2023年10月5日木曜日

生きている音楽

 

CORRUPTEDの新作がすごい。

https://corrupted1994.bandcamp.com/track/mushikeras

 

おそらくバンドとして、大きな挑戦と思われる今作、

すごく心に響きます。

 

私はCORRUPTEDを云々できるほど

歴史を追って聴いてきたわけではないのですが、

日本のスラッジ、FUNERAL DOOMの開拓者という認識を持っており、

やっぱり必殺技は「溜めて溜めてからの低音リフで爆発」のカタルシスだと思っていた。

ですが、今作はその武器は振り回さない。

もちろん引きずる重さや爆発的な低速リフはあるが、

それはあくまでも一要素。そこへの偏重は感じない。

 

驚いたのは「歌」の存在。

全編通して歌われているのだ。

 

新ボーカルさんの表現力は本当に素晴らしい。

緻密な多重録音と、寓話的で、ある種牧歌的な印象もある歌詞もあいまって、

グイグイと心を揺らす。

 

今回の音源で彼らが一番重視しているのは、

この歌に込められたメッセージなんじゃなかろうか。

 

CORRUPTEDといえば、誰しもその歴史、独自の雰囲気、

思想性を思うんじゃないでしょうか。

そんなCORRUPTEDがメッセージを伝えるには何がベストな方法なのか、を考え抜いた結果のように思う。

そしてそのために歴史、雰囲気、思想もぎりぎりまで捨てる覚悟が伝わってくる。

 

妻はこの音楽を「美術」と感想していました。

まさしくその通りだと思います。これは美しく描かれた美術。

でもそれはしっかりと血で描かれており、

悩みぬいた痕跡みたいなものが美しさとして顕われている。

 

 

また、今回BANDCAMPでリリースされたということも、

界隈(?)では事件なんだろうな。

私はベストな選択だと思います。

美術はだれの目にも触れることができる方がいい。

 

実は私、BANDCAMPをよく知らなくて、

今回初めて使ってみたのですが、面白いですね。

有名無名問わず、ミュージシャンによる直接発信、販売が可能なことから、

他のストリーミングサービスよりも濃い音楽が見つけやすいように思う。

 

早速私も数曲購入したり、聴いたりしています。

スコットラファロやアルバートアイラー、高柳昌行さんの未聴ライブや

チャックシュルディナーの別バンドとか。

気が付くと死者の音楽ばっかりを聴いている。

 

思えば、私の好きな音楽は死者の音楽が多い。

自分なりに考えてみたのだが、死によって歴史が断絶することで、

「完成」のままでいてくれるからかもしれない。

人気を維持するために無理をしたり、金のために誇りを捨てたりすることなく

美学を保ったままでいてくれる。

 

だが、この考えは理想的ではない。

CORRUPTEDの音楽を聴いて、少し考えなおした。

きっと彼らの音楽はこれからも進化していく。

やっぱり進化し続けるこそが音楽家、表現者としてあるべき姿だ。

「完成」で終わりではない。

「完成」を更新し続け、生きていかなければいけない。

 

うーむ、背筋が伸びました。

私も私なりにさらに自分の音楽を練っていきます。

 

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さて、告知です。

 

前回記事で書きました、11月のライブの情報が開示されました。

DAYBREAKによる秋の定番企画

”BURST YOUR PICNIC”

 


コロナ以降スタートしたこの企画には

かれこれ3度目の出演となる。

ほぼレギュラーとしてお呼びいただき、ありがたい限りです。

 

その後12月にはこちらも控えています。

12月2日 西横浜エルプエンテ

”BORN TO BOOZE”

 


 そして、フライヤーはありませんが、翌週は地元のイベント。

12月9日 なぐり広場

”なぐりクリスマスコンサート”

https://nagurihiroba.jimdofree.com/

実はこうして普段音楽を聴かない方々の前で演奏するのが一番緊張したりする・・・

それだけに刺激も勉強もあります。


今年はこの3本のライブで終了かな。

約1か月の間に3本のライブなんて、私としてはかなりのハイペース。

楽しみです。




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