2021年12月30日木曜日

年末ご挨拶と”GUNDA”のこと

 

年末です。

あと二日で2021年も終わりとなります。

 

今年、自分の中での大きな出来事というと

ソロアルバムの発売」かと思います。

 

コロナ以降、一人稽古を続け、

自分なりに練り上げた曲と技術を一応形にできたことは

自分にとって事件でした。

 

一般流通していませんし、決して人目を集めるような作品でもなく、

たくさんの人に聴いていただくことはできていませんが、

それでも、聴いていただけた方々からはいろいろなご感想、ご評価をいただけており、

励み、力になるとともに勉強、気づきの糧にさせていただきました。

本当にありがとうございます。

 

現在も当然販売中ではございますが、

上述の通り、一般流通はしておりません。

ライブ会場での販売かメールオーダーでの販売となります。

ご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、

下記までメールいただけますよう、よろしくお願いいたします。

sleepsleepgotosleep@gmail.com

 

 

さて、年末で仕事も休みに入っており、

ここ数日は街に出て買い物したり、

ライブを見に行ったりなどしています。

コロナ状況も比較的落ち着いており、ありがたい限りです。

昨日は映画を見に行ってきました。

 

GUNDA”というドキュメンタリー映画。

セリフ無し、字幕無し、音楽なし、色なし(白黒画像)で

ある牧場の動物たちの姿を描いた作品。




 

本当にすごい映画でした。

こんな映画見たことない。

宣伝文句の中にもあった表現ですが、人生観を揺さぶられる感じです。

妻と見に行ったのですが、見た後の昼食は二人とも

衝撃を消化しきれずに変に無口になってしまいました。

 

そのすごさは言葉にするのが難しく、

仮に述べようとすると恐ろしく長文になりそう。

そしてそれでも言い尽くせない。

まれに言語化不可能、言語化拒絶な音楽に出会うことはありますが、

映画では初めての経験です。

不立文字な作品。

 

 

音楽に関わる観点で少しだけ頑張ってみますと、

上述の通り、作中に「音楽」は無いのですが、

動物たちの鳴き声、風、踏みしめられる草の音などが

完璧な音楽として存在しています。

それらはどこにでもある音なのに、

いわゆる「映画音楽」以上に作品にぴったりマッチする。

 

フィールドレコーディングをして、後で聞くと、

普段聴いている世界と違う表情が聞こえてくることがあります。

例えば、風の音などは普段の生活では「音」としてはあまり意識しません。

ですが、レコーディングすると、風の音、いわゆる「吹かれ」の音は

すごい存在感を示してくる。

 映画を見ていてそんなことを思い出しました。


映画の中の音は、普段の我々の生活の中でも聴いている音です。

我々の周りにも素晴らしい音楽があふれているのだと気づかされます。

ただ、それに気づけないだけで。

 

この映画の中には、この音楽の例にとどまらず、

特殊な事件、環境ではなく、普段の生活に真理があることを

示唆する要素があふれています。

 

うーん・・・

感想の一部だけでもうまくまとめようとするのですが、

全然伝えきれません。

やはりご覧いただくしかありません。

 

気になった方がいらっしゃいましたら、

ぜひ映画館に足をお運びください。

コロナの落ち着いているうちに。

 

 

今年も残り2日です。

楽器や模型でもいじりながら、のんびりと力まずに過ごしたく思います。

 

皆様、よいお年をお迎えくださいませ。




 

 

2021年12月22日水曜日

上原ひろみ THE TRIO PROJECT ”MOVE"


 

愛聴盤ご紹介。

第2回は上原ひろみトリオプロジェクトの”MOVE”です。

 

最初にこのトリオに触れたのはこちらの動画でした。


確か、今の日本のジャズミュージシャンを聴いてみたくて

彼女にたどり着いたんじゃなかったかと記憶しています。

そして一発でノックアウトされました。

以降、今年中で20回はこの動画を見ています。

 

本当に不思議な曲で、すごい構成美と演奏力に圧倒されます。

最初に引き込まれたのはSIMON PHILLIPSのドラムプレイでした。

ジャズ、フュージョン系ながら、

すごくロックっぽい盛り上げ方をなさるドラマーさん。

大好きです。

ツーバスの使い方やアタックの強さに

TOOLDANNY CAREYを連想しちゃうくらいロック的です。

 

中盤の5拍子のドラムソロ最後のツーバス連打、盛り上がりが絶頂になり、

一気に転調する場面に泣かされます。

なぜかこの動画を見るのは仕事での新幹線移動中が多いのですが、

何回か車内で涙ぐんでしまい、気恥しい思いをさせられています。

 


