10月17日
6:30起床
今回の宿泊は全日素泊まりなので、
食事は自分たちで用意します。
起床後、ホテル近くのスーパーへ行き、朝食を購入。
スーパーの雰囲気も日本と異なるので、その辺も楽しみながらうろうろし、
できるだけ安価で食事になりそうなものを探す。
オーストラリアのお店はオープンが早い。
カフェは6:30からやっているところもあり、
スーパーも7:00にオープンする。
その分閉まるのも早いのだが、朝型の我々には都合がいい。
そして購入したのが袋入りのパンケーキと
コールスロー、ナッツ。
このパンケーキ、今回の遠征中、主食として何度も食べます。
安価でありながら、しっとりしていておいしい。
日本に戻ってからも食べたくなって調べたところ、
オーストラリアでソウルフード的な物らしく、
あぶってもうまいとのこと。うーんまた食べたい。
そしてスーパーを出てから、
ホテルの前にあるカフェ「ジプシーエスプレッソ」で
フラットホワイト(ラテ)を購入。
このお店、ホテルの所在を知ってからグーグルマップで存在を確認していて、
行ってみたいな、と思っていたお店。
シドニー(キングスクロス)はカフェが多く、
ホテル近辺にもジプシーさん以外にもたくさんのお店があるのですが、
なぜかここが気になってました。
飲んでみると、凄く好みの味。
結局今遠征中、毎朝ここのフラットホワイトをいただくことになる。
オーストラリア(シドニー)はコーヒーがおいしいと聞いていましたが、
確かにおいしい。
イタリア系の移住者によってエスプレッソが持ち込まれ、
それが主流になったそうで、
エスプレッソ、ラテがどのお店で飲んでもおいしい。
そんなわけでフラットホワイトとパンケーキで朝食を済ませ、
いざ、シドニー中心部へ。
いよいよバスキングに動き出します。
天気予報では午後から崩れるとのことなので、
午前中にできる限り動きたいところ。
シドニーでバスキングをするには、許可証が必要です。
逆に言うと、許可証があれば基本的にどこでバスキングしてもOK。
許可証は市役所で申請し、即日発行できます。
なので、タウンホール駅にある、市役所へ向かう。
市役所はこんな感じ。(写真はWEBからの拾いものです。)
実に古風で美しい。
で、中に入ろうとするのですが、正門は鍵がかかっている。
横に回り、そちらの扉を押すも、そこも開かない。
軽く途方に暮れながら、裏に回ると、連結して建てられた建屋があり、
どうやらここが市役所の様子。
中に入ると、日本の市役所と違い、
高級ホテルのフロントといった趣で、
カウンターの1~2人の所員がご対応なさっている。
先ほどの写真の建物は議会などで使用するらしく、
実務はこちらのみで行っているようです。
市役所としての業務内容が日本とは違うんでしょうね。
実にスタイリッシュ。
許可証を入手し、
私だけ先行でバスキングしてみることにしました。
金曜の昼間ということで、バスカーは少なく、
どこでやっていいものか検討が付かないのですが、
以前見たバスキング体験のYOUTUBEにて、
「市役所前でやってみた」みたいな文言があったので、
市役所前でやってみることに。
シドニー市内はそこら中にベンチが設置されていて、
待ちゆく人たちの憩いになっています。
妻はそういったベンチで見学、待機。
路上とはいえ、いよいよ初の海外演奏だ。
私は10代のころから、MTVやらなにやらで
海外演奏に強いあこがれを持ってきました。
私がロックに目覚めた高校生の頃は、「海外進出」というと大変な偉業。
LOUDNESS、少年ナイフ、OUTRAGE、ZENIGEVA、SOB・・・
こういったバンド群は全く持って雲の上の人たちで、
大成功して大金持ちなんだろうなぁ・・
といったおかしな幻想を持っていたくらいです。
その後、自分もバンド活動を始め、
先輩、仲間たちが海外進出していきました。
ATOMIC
FIRE BALL、BORIS、CHURCH OF MISERY、COFFINS・・・
そしていつしかそれは特別なことでもなくなり、
自分も続けていればいつかそんな機会が来るだろうくらいに思っていました。
ele-phantをやっていたころ、比較的尖った音楽性であったこともあって、
改めて海外進出を妄想したことがある。
そんな折、COFFINSウチノさんとアースダムから
車で一緒に帰宅することがあり、
「俺も海外でやってみたいなぁ、どうしたらいんだろ。」くらいに軽い会話をした。
すると、いつもバカ話を交わす彼とは微妙に違うトーンで、
「それは、自分で動くしかないよ。」と言われ、
他力本願で舐めてた自分を恥じたことがある。
路上演奏とはいえ、50目前にしてようやく自分で動けました。
若いころはドカーンと大きな海外フェスに呼ばれる、
みたいな感じを夢見ていましたが、
まったく違って路上演奏。
こう書くとなんだかさみしい感じですが、本人的には全然そんなことはない。
というか、むしろ望ましいと思っている。
そもそも私の考える理想の音楽表現というのは・・・
いや、この話は長くなるので、ここまでにします。
そんなわけで、演奏にはそこそこの緊張が伴うかと想像していたのですが、
不思議なことに全然緊張しない。
よっぽど地元老人ホームへの慰問演奏の方が緊張する。
リラックスしながら1時間ほど演奏させていただく。
演奏していると、道行く人に話しかけられたり、
足を止めて聴いてくださったり、
チップをいただけたりする。
路上演奏はライブハウスなどでの演奏とは違う。
基本的にお客さんとして「聴きに来た」人はいない。
なので、演奏開始時は個であり、
普段の河原やスタジオでの練習と大差ない。
だが、ふと足を止めてくれた瞬間に
「聴き手(お客さん)」が発生し、個+個になる。
その時、演奏の在り方みたいなものが変わる。
自覚的にも無自覚的にも。
そして個と個の間に「和」が生まれるのだ。
日本でも路上演奏経験はあるが
日本では残念ながらそうそう立ち止まってくれる人はいない。
だが、シドニーではバスキングという行為が浸透していることと、
オープンな国民性も手伝ってか、声までかけてくれる。
その声は「よかった」とか「いい曲」など、シンプルな感想。
それがぐっと心にしみる。
一言添えていただけることで「和」が完成する思いだ。
何とも抽象的な表現になってしまいましたが、
これはいままでに味わったことの無い体験であり、
久々に新たな気持ちで音楽やっててよかったと思えるくらい、
いい気持ちになれました。
初めてのバスキングを終え、午後からの天候悪化との予報を恐れて
早々とホテルに戻る。
帰り道、昼食としてそこそこ安価でおなか一杯になりそうな
バインミーを購入し、二人で公園で食事。
シドニー周辺はアジア料理(日本食も含む)が充実している。
お値段は日本より高めですが、
なじみのある味がいただけるのはありがたい。
ホテルに戻り、余韻に浸りつつ、
明日以降の動きを妻と話あう。
午後、天気が崩れるとの予報だったが、
強めの風が吹いた他は狐の嫁入りといった感じの天気雨。
拍子抜けしつつも、カラッと明るいオーストラリアの午後を満喫し、
朝買ったパンケーキの残りで夕飯とし、早めに就寝。
明日からはいよいよ「にじいろのめ」として
先日の「のうてんふぁいらⅤ」で行った
妻のフリードローイングと並ぶ形でバスキングです。
続く


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