2020年12月16日水曜日

フレットレス改造

 

夏ころ、勢いで手持ちのベースを1本フレットレスに改造した。

私は2本しかベースを持っていません。

そのうちの1本を改造したのだから、

我ながらなかなかの勢いだ。

 

ニッパーでフレットを引っこ抜き、

隙間をパテで埋め、指板を削って平面にする。

フレットレス化は若いころにもやったことがあったので、

素人改造ながら、何とか弾けるレベルには仕上がった。



 

フレットレス化の目的は12音階からの離脱実験、自由化でした。

今の私のスタイルはソロ演奏なので、

離脱したところで協奏のルールを乱すものでもない。

そこでいっそフレットを抜いてしまった次第。


フレットレスであれば12音階以外の音を選ぶことができる。

例えば5度コードを弾くときに

ルート+「5度よりちょっと下」の音を重ねることで、

聴いたことの無い不安定なコードが鳴るのではないかと期待した。

 

だが、残念ながら、狙い通りにはいかない。

それはぼやけた5度コードでしかなく、

単純に美しくない響き。

それはそれで面白くもあるが

これを生かす方法が思いつかない。


コードに限らず、スケール、アルペジオすべてにおいて同じ感じで、

「離脱遊び」をしてみても、解像度の低い音階にしか聞こえず、

結局、12音階に乗るように弾くことになる。

※ただ、メロディーを弾く際にはその限りではなく、

不思議なメロディーが得られそうな気がするのだが、

曲としてまとめるにはメロディーだけでは構築が難しい。

 

これは多分に自分の実力不足があるんだろうとも思う。

フレットが無いことで12音階を超えた世界を描くという術は

きっと存在するはずだと信じているが

まだ私にはできない。

 

 

そんな折、現代思想誌の鈴木大拙特集を読んでいて

「ひじ、外に曲がらず」という言葉に出会った。

 

禅思想を西洋に伝えた鈴木大拙はこの言葉によって

新たな境地に達したという。

 

ひじは外には曲がらない。

これは制限や不自由ではなく、必然であり、

その中にも十分に自由がある。

必ずしも「自由度=自由」ではない。

捉え方次第で「制限=自由」でもありえる。


上述のフレットレスでの自由度模索経緯と

この言葉を重ねるには大仰な気もするが、

フレッテッドだからって自由が得られないわけではない。

こっちの道もまだまだ遠くて深い。


フレットレスは今後も研究を続けます。

いつか自分なりのフレットレスの在り方が見つかるのを期待して。

もう抜いちゃったし・・・

ただ、改めてフレッテッドの可能性を考えるいい機会にもなりました。


 

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さて告知です。


 

 国分寺モルガーナのブッキングスタッフとしても活躍中の

仕掛け人ユリアキ君の企画です。

まだ大出を振ってライブにお誘いしにくい状況ではありますが、

NILOMETER、来年一発目にして久々のライブハウス出演。


ご検討、よろしくお願いします。


 

 

 

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