

 

今回、夜開催というのも初めてであり、

ライブペイントとの共演というのも初めて。

5回目の企画にして、新たな試みができました。

次回はどんな形の「のうてんふぁいら」にしようかな。

 

その前に来月はオーストラリアです。

そちらでも妻との共演形式となる場面も多くなると思いますので、

徐々に新しい表現形態が模索出来てきたら面白い。

今後も焦らず、狙わず、変化していきたいと思います。

 

 




2025年8月19日火曜日

自演に酔う

お盆休みも終わり、昨日から平常運転です。

 

今年も毎年と変わらず、

特に遠出するでもなく、

坐禅、練習、模型、読書の日々でした。

 

休み序盤は天気が悪く、涼しいのはありがたいが、

かなり湿気が高く、楽器もべたべたする。

(うちはスパルタなので楽器のためにエアコンをつけたりはしてません。

 というか私の部屋にはエアコンがありません。)

 

べたべたする上に、やっぱり音もこもりがちです。

木が湿気を吸うからなのかな。

高音の抜けが悪い。

 

休み終盤からは天気が回復して、楽器の鳴りも復活。

なので河原で練習。

日中はさすがに無理ですが、早朝や夕方は全然問題なし。

まぁ、熊、蛇を警戒しながらの練習とはなりますが。

 

ここのところ、「演奏に酔う」ということについて再考しています。

 

日本人は感情をあらわにすることが苦手と言われており、

さらに私の世代はどちらかというとポーカーフェイスでいることが

かっこいいと感じてしまう傾向があります。


お笑いで言うと、ダウンタウンの漫才にはまった世代ですし、

音楽でも80年代の派手な演出よりも、

90年代的に「素でいること」のカッコよさに惹かれてきました。

(今思うと、あれも「素」ではなくて、ちゃんとカッコつけていると思いますが。)

 

そんなわけで、私は自分の演奏に心が奪われる、

言い換えると「酔う」ことをあまりかっこいいことと考えてきませんでした。

でも、今更ながら、より素直に感情を開放したほうが、

良い演奏につながるのではないか、と考えた次第です。

 

音を出すことは気持ちよく、楽しい。

それを素直に楽しみ、

心を揺らす旋律にはそのままに心を揺らす。

それらの集積が曲になり、

それを分析せず、描かれる世界に酔う。

 

まぁ当たり前と言えば当たり前なのですが、

これが意外と難しい。

 

ありがちなのが、ライブハウスでも結構見かける、

それっぽい表情や動きで演奏するという行為。

「私、イっちゃっております。」

「俺、自分を解放しているぜ」みたいなコント。

 

そうではなく、中からの発動。

なんなら表には何も現れないこともある。

そんな「酔い」です。

 

先日、武術系のYOUTUBEを見ていて

「地球押し」というワードに出会いました。

要は腕立て伏せなのですが、

体を支えるという意図で行う腕立てよりも、

地球を押す意図で行う腕立ては格段にきついとの話でした。

おなじ一つの行為でもイメージの持ち方によって
大きく効果が変わる証左かと思います。

以前に短期間ですが合気道を学んだ際にも、

「気」の出し方で演奏内容が変わるのでは、
といった内容を書かせていただきました。

その中でele-phant時代にコミさんから歌のアドバイスとして、

「遠くに届かせるように歌うとよい」といった話を
もらったとのことを書きましたが、

これなんかもやはりイメージの持ち方で表現が変わる例なのだろう。

 

自分の演奏の世界に入り込み、

その中で演奏する。

いまさらですが、そんな稽古に励んでみたお盆休みでした。

 

 

 

さて、そんなお盆を経て、

いよいよ「のうてんふぁいらⅤ」近づいてまいりました。

 

 




現時点、この企画以降は

いわゆるライブハウス出演の予定が入っておりません。

10月にオーストラリア、12月に地元の音楽祭イベントはありますが。)

 

そんなわけでひょっとすると
年内最後のライブハウスになるかもしれませんので、

ぜひぜひ遊びにいらしてくださいませ!