動画で感激して、ほかの曲も聞きたくてアルバムを買いました。

当然のようにアルバムもすごいです。

動画同様にハードでカタルシスにあふれる曲をメインに、

若干遊びを感じる曲も含め、アルバム9曲中7曲が7分越えの大曲ながら、

一気に聴きとおしてしまう。

 

上原さんはジャズピアニストとくくられるのかと思います。

実際、いくつかの曲ではジャズ的な演奏、フレーズが出てきますが、

どれもこれも一筋縄でいかない。

例えば、5曲目の中盤ではハードバップ的な4ビートが披露されますが、

これもフレージングに癖が強く、独特です。

 

ジャズ、フュージョンとかどうでもよく、

「いい曲」が並んでいます。

こんな曲をどうやって作曲したのか、

そしてこれをレコーディングしちゃう3人の技量、疎通を考えると気が遠くなる。

 

 

この記事を書こうと思い立ってから、アルバムを数回聴きました。

その上で昨日久しぶりに動画をみました。

 

驚きました。

アルバムでのピアノソロと動画でのソロは全く違う。

全然違和感がないので気づいていませんでした。

両方とも素晴らしいソロです。

 

どうすれば人間はここまでの音楽表現力、演奏力を身に付けられるんだろう。

どれだけのことを彼女は積み上げてきたんだろう。

童顔で小柄な彼女の演奏を見ながら

そんなことを思ったら、また泣かされてしまいました。

 

いつか生で見てみたいミュージシャンの一人です。







2021年12月3日金曜日

さらばガンプラ

 

ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、

私、プラモ、模型趣味がございまして、

こんなサイトもやっていたりします。

コロナの変異株の名前を聞くと、

ついついアナハイムの試作ガンダムのコードナンバーを

連想しちゃうくらいにはオタクです。

 

世代的にプラモというとガンプラです。

最近は触れる時間が少なくなってますが、

昔は頻繁に買っていて、

模型屋さんに行ってずらっと並ぶ製品を前に、

迷う楽しみを満喫したものです。

 

ですが、ここのとこ、状況が大きく変わっています。

 

今模型屋に行ってもほとんどガンプラが売っていません。

大型の模型店であっても数えるほどのアイテムしかありません。

以前は3棚くらいガンプラに割いていたお店でも、

今では1棚で数少ないアイテムを平置きして

なんとか「ガンプラコーナー」を埋めている感じです。

 

この現象ですが、コロナ以降、自宅趣味としてガンプラを始めたり再開する人が増え、

需要が高まり、その結果、転売目的に買い占める業者が多数現れたことが原因でして、

AMAZONであればたいていのアイテムは買えますが、

どれもこれもプレミアがついた状態です。

 

発売元のバンダイでも製品供給を増やすなどの調整をしているようなのですが、

ガンプラのアイテム数を考えると補完しきれるものでもなく、

最近では発売前の製品まで転売業者によって

AMAZON上でのプレミア価格で予約販売されているという異常事態です。

 

そんな状況なので購入希望者は転売屋と予約競争をしたり、

発売日に店舗に並ばなくてはいけない状態です。

そこまでするくらいならプレミア価格で買う、という人も多く、

悪循環に陥っています。

 

店頭で選ぶ楽しみが無く、

水物の転売価格を伺いながら買おうという気持ちにはなれません。

また、転売屋に売り上げ貢献するというのも、

この状況を受け入れるみたいで、なんか嫌な気持ちになります。

結局、ガンプラから気持ちが離れていきつつあります。

 

 

そんな中、ガンプラと持ちつ持たれつの関係にある

模型誌ホビージャパンの編集部員がこの状況に対し、

市場原理として普通のことであり、不満を言うのはおかしい。

黙ってAMAZONで買え、といった内容をSNSに書き、

炎上するという事件がありました。

言いたいことはわかりますが、模型誌までそんなことを言うとは世も末です。

同誌の質低下は以前から感じていましたが、

ここまで来たか、という感じです。

 

AMAZON、さらにはヤフオク、メルカリなどによって

個人であっても「プチ資本家」になれる時代。

この事態は資本主義では、

十分起こりえる事態なのだと思います。

個人である「プチ資本家」には市場倫理や業界調整なんて関係ないですから。

あくまでも利潤追求という本来の自由経済の形なのかもしれません。

 

起こるべくして起こっている事態なのかとも思いますが、

なんとも面白くないです。

 

 

最初にガンプラを買った(買ってもらった)のは

1次ガンプラブームの残り香がまだ漂っていた1981年、6歳の時でした。

1/550 ビグザム

6歳児には難しく、結局完成できませんでした。

 

あれから40年。ある時は熱中し、ある時は横目で見る程度に

細く長く付き合ってきましたが、

ガンプラとの関係もいよいよ潮時なのかな。

そんな気がしています。