2024年5月28日火曜日

レコーディングに向けての検証

 

今日は前回に続いて機材の話。

 

機材の話はこのブログの不人気テーマなのですが、

備忘録的に書かせていただきます。

 

現在、ソロでの2枚目のアルバム作成を画策しておりまして、

その録音方法を模索しています。

前回のアルバムでは、ライン録音、
スタジオでマイキング録音、フィールド録音を

織り交ぜて録音したのですが、今回はできるだけ生で録りたく、

フィールド録音のみでやろうかと思っています。

 

野外にアンプをもっていって、

鳥の声、川、山の音などが混ざった状態で録音します。

 

この場合、ライン録音やスタジオ録音と異なり、

録音したものを素材として後で加工することは難しくなります。

そのため、アンプから出た時点で
できるだけ理想の音にしておく必要があります。

 

そこで、現在の自分のアンプの性能の再確認のため

久しぶりにスタジオに入ってじっくりと検証してみました。

 

私の住んでいる街には音楽スタジオが存在しません。

なので、できるだけ近場の音楽スタジオを探し、

隣町の秩父というところまで、峠道を1時間ほど走って行ってきた次第。

 

 


私がソロ活動で使用しているアンプは

JBLEON1というものになります。

https://jp.jbl.com/JBL+EON+ONE+Compact.html

 

ベースアンプではなく、PA用アンプです。

私の音楽はルーパーでたくさんの音を重ねるので、

音域に癖のないフラットなアンプを求めていろいろ試した結果、
PAアンプにたどり着きました。

 

このアンプは電池式で電源のないところでも
使用可能ながら150Wという高出力。

スピーカーは8インチが一発と、少々心もとなくもありますが、
その分軽量。片手で十分に持ち運べます。

購入当時、路上ライブを想定していたためにこれにしたのですが、

路上ライブをやっていない最近は最近で、
外で練習する機会が多いので、電池式の恩恵を感じております。

 

 

ただ、8インチ一発の宿命なのか、
音量を上げていくと少し音が濁ってくる。

そもそも、ルーパーで多音域をいっぺんに鳴らしているわけですから、

音量を上げれば濁るのは当然と言えば当然なのですが、

その濁りを取ることは可能なのか?

また、他所のアンプだとどの程度濁るのか?

レコーディングに向けてその辺の確認もしました。

 

 

 

以下、検証の結果です。

 

EON1の音量について

 

そのスタジオにはAMPEG SVT450ヘッドと810Eキャビネットの
セットが常設されていました。

スタジオの広さは15畳くらい。

SVT450はトランジスタの450Wというモンスターアンプ。

それと10インチ8発の定番キャビ(通称 冷蔵庫)ということで、

かなり余裕のある組み合わせです。

このアンプを比較対象として、自分のEON1を確認していきます。

 

最初に確認したのはSVT450での音量。

さすが450W。
20%くらいの出力でドラムに負けないくらいの音量が得られました。

(ルーパーでアンプを鳴らしっぱなしにしたうえで、ドラムを叩いて確認。)

 

次にEON1で同様にドラムに負けない音量を出してみました。

50%くらいの出力でドラムに負けない。

電池式でスピーカー一発でドラムに負けない音量。

これってなかなかすごいことです。

改めてEON1のすごさを知りました。

 

 

音の濁り

 

だが、この音量だと100ヘルツ辺りの音がクリアに出ない。

まぁ、ルーパーでベース演奏を何層にも重ねているので、

どうしても100ヘルツ辺りに音が溜まりやすくなり、
にごるのは仕方ないことでもあるのですが、

なんというか、この音域を鳴らすために無理をしている感じで、

素直にスピーカーが鳴らせていない印象を受ける。

 

SVT450810Eの方はまったくそういう感じは受けない。

スピーカーへの負荷が少なく、

キャビネット全体が鳴っていることでスムーズに音が出ている感じがする。

アンプの特性というより、
キャビネット(810E)によるところが大きいのかもしれない。

 

 

濁りを消す

ではEON1大音量時の濁りは消すことができるのか。

 

EON1はスマホアプリと連携させることで
グラフィックイコライザーが使えます。

そのグライコで濁りを補正してみましたが、

ちょうどいい感じにならない。

やはり音量を下げるしかないという結論。

 

結局、いつもの野外練習の時くらいの音量まで下げました。

そうするとすごくクリア。

この状態でグライコ補正すると、すごく理想的な音になりました。

 

レコーディングはこの感じで行くかな。

ライブとなるとこの音量では心もとないので、音量を上げざるを得ないのですが、

いたずらに上げると濁るしなぁ・・・

ライブ用にはもう少し高出力のアンプが欲しいところですね。

 

 

1+1は2になるか

 