2025年7月30日水曜日

クライシス帝国越え

 

夏真っ盛りといった時期になってきて、

我が家の方もかなりの気温になってきています。

日中は38℃に達する日もあります。

平熱をゆうに上回る温度です。

 

SNSなどでも見かけるネタですが、

1989年放送の仮面ライダーブラックRXにて、

クライシス帝国が日本政府脅迫のために作った
人口太陽による気温が38℃でした。

 

当時私は中学生。

真夏でも30℃を超えると猛暑日という感じで、

学校の教室にはエアコンもついていませんでした。

38℃となると脅威の温度だったんですね。

おそらく人類が生きていけないレベルと考えての気温だったのでしょう。

 

そんな酷暑の今夏ではありますが、

私の部屋にはエアコンがありません。

また、練習部屋(?)でもある物置にも当然エアコンはありません。

そんなわけで、最近は朝4時から練習しています。

 

山の中なので、日中は38℃ですが、

朝は肌寒いくらいです。

この寒暖差、なんでこんなに街中と違うものなのかと
不思議に思ったりしていたのですが、

最近その理由(の一つ)に気づきました。

それはコンクリート、アスファルトが少ないことに
起因するのではないでしょうか。

 

コンクリやアスファルトは日中
強烈な日光で熱せられて焼石となるため

日が暮れてからの放熱には時間がかかります。

外気温が下がってきても、じわじわと放熱していくことで、

町全体の気温低下勾配が鈍角になるのだと思います。

 

山の中、森の中ではコンクリ、アスファルトが少なく、

木々、草花や土に囲まれています。

生物である森、土は代謝があるので放熱も早いです。

日が暮れると一気に放熱し、

夜中にはすっかり熱が抜ける、そんな理屈なのかと思います。

 

また、我が家はお化け屋敷級のアンティーク木造物件ですので、

風の通りがよく、熱もこもりにくい。

そんなわけで、日中もエアコンなしで何とかしのげています。

この風通りの良さで各種の虫たちが家の中を闊歩しておりますが・・・

 

 

さて、朝4時に練習と書きましたが、

アンプを鳴らして練習するときは河原に行っています。

そんな時に少し不安に思っているのが、熊との遭遇です。

 

今年は全国的に熊害が多いですね。

我が家の周りでは、熊が目撃されると

その場所に「熊目撃アリ」とのポスターが貼られるのですが、

今年はそのポスターが近所でも増えてます。

 

先日、練習のために河原に行くと、

対岸に鹿の親子がいました。

私を見て驚いて森の中に入っていきましたが、

私も驚きました。


鹿も増えているような気がします。

夜中に近所から鹿の鳴き声が聞こえ、

不審に思って庭をみたら2頭の鹿がいたなんてこともありました。

 

鹿はかわいいのでいいですが、

熊は怖いです。

ですが、朝の空気の中で練習するのは本当に気持ちがよく、

音を出し始めると熊のことも日常のことも忘れます。

熊さんのほうも私の音楽で和んでいただけるといいのですが。

 

 

さて、告知です。

 

9月ににじいろのめ企画「のうてんふぁいら」開催します!

 






地元(飯能名栗、秩父)からの文化発信を視野に妻と結成した活動体

「にじいろのめ」による、今年3回めの「のうてんふぁいら」となります。

 

第5回となる今回は初の夜開催となり、

第一回にも出演いただいた山際さんに胸をお借りします。

 

ツーマンライブとなりますので、

長めのセットリストで臨ませていただきます。

普段のライブで披露しにくい長曲や実験曲もやってみたく思います。

 

また、妻はライブペイントをやるとのことで、

こちらの化学反応も楽しみです。

 

宜しくお願いします!

