2023年4月25日火曜日

生越~茅ヶ崎~辻堂

 ライブ拝聴記

2023420日 生越 山猫軒

 

先週の木曜日、仕事を休んで昼間のライブに行ってきた。

 

家から山を二つ超えた、生越にある山猫軒で

尊敬する井野信義さんのライブ。

今回はピアノ 高瀬アキさん、サックス 早坂紗知さん、

ベース 井野さんというトリオ編成。

 

井野さんはフリー演奏で有名ですが、

今回はJAZZ的な構成の曲が多く、

メインテーマの後、各人のソロを経て再びメインテーマに戻るという形態。


JAZZ的と上述しましたが、

各人のソロはかなりフリー度が高く、

メインテーマを忘れてしまいそうになるくらいぶっ壊す。

 

バラバラになったかと思うと、

最後はバッチリのタイミングで3人でのメインテーマに移る。

この辺の息の合い方もちょっと信じられない感じでした。

継続的なバンドではないので、

おそらく事前にスタジオに入ったのもわずかでしょうに・・・

 

 

ソロの時、他のメンバーはバッキングに回ることはまれで、

基本的に演奏をやめてソロイストに任せたり、

同時進行でフリー演奏をなさるのだが、

演奏をしていないメンバーは適当にステージに置いてあるパーカスを

いじくって音を出したりする。

明確にリズムを鳴らすばかりではなく、

「遊び」「ハプニング」っぽく入れることもある。

ソロを取っている方はそれを無視したり、リズムに寄せてみたり、

自由に演奏を続ける。

 

これです。

こういうところが私には届かない境地だ。

 

ロックだったらありえない状態かと思います。

ソロ中に他のメンバーが適当に演奏に干渉するなんて。

喧嘩になりかねない。

俺の見せ場を邪魔するな、的に。

 

だが、彼らは違う。何かを表現しよう、魅せようとしているのではなく、

息をするように演奏をしている。

なので、そこにどんな音が混じってこようが気にしない。

そしてそれが結果的に素晴らしい表現になるのです。

そんな様子を見ていて打ちひしがれる。

 

最後の曲、井野さんと高瀬さんが80年代頭に

ドイツのジャズフェスに出演したころに合わせていたという曲を演奏なさる。

(すみません。不勉強にて元曲がわかりません。)

 

上述の通り、フリー度の高いソロが繰り広げられた末にメインテーマに戻る。

このメインテーマの演奏がすごかった。

メインテーマにもかかわらず、壊し気味に弾く高瀬さんのピアノがすごすぎて

涙が出ました。

最初に弾いたメインテーマと使っている音は変わらない(はず)。

でも、感情のこもり方が違う。

 

この日のお二人の演奏は、おそらく当時の演奏とは全く違う演奏でしょう。

年輪を重ねた末の今の演奏なのだと思います。

音楽は奏者とともに生き続けていて、成長していく。

 

一緒に見ていた妻も高瀬さんのピアノにノックアウトされ、

終演後にCDを購入していた。

普段JAZZを聴かないのに。

井野さんもそうだが、ステージを降りると普通のご年配に戻る。

気さくに妻と会話する高瀬さんをみていると、さっきの演奏が嘘のようだ。

 

ここのところ、仕事が忙しく、

休みを取ってライブに行くことに少し抵抗があったのですが、

行ってよかった。


日本のフリージャズ黎明期を担ってきた達人たちは

もう皆さん老齢だ。まだまだ勉強させていただきたい。

今後もライブを見に行こうと思う。

 

 

ライブ日記

2023423日 茅ヶ崎ウタパンパン

からの 辻堂 トニーノ

 

そして、一昨日(423日)は

急遽参加することになったライブにて茅ヶ崎へ出張。

 

神奈川での久々のライブということで、

大磯在住の学生時代の友人や、ベリコン(ベリタスコンク75)の新見夫妻、

フリーキーマシーン、チャッカーズのケンゴさん、

おなじくチャッカーズのユウさんが見に来てくれた。

 

前回のライブはお寺でしたので、

不穏な曲は控えましたが、

今回はDEATHのカバーを含む5曲を演奏。

お寺でDEATHというわけにもいきませんので。

 

このカバー、かなりアレンジしているので元曲とはかけ離れているのですが、

DAYBREAKコウスケ君が元曲を言い当てる。

さすがDEATH黒帯。

 

私は1番手でしたので、自身の演奏後は他出演者さんの演奏を見たり、

来て下さったお客さんや共演者と会話して過ごすが、

終演を待たずに店を後にさせていただく。

実は夕方から隣町の辻堂にてケンゴさんが弾き語りをするということなのだ。

 

場所はおしゃれなピザ屋さん。

なんでも3周年パーティとのことで、店の周辺は大盛り上がり。

「横浜」な不良な人たちがあふれかえっている。

老若男女問わず、だれもが笑顔でいい雰囲気。

 

こういう場では委縮してしまう私も、

あまりにも開放的な雰囲気に意外とすんなりなじめた(気がする)。

 

そしてケンゴさんのライブ。

弾き語りとはいえ、ケンゴさんのアコギ+歌の他、

スライドギター、アコギ(リードギター)、カホン、パーカス(鳴り物)と、

なかなかの大所帯でケンゴワールド全開。

 

ライブ、素晴らしかった。

ケンゴさんの歌は独特な深みがある。

肩の力が抜けていながらも、芯の強さを感じる歌だ。

チャッカーズの曲メインのセットでしたので、

歌詞のテーマはアレなのですが、それにもかかわらず、グッとくる。

 

フリーキーマシーンは旧20000ボルト時代からの先輩。

なので、ケンゴさんの歌も25年以上前から知っている。

昔は今と違い、力みがちな印象で、それも魅力的ではあったが、

いまはご自身のスタイルが明確になってオリジナルなケンゴ節がすごく染みます。


 

私もBucket-Tのころはボーカルもやっていたが、

うまく歌えず、悩み続けた。

ele-phantABNORMALSではコミさんと組んでいたので、

彼の歌、すごさに触れるにつけ、さらにボーカルへの思いは遠ざかり、

今はやめてしまっている。

 

 

森有正さんの経験論ではないが、

人は年輪のようなもので出来ていると思う。


どんなことでも継続は難しい。

でもとにかく継続していれば年輪は増していき、幹は太くなっていく。

そして、自分ならではの木になっていくのだろう。

 

あのまま続けていたら自分の歌も何らかの形にたどりつけたのかな・・・

そんなことを思った。







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