次に試してみたのは、 

「音量を上げると濁りやすいのであれば、

音量低めのアンプを複数鳴らせば、

濁りがなく、音量も稼ぐことができるのでは?」 という検証。

 

SVT450EON1を共にクリアに聞こえる(聞きやすい)音量に抑え、

同時に鳴らしてみる。

1台ではドラムに負ける音量だが、2台を鳴らしたら・・・

結果、音量感はあまり変わりませんでした。

2台鳴らしているのだから、
1台の時の2倍の音量感を得られそうなものなのですが、

そこまで劇的には変わらない。


複数個所から音が聞こえることで

少しはうるさくなった気もしますし、

音圧は感じないでもないのですが、

音量は1.21.5倍くらいにしかならない感じでした。

お互いの音がマスキングしあって音量感UPにつながらないのでしょう。

 

面白い結果ではありますが、

小型アンプを数台鳴らすことで音量が倍増していくのならば、

持ち運びも便利だし、理想的と思っていたので、少し残念。

やっぱり濁りがなく大音量が欲しいなら

大出力のアンプとそれを受けきるキャビネットが必要ということです。

まぁ、当たり前の話ではありますが・・

 

 

アンプの置き方で音質は変わるか

 

最後にEON1の置き方を変えて音質変化を確認してみました。

 

EON1は縦置き、横置きの2種の置き方が可能な設計になっており、

横置きにするとスピーカーが斜め上を向き、
「転がしモニター」として使用できる。

この2種で音質、音量感に変化がでるか。

 

結果、横置きよりも縦置きのほうが低音がしっかり再生されました。

音量感は特に変化を感じないかな。

 

実は予想通りの結果でもあります。

この現象はギターアンプJC120(ジャズコー)でも起こるものでして、

キャスターの付いている横置き状態よりも、立てたほうがスピーカーが安定し、

しっかりとした低音が鳴ります。

 

EON1でも横置きだと少し不安定になり、低音が伸びないのでしょう。

 

追加で今度は椅子の上に縦置きしてみました。

おそらく椅子の不安定さの分、低音が消えると想像していたのですが、

ほとんど変化ありませんした。

 

EON1の場合は置き方の安定、不安定よりも、

重心の位置などが効いているのかもしれません。

 

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以上、いろいろと確認していて

昔のことを思い出しました。

Bucket-Tをやっていた20代前半頃の話。


BORISのベース タケシさんが当時使っていた
スピーカーキャビネット(アンペグ810E)が不調だったため、
メンテに出していたところ、

8個ある10インチスピーカーのうち、
まともに鳴っていたのは2個だけだったとのこと。

かなりヘビーユーズで無茶な音量でしたので、へたっていたのでしょう。

でも、ライブを見ている分には音量が
著しく落ちているという感じはなかったです。

すくなくとも2個のスピーカーしか鳴っていないなんてわからないレベルでした。


810Eは2個のスピーカーでも十分に音量が出るんですね。

スピーカーだけではなくて、キャビネット自体がしっかり鳴っているのでしょう。

これは810Eキャビの設計、構造、材質、バスレフ、重量によるもので

スピーカーだけが音を出しているのではなく、

キャビネットがそれを補助、増幅させているのだろう。


今回、小音量で2台ならしても大音量が稼げなかったのは

このタケシさん現象の逆説的なものかと思います。

スピーカーが増えてもそれぞれがマスキングしあってしまう。

それよりもしっかりとスピーカーを鳴らす状態を
作ってやることが重要なのかと思います。

ちゃんと状態が整っていれば、8個中2個しか鳴っていなくても、

そこそこの音量感、音圧感を得ることができる。


アンペグ810Eは私も昔使っていました。

重すぎて手放しちゃいましたが、

やはりベストセラーであることには理由があるんですね。

今更810Eに戻るには機材車も体力的にも無理ですが・・・




2024年5月17日金曜日

RC500

 

先日、新しいエフェクターを買いました。

BOSSRC500というルーパーの中でもちょっと上位の機種。

久々に奮発しました。

 

このRC5002つのトラックにループフレーズを録音でき、

それらトラックは自動的に同期されてズレることなく再生される。

また、それぞれのトラックにリバース再生などの
特殊エフェクトをかけることもでき、

リズムトラック(ドラムトラック)もプリセットされていて、
多数のリズムパターンが再生可能。

そして、そのリズムに合わせて演奏、録音も可能で、

リズムのテンポチェンジも可能。

テンポを変えると録音した演奏のテンポも自動で変わる。

 

そして録音型式は最新技術の32ビットフロート録音。

個人的にはこれが購入の動機でして、

16ビットや24ビット録音の他機種ではオミットされてしまう音域まで、

しっかりと取り込み、再生することができる。

 