 

 

 

2025年7月15日火曜日

コンパクトな曲+映像=映画オープニング

 

大先輩であるcorruptedのギタリスト横田さんとお話している中で、

80年代以降にプログレバンド(GENESIS,EL&P辺りが顕著)が

長大な作風から、5分以内のコンパクトな作風に
移行していった現象について語り合ったことがある。

 

一般にはラジオ、テレビでかかりやすいように
ポップス化していったという見方が多いですが、

氏から、大曲でなければ表現できなかった自分たちの世界を

短い中で表現することができるようになったからなのではないか、

短くなければ伝えられないことも多いことに気づき、

その方法論を磨いていったのではないか、

といった説をうかがい、慧眼に感服したことがありました。

 

確かに音楽好きな人間であれば、

10分超えの曲であっても違和感なく聴けますが、

普段から音楽に触れていない人には長すぎるだろう。

そういう人たちにも聴いてもらえて、かつ感動させるとなると、

そこにはいろいろな「わざ」が必要になる。

 

ましてや、長曲を作り続けてきたバンドがそれをやろうとなると、

その苦戦はすごかっただろうし、ハードルは高かったはずです。


それを成し遂げてきたプログレバンドたちは、

「商業化した」とか揶揄されることもありますが、

大変な挑戦をして成功したのだと思うと、改めてすごさに気づかされます。

 

 

同様にコンパクトに世界観を表現する音楽というと、

映画音楽が挙げられるかと思います。

 

ここでいう映画音楽とは挿入曲ではなく、メインテーマ曲のこと。

たいていはオープニングで3~4分のメインテーマが流れ、

そのメロディが映画自体を印象付けたりもする。

 

そこで使われる楽器は多様ですが、

やはりオーケストラ楽器が使われることが多いと思います。

同じようにオーケストラで演奏される交響曲などでは1楽章で1015分、

それが通常4楽章となっているので、1時間くらいあるのが普通です。

映画音楽では、その15分の1。
緩急をつけて3~4分にまとめあげる。


しかも映像とのマッチングも必要であり、

映像より目立ってもダメだし、逆に映像に負けてもダメ。

そんなバランス感覚も必要になる。

(これは音楽側だけの課題ではありませんが。)

本当にすごい作曲能力がないとできない。


※念のためですが、クラシック音楽や交響曲と映画音楽では
作品の意図、目的、歴史が全く違いますので、
全くの別物であり、横並びで比較するものではありません。
そういった意図ではなく、使用楽器が近似であることから、
対比したような記述になっております。
どちらも素晴らしいですし、どちらも大好きです。


 

名作とされる映画音楽は本当に素晴らしく、

オープニングでその曲が鳴っただけで引き込まれる。

「ゴジラ」「スターウォーズ」「夕陽のガンマン」・・・

いずれもあの音楽無くしてどこまで名作足りえたか。

 

 

話が長くなりましたが、

今回は私が過去に感動した映画オープニング3選のご紹介です。


いずれも、短い中で音楽、画像が絶妙に絡み合っており、

これだけで感動させられてしまう。

また、映画を見た後にもう一度オープニングを見ると、

そこに表現されているものの深さにさらに気づかされたりもする。

 

ではまず1つ目。

コーエン兄弟の「FARGO」です。


 

この映画は当時、予備知識なく見たのですが、

オープニングを見ただけで感動して泣いてしまいました。

私は若いころにビデオレンタルで働いていたこともあり、

結構な量の映画を見てきましたが、
オープニングだけで泣いたのは後にも先にもこの映画しかない。

 

音楽を担当しているのはカーターバーウェル。

この方はコーエン兄弟の映画では常連の音楽家でして、

「バートンフィンク」なども素晴らしい。

コーエン兄弟作品以外でも「キャロル」なども素晴らしいです。

 

 

次は「DANCER IN THE DARK


 

こちらは主演のビョークによる音楽です。

抽象的な画像との荘厳な音楽の対比が素晴らしいです。

 

盲目の主人公の心象風景なのでしょうか。

映画を見た後だと、
オープニングの意味合いが変わってくる好例かと思います。

 

ビョークは本当にすごいですね。

色々なスタイルの音楽を常に一定水準以上に作り上げ、

さらにこの映画では女優としても名演技を披露しています。

 

・・ですが、この映画、重すぎるので、2度と見れない。

視聴後、かなり落ち込まされる、いわゆるトラウマ系映画です。

 

余談ですが、私の中でのトラウマ映画3選となりますと、

「ダンサーインザダーク」「ミリオンダラーベイビー」「火垂るの墓」となります。

「火垂るの墓」にいたっては
こうして名前を書いているだけで胸が締め付けられます・・・

 

 

最後は「HANA-BI

 


