2023年12月11日月曜日

なぐりのコンサート

 

先週末は今年最後のライブでした。

地元飯能市名栗の福祉団体主催によるコンサート。

 

行政センターの大部屋にて地元の方々を招き、

地域福祉の一環でもある無料の音楽会。

出演者も地元の人間ばかりで、

弾き語りやリコーダー演奏、地元神社の獅子舞保存会による笛、

フラ、コーラスなど、

多様で基本的にロックとは縁が遠い出演陣だ。

 

妻の紹介で私にもお声をかけていただき、

出演させていただくこととなった。

演奏時間はセッティング込み15分と短めで、私は2曲を演奏。

 

 

とにかく緊張しました。

 

過去のバンド活動の中では

結構な大人数の前でのライブや、

失敗が許されないライブ録画、ワンマンライブなども経験してきましたが、

それ以上の緊張。

指が震えたのなんて何時以来だろう。

 

地元なのでおかしな失敗はしたくないという思いもありましたし、

機材は小型アンプだけでPAのサポートもない中で、

ちゃんと部屋全体まで鳴らせるのか、といった音響技術面の心配もありました。

それらも緊張の一因ではありましたが、一番大きいのは

普段、あまり音楽を聴いていない(であろう)方々の前での演奏ということかと思います。

 

お集りの皆さんは地元のご年配を中心に150名くらいといったところ。

その中で私の音楽を知るのは妻だけ。

他の方々はひょっとすると「ベース」という楽器もご存じない。

 

普段のライブでは当然のことながら、音楽好きがお客さんとして集まる。

さらには音楽をやっているお客さんも多い。

そういう場とは異なり、

機材、音作り、演奏力、音楽性といった音楽的要素や、

活動歴、趣味などの付随要素はほとんど聴衆に響かない。

 

単純に「演奏」だけで魅せなければいけないのだ。


この環境は春に出演させていただいたお寺でのイベントと同じですが、

その時はお祭り的なイベントでしたので、

受けなきゃ受けないでいいという吹っ切れた思いもありました。

ですが、今回は「音楽会」に集まってくださっているので、

ちょっと趣が違う。 


そんな緊張を抱えながらの演奏となりました。

 


結果、ありがたいことに盛況をいただきながら終えることができました。

あぁよかった。

 

演奏後はいろいろな初対面の皆様からお褒めのご感想をいただく。

なかなかできない経験だ。本当にうれしい。

また、帰宅後、妻が撮ってくれた映像を見ると、

演奏後に拍手とともに、ご年配が「わー」と感嘆を漏らされる声が入っている。

普段のライブでの「ワーッ!」ももちろんうれしいですが、

漏れ出る「わー」に少し泣きそうになる。

大げさですが音楽やっててよかった。

 

冒頭に書きました通り、

今年のライブはこれにて全部終了です。

 

ありがたいことに年明けのライブ予定も2本ほど決まっておりますが、

来年は今回のような地元での活動も加速させていきます。

 

同時に地元の皆さんに地域の一員として認知してもらうとともに、

地域のため、人のために私ができることを模索していきたい。


演奏後にいただいたお言葉で「プロなんですか」というものがありました。

ありがたいお言葉ではありますが、

私としては「楽器が得意なおじさん」で十分であり、

そう自覚している。

 

共同体はそれぞれの得意を持ち寄って構成されるというのが

最初にして理想的な形だと思う。

私が得意な楽器演奏で地域に何らかを添えることができたら素晴らしい。

音楽の力って何なんだろう。そんなことを少し考えていきたい。


写真は演奏後の控室からの風景。

抜けるような冬晴れ。



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