最近、合気道を習い始めた。
以前から、興味をもっていたものの、
なかなか踏み出せずにいたのですが、
45歳にしてとうとう挑戦してみた。
また、武道という今までの自分に無い体の動かし方、使い方を会得できれば、
音楽にも今までにないものが導入できるようにも期待して。
新しいことを始めるとなると、少し不安もあり、
まずは見学に参加し、雰囲気をうかがわせていただく。
合気道の動画はいろいろ見たことがありましたが、
実際に受けるのは初めて。
相手の胸倉をつかむ。その手を軽く握られると、
簡単に腰が崩されてしまう。
胸倉をつかんだ手を離せば脱出できそうなものなのですが、
なぜか手が離せない。
動画などで近似の技を見ていた時は
「手を離せばいいじゃん」くらいに思っていましたが、
いざ実際に受けると、全く手が離れない。
自分の手なのに思う通りに動かないのだ。
そんな不思議を目の当たりにして、入門を決意した次第。
まだまだ入門したてで何にもできないのですが、
先生のお話しを聞いているだけでもいろいろと参考になったり、
思い当たることがあったりして興味深い。
例えば、相手に手首をつかまれ、それをほどく際、
筋力でほどこうとしても限界がある。
だが、手を動かす方向に「気」を入れると、
簡単にほどくことができる。
「気」というと抵抗がある人もいるかもしれませんが、
「意思」と言い換えてもいいのかもしれません。
握られた手の向いている方向に向かって、
その先にある何かを取ろうとするように、意思を込めて伸ばすと、
筋量からは想像できないほどの力が出る。
先生曰く、腕の力ではなく、全身の力が乗るのだそうだ。
気を込めることによって効果が生まれる。
この現象で思い当たることがある。
ele-phantをやっていたころ、
歌についてコミさんからいろいろと教えてもらう中で、
目先のマイクに向かって歌うのではなく、
遠くに声を飛ばすように意識して歌うといい、というアドバイスをもらった。
上述の「気」の効果と少し近いのかもしれない。
「歌う」という行為だけでいうと、大差ないようにも思えてしまうが、
意思を乗せることで「いい歌」になるということなのかも。
だからコミさんの歌は届きやすいのだろう。
上述の合気道の話同様、より強い力のようなものがこもるのかと思う。
これは歌や合気道にかぎった話ではない。
どんな楽器、もしくはどんな行為であっても同じことなのだろう。
何か伝えたいことがあるなら「意思」「気」を込める。
当たり前のようだけど、簡単じゃない。
不安とともにスタートした45の手習い。
さっそく、新たな気づきに出合うことができた。
体はしんどいですが、
踏み出してみて良かった。
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