音楽は言わずと知れた久石譲さんですね。

たけしさんの色彩豊かで素朴な絵、途中に入る北野映画らしい寸劇、

全体を彩る北野ブルーに混ざり合う音楽が素晴らしいです。

 

久石譲さんの音楽は北野映画、ジブリ映画問わず、

不思議なほど心に響く。

一聴して久石さんの音楽と分かる個性があるのが素晴らしい。

 

ラヴェルのピアノ曲などを聞いていると、

影響元と思われるフレージングがあったりしますが、

まさしくエッセンスの抽出~コンパクト化の例と言えるかもしれません。

 

 

以上となります。

 

翻って自分を見てみると、私の楽曲はどれも長いです・・・

ループを重ねていくというスタイルですので、

どうしても長くなりがちなのですが、

改めて短い曲での表現を研究しております。


また、こうして映画オープニングを見ていると、

映像と絡み合うことによって、世界観がより分かりやすく、
明確になることの面白さを感じます。

映像とのコラボ、もしくは映像そのものにもいつか挑戦してみたいです。

 

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さて、告知です。


7月20日(日)

URON ALPHA #9

京王堀之内timetokyo

w/

ANANAS

TECHNOCRACY

QUILL

THE EARTH TEMPLE

GRIND SHAFT

Communicates

xonto

YOUNG FOREVER

don horror


open 12:50
start 13:10

900yen +1D


いよいよ今週末ですね。

URON ALPHAへの参加は2回目。
今回も楽しそうです。

皆様、遊びにいらしてくださいませ。

 

 

 

 

 

 

 

2025年7月7日月曜日

トラベルベース HOHNER B-2改造

 

先日、路上演奏用のアンプについての記事をまとめさせていただきましたが、

同時にベースについても海外路上演奏に向けて模索してきました。

 

過去の記事でも何回か書いていますが、

私の愛器は10代の時に入手したリッケンバッカー4001でして、

30年来の付き合いになる。

この30年の間に各種の改造や調整、修理を経ており、

結果的にリッケンバッカーの形をした別物という状態になっています。

 

この愛器を海外に持っていくのは不安がある。

飛行機での移動、盗難、紛失などなど・・・

そんなわけでサブとなりうるベースを探した次第。

しかも、せっかくならトラベルベースとなりうる小型、軽量を探したい。

 

小型軽量となると、やはり頭に浮かぶのはスタインバーガー。

過去の記事でも書いていますが、私、スタインバーガーが好きでして

廉価版のSPIRITと現行機(?)のSYNAPSEを保有していたことがある。

ですが、両方とも音に納得がいかず、手放してしまっています・・・

 

なので、スタインバーガー以外で
トラベルベースになりうるものを探したのですが、

理想的なものが見つからない。


海外演奏の経験がある方々数名にお話を伺ったところ、

いっそ普通のボルトオンネックの楽器をばらして運ぶといった例も聞き、

検討してみたのですが、ベースでそれをやるとなると、ネックが長大なので、

結局そこそこのサイズの荷物になってしまう。

(バラシ運搬をやったという方はギタリストでした。)

 

行き着いた先は結局スタインバーガータイプ。

過去に手放してきたことを考えると、
好みの音になりにくいことはよくわかっているのですが

小型、軽量、可搬性はやっぱり魅力的。

 

そして購入したのは80年代のHOHNERによる
スタインバーガーコピーモデルB-2

メルカリでソフトケース、ハードケース(アルミケース)込み、

フレットレス加工済み44000円というものを発見し、購入。

 

・・・で、いろいろ試したのですが、

わかっていたけど音がよくない(好みではない。)

 

フロント、リアピックアップ両方にしっかり個性があり、
音作りの幅は広いのですが、

普段弾いているリッケンバッカーに比べて、明らかに音の軸が弱い。

なんというかボワンボワンした音。

 

これ、ボディが軽すぎることに起因するのかもしれません。

リッケンバッカーはボディがごつく、
しっかりと詰まった材(メイプル)なので、

弦の振動をしっかりとボディ重心で受け止めてくれる。

(その分重いです・・・)


