夏の楽しみといえば、
新日本プロレスのG1クライマックスだ。
新日本の最前線の選手たちのシングルマッチのリーグ戦。
普段見られないような組み合わせから
名勝負数え歌のような定番まで
それらが連日繰り広げられる。
今年も一喜一憂しながら見ている。
応援している選手もたくさんいるが
今年は気になってしまうのが棚橋だ。
ここ数年、棚橋の動きは明らかに悪くなってしまった。
ひざの故障で軽快に走ることが出来ない様子で、
ロープに走るときもドタドタという印象。
膝に負担のかかる必殺技の
ハイフライフロー(コーナートップからのボディプレス)も
最近は封印していた。
だが、今回のG1ではハイフライフローも解禁して、名勝負を繰り広げている。
その姿に映画「レスラー」のような決死を感じてしまい、
胸が熱くなる。
プロレスラーは40代になるにつれて最前線を退いていく傾向がある。
どうしても体が動かなくなったり、故障を抱えることで、
旧来の動きが出来なくなるからだ。
棚橋が若手だった時代は
40代以降であったり、故障を抱えていても
最前線にいる選手が多かった。
天龍は50代目前でIWGPを巻いたし、
蝶野は満足にリングから降りられないほどの膝故障でも
ドームのメインを戦った。
もちろんこれらの選手の「見せ方」が抜群に上手いというのが大きいが、
時代も変わったのだと思う。
総合格闘技ブーム~プロレス最強神話の崩壊~
プロレスがエンターテイメントであるということのカミングアウト~
アスリートプロレスの流行・・・
これらの流れの中で、体が衰えているにもかかわらず
チャンピオンという構図が成立しにくくなってきたのだと思う。
嫌な言い方をすると、ごまかしがききにくくなってきた。
天龍に53歳という必殺技がある。
これは相手を抱え挙げて頭から落とす、
いわゆる垂直落下式ブレーンバスターの類いの技で、
名前の通り、天龍が53歳のときに開発した技だ。
天龍の「53歳」は決してきれいではなく、
ぐちゃっと崩れるように倒れこむ。
この技で天龍は勝利を連発するが、
今の目で見ると、説得力は少なく、汚く見えてしまう。
でも当時は崩れるがゆえに相手に思いもよらないダメージを与えるのではないか、など、
幻想とともに好意的に見ていた。
情報は幻想を壊し、目線を変えてしまう。
そして楽しみ方も変えてしまったのかもしれない。
今のプロレスも好きだけど、
年齢制限が明確になっていっているのは寂しい気がする。
まだまだ棚橋、真壁や、その上の第3世代の活躍も見たい。
青春時代に見ていた選手たちや同世代の選手たち。
そんな彼らがまた大躍進するような場面をもう一度見てみたい。
それは青春時代のリバイバルを想起させてくれて、
自分の気持ちにも新たな火がともされる気がするのだ。
身勝手な話ではあるが、
こういう気持ちもプロレスの人気を支えているのだと思う。
棚橋、がんばって!
棚橋、がんばって!
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さて告知です。
来週はNILOMETERとABNORMALSが連日です。
NILOMETERはこちら。
7/31@阿佐ヶ谷 天
インストイズム #01
出演:
NILOMETER、solresolla、空間猫
開場:19時
開演:19時半
入場:¥1,000+1drink
ABNORMALSはこちら。
どちらもよろしくお願いします。
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