 

まぁ、ざっと機能を挙げていくと上記の感じでして、

興味のない人、ルーパーを触れたことのない方からすると、

何の話やら。。といった感じかとは思いますが、

とにかく多機能なのです。

 

 

で、購入後、いろいろと試したり、練習したりしてきたのですが、

 

・・・手放すことにしました。

 

録音形式の恩恵で音質はクリアだし、

2つのトラックの同期もありがたい。

今までは2つのルーパーを並べて、
同じタイミングでスイッチを入れなければいけなかったところが、

そんなこと全く無視して演奏してもかっちりとそろう。

 

でも、この「かっちり」が面白くない。

機械が作ってくれる「かっちり」は私が演奏しているものではない。

 

音質の良さは素晴らしく、

そのためだけに使い続けようとも思ったのですが、

それもそこまで必要なのだろうか・・・
という元も子もない気持ちになってきた。

 

「録音」した時点で音は模造品になる。

本当の演奏の空気、倍音、音圧、そういったものは

大なり小なりオミットされる。

クリアな音質であることはありがたいが、

他要素のデメリットを思うと、そこまで重要ではない気がしてきた。

32ビットフロート録音のシンプルルーパー、
どこか発売してくれないかな・・・)

 

また、多機能すぎることも引っかかる。

こんなにたくさんの機能はいらない。

ラーメン注文したらチャーハンと餃子、杏仁豆腐まで出てきて、

一瞬うれしいけど食べきれない。そんな感じ。

食べたかったのはラーメンだけだ。

 

 

最近のエフェクターはとにかく多機能なものが多い。

もちろん悪いことではないのですが、

行き過ぎると、音楽を演奏しているのは、

演奏者(人)なのかエフェクターなのかわからなくなってくる。

 

例えば、RC500に内蔵されたドラムトラックに合わせて、

フレーズを弾いて、テンポを変更したりして緩急をつけ、

最後にトラックエフェクトをかけて締める。

この場合、これを演奏しているのは私なのかRC500なのか。

私がやっているのは「演奏」ではなく「操作」という気がしてくる。

 

 

AI技術が加速的に進歩している中、

本当は世に出ているもののさらに先の機能を持つエフェクターも
作ることもできるのだと思う。

例えば、勝手にマイブラの音になるとか、

さらにはギターで1音弾いたらすぐに曲が出来てしまうとか。

(実際、DTMの分野では作曲アプリなどは世の中に出回っている。)

でも、そこまでいったらエフェクターではない。

 

エフェクターメーカーさんは新製品を企画する中で、

どこまでがエフェクターと扱ってもらえるのかという
線引きに悩んでいるのではないだろうか。

 

あまりにも高機能すぎると

プレイヤーの想像力を刺激するのではなく、

想像力を終わらせてしまう。

そのギリギリをつかなくては新エフェクターとして人気を博さないだろう。

 


 あまりにも特徴が強すぎて想像力を奪う場面もある。


KORGの製品でカオスパッドという名作モジュールがある。 

タッチパッドを指で触れたり叩いたりするこで

入力した音に対して思いもよらないエフェクトがかかったり、

サンプリングできたり、直観的にその変化を操作することができる。


凄く面白くて個性的な機材で、

例えばルインズの吉田達也さんはドラムの演奏中に足でパッドをふれることで

ノイズを出し、「点」の連続になりがちなドラムの演奏に

「線」となるノイズを絡めてすごく面白い表現をなさる。

 

だが、このカオスパッドの操作性の良さやパフォーマンス性、
シンセやサンプラーとの親和性から、

ノイズごっこ、インプロごっこにも多用されることになる。

そんなわけで無個性なノイズプレイヤーがこぞって使う。

この時、プレイヤーはカオスパッドに使われてしまっており、

聴衆はその人ではなくカオスパッドを聴いている。

 

 

灰野敬二さんのインタビューでの言葉を思い出します。

 

「だれもがなぜそのエフェクターが出来てきたかを考えずに使っている。

本来は演奏者に出したい音があり、

それを実現するために技術者が苦心して作ってきたものこそがエフェクターだ。」

 

やはり演奏者主体でありたいものです。

エフェクターはすごく面白いし、大好きです。

でも先に表現ありきで使いたい。

 

 

エフェクターにはまって早30年。

思えば、ずっと手元に残しているエフェクターって少ないかも。

まぁ、こうしていろいろ試して、売って、買ってっていう
行脚行為が楽しいんですけどね。



2024年4月22日月曜日

脳天壊了日記

 

先週末はにじいろのめとしての初企画
「のうてんふぁいら・Ⅰ」。

 

お越しいただいた皆さま、本当にありがとうございました!