対してHOHNER B-2は弦の振動がネックにも伝わり、

良くも悪くもネックも一緒に鳴ってしまう。

 

アルコなどではそれが露骨に顕れ、

1弦を弾いているのに、全弦が共振してしまう。

丁寧なミュートが求められる。

 

ちなみにこの現象はHOHNER B-2同様に、木製のSPIRITでも同様です。

SYNAPSEではこの現象は気にならなかった記憶です。

SYNAPSEのボディ材はリッケンバッカー同様にハードメイプルなので

しっかりと受け止めてくれていました。

結果、見た目から想像できない重量ではありましたが・・・

 

スタインバーガーと言えばアクティブピックアップなのが通例です。

ベースとしての個性や「木」の感じを求めるのではなく、

アクティブピックアップ用の
プラットフォームと考えるのが正解なのかもしれませんね。

 

対して、廉価版やコピーモデルではパッシブピックアップが積まれているので

足元で音を作ったり、歪ませる前提ならば問題ないですが、

クリーントーンメインの私にはちょっと良くない。

 

そんなわけで、アクティブピックアップに
乗せ換えることも検討したのですが、

そもそもアクティブを使いこなせる気がしない。

以前にSYNAPSEを手放したのも
アクティブの音が好きになれなかったことが大きかったりする。

 

なので、パッシブでのリプレイスピックアップを探したのですが、

「スタインバーガー用パッシブピックアップ」
というのはそもそも存在しない。

結局、一番信頼しているダンカンの
オールドジャズベ用ピックアップを乗せることに。

 

当たり前ですが、普通には乗せ換えられません。

ザグり加工が必要になります。

せっかくザグるなら、位置もこだわりたい。

リッケンバッカーから採寸し、
ブリッジからピックアップの距離が同じになるような位置に加工しました。

 

ある程度のDIY工具は持っていますが、

当然フライスなどの大型工具はなく、

電動ドリル+ノミでの加工という原始的スタイルで加工します。

かなりの加工時間と労力を予想していたのですが、

使われている木材が思った以上にスカスカした目の粗いものだったので

サクサクと加工でき、1時間程度で手術完了。

加工性と入手性から、安い木材使っているんだろうなぁ。
これがボワンボワンの主犯と思われます。

 

こうして完成したのがこの状態。




根底にあるボワボワな性格はどうにもなっていませんが、

音域の幅、タッチへの素直さはメイン機にだいぶ近づきました。

今後、弾きこんでいってエイジングされたら、
あとちょっとくらいは音に軸が出るかな。

いや、無いだろうな。この木材じゃ・・・

 

 

そんなわけで全く不満がない、という状態には至りませんが、

この楽器ならではのいいところもいくつかあります。

 

まず、何しろ軽い。

私は普段、家の近くの河原で練習することが多く、

足場が悪いこともあって、
リッケンバッカーを抱えながら2時間も演奏していると、

結構しんどい。

でもHOHNER B-2であれば、4時間くらいは全然問題ない。

ドラゴンボールの「重い道着」みたいな感じかな。
リッケンに慣れちゃっているので。

 

そして、24フレット仕様なのも楽しい。

既存の曲にこの楽器ならではの味つけをするなど、

楽しんでおります。

 

あとは何と言っても見た目が好き。

この機能的な感じがかっこいい。

「道具」「体の延長」っていう雰囲気が何とも好み。

 

 

こうしてとりあえずはサブベース問題はいったん解決。

今後、弾きこんでこの楽器の良さをさらに引き出し、

既存の曲をこの楽器バージョンに調整するなど、

オーストラリア遠征準備を進めていきたく思います。



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さて、告知です。

 

  まずはこちら。

もう明日ですね。




7月8日(火)

秩父スタジオJOY

w/

BOOTCAMP (U.S)

sift


start 19:00
1500yen +1d



そしてその後はこちら。


7月20日(日)

URON ALPHA #9

京王堀之内timetokyo

w/

ANANAS

TECHNOCRACY

QUILL

THE EARTH TEMPLE

GRIND SHAFT

Communicates

xonto

YOUNG FOREVER

don horror


open 12:50
start 13:10

900yen +1D



 両日とも、宜しくお願いします!