2021年12月22日水曜日

上原ひろみ THE TRIO PROJECT ”MOVE"


 

愛聴盤ご紹介。

第2回は上原ひろみトリオプロジェクトの”MOVE”です。

 

最初にこのトリオに触れたのはこちらの動画でした。


確か、今の日本のジャズミュージシャンを聴いてみたくて

彼女にたどり着いたんじゃなかったかと記憶しています。

そして一発でノックアウトされました。

以降、今年中で20回はこの動画を見ています。

 

本当に不思議な曲で、すごい構成美と演奏力に圧倒されます。

最初に引き込まれたのはSIMON PHILLIPSのドラムプレイでした。

ジャズ、フュージョン系ながら、

すごくロックっぽい盛り上げ方をなさるドラマーさん。

大好きです。

ツーバスの使い方やアタックの強さに

TOOLDANNY CAREYを連想しちゃうくらいロック的です。

 

中盤の5拍子のドラムソロ最後のツーバス連打、盛り上がりが絶頂になり、

一気に転調する場面に泣かされます。

なぜかこの動画を見るのは仕事での新幹線移動中が多いのですが、

何回か車内で涙ぐんでしまい、気恥しい思いをさせられています。

 


動画で感激して、ほかの曲も聞きたくてアルバムを買いました。

当然のようにアルバムもすごいです。

動画同様にハードでカタルシスにあふれる曲をメインに、

若干遊びを感じる曲も含め、アルバム9曲中7曲が7分越えの大曲ながら、

一気に聴きとおしてしまう。

 

上原さんはジャズピアニストとくくられるのかと思います。

実際、いくつかの曲ではジャズ的な演奏、フレーズが出てきますが、

どれもこれも一筋縄でいかない。

例えば、5曲目の中盤ではハードバップ的な4ビートが披露されますが、

これもフレージングに癖が強く、独特です。

 

ジャズ、フュージョンとかどうでもよく、

「いい曲」が並んでいます。

こんな曲をどうやって作曲したのか、

そしてこれをレコーディングしちゃう3人の技量、疎通を考えると気が遠くなる。

 

 

この記事を書こうと思い立ってから、アルバムを数回聴きました。

その上で昨日久しぶりに動画をみました。

 

驚きました。

アルバムでのピアノソロと動画でのソロは全く違う。

全然違和感がないので気づいていませんでした。

両方とも素晴らしいソロです。

 

どうすれば人間はここまでの音楽表現力、演奏力を身に付けられるんだろう。

どれだけのことを彼女は積み上げてきたんだろう。

童顔で小柄な彼女の演奏を見ながら

そんなことを思ったら、また泣かされてしまいました。

 

いつか生で見てみたいミュージシャンの一人です。







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