 

 

今回の記事は、そんな「のうてんふぁいら」日記。


 

朝は4時起床。

結構早いですが、実は最近は毎日4時起き。

我が家の通常の起床は6時なんですが、

4時に起きて、妻が起きてくる前に40分の坐禅と1時間の練習をしています。


そんなわけで4時に起きると、普段は寝ている妻も起きてくる。

企画のことが気になってほとんど寝れなかったらしい。

 

朝食を経て、6時半に家を出ます。

会場への入り時間は10:45なのですが、

その前に高尾までお客さんへのケータリング用のスコーンを仕入れに行きます。

渋滞なども懸念して早めに出発。

  

今回、妻の作品展示にあたり、

今の家を買ったときに残置物として物置にあった

2×0.5メートルくらいの板を使います。

どうやら反物などを掛けて使うものらしいこの板、

合板とかではなく、目の詰まった1枚板で、
足なんかもついていていい雰囲気。

釘を打って、過去に発表してきたCDやレコードを展示するのに使いました。

展示風景
 

ただ、このサイズだとうちの車に乗りきらない。

なのでハッチバックを開けっぱなしで
板を突っ込んでロープで固定するという夜逃げスタイルで出発。

後ろが全開なので排気ガスが車内に入ってくるやら、寒いやら・・

その状態で会場となる飯能イーストコートまで向かい、

会場前にいったん板を置かせていただき、高尾へ向かう。

 

そんなこんなで高尾に到着し、

高尾在住時に頻繁に買わせていただいていた、

土日のみ営業の自家製酵母パン屋さん「チチ」さんでスコーンを仕入れます。

久々にお会いして、少しお話などもしつつ、とんぼ帰りで飯能に戻ります。

車中で買ったばかりのスコーンをつまんだりしながら、

無事、10:45に会場入り。

 

共演いただく山際さん、出店いただく地元農家の「めぐるみどり」さんと合流し、

サウンドチェック、展示設営を経て、4人で昼食。

「めぐるみどり」さんは過去にライブハウスの店長をやっていた経験がおありで、

ミュージシャンでもある。

そんなわけで昼食中は音楽の話。

地元の定食屋でちょっと深めの音楽話というのもなんか新鮮。

 

昼食から戻るともうぼちぼちオープン時間。

今回は完全予約制としており、

いらっしゃるお客さんは事前にわかっているので、

皆様の到着を待ちながら、いらっしゃった方々には

仕入れてきたスコーンと

妻が準備した地元産の桑ノ葉茶をお楽しみいただきつつ、

展示、物販、出店をご覧いただく。

 

 

そして開演。

 

まずは山際さんの演奏です。

割礼や灰野さんとの共演は拝見させていただいていましたが、

ソロ演奏を拝見するのはいつ以来だろう。

コロナ前だとおもうので、4~5年ぶりくらいかも。

 

フレージング、ピッキング、リズム、雰囲気・・

いずれも山際さんならではで、一聴しただけで氏の演奏だとわかる。

 

こういうことができる人って意外と少ないと思う。

情報過多ですぐにまねができる世界。

器用な人なら「だれだれ風」はすぐできる。

でもそんなの見ても面白くない。本物じゃないんだから。

山際さんのように「節」がある演奏家は稀有になってきているのかも。

そんなことを思う。

 

 

そして、私の番。

初企画であり、山際さんの前での演奏ということで

緊張するかな、と事前に想像しており、

こっそりそれも楽しみだったりもしたのですが、

思った以上に脱力しての演奏ができました。

 

ステージ上でも少し話しましたが、

山際さんとのソロ共演は過去にも企画したものの、

コロナの影響で2回キャンセルとなり、
3度目の正直で今回ようやく実現しました。

キャンセルになったときは少し落ち込みもしましたが、

コロナ以降、音楽性の変化、思想の変化、移住などを経て、

今思うと、今回がベストタイミングだったように思います。


 

今回の会場である飯能イーストコートさんは

ちょっと面白い作りでして、

客席に対してステージが1段低いところにある。

なので、お客さんからは演者の足元までしっかりと見える。

演者としてもあまり無い感覚(というか初めてかも。)でおもしろい。

個人的にはすごく好み。

なんというか自分の作り上げた音世界を俯瞰で鑑賞いただくみたいな感じで。

 

 

ライブ後は小一時間、お客さまや関係者と交流。

今回、いわゆる「バンド仲間」なお客さんはほとんどいなく、

地元の方々がメインでしたので、普段いただくのとは違う、
新鮮かつ有意義なご感想などをいただく。

心に刻み、今後につなげていきます。

 

そして閉宴。

またハッチバックを開けっぱなしで
排気ガスを満喫しながら帰路につきました。

 

今回の企画の主な趣旨は

・飯能(名栗)からの文化発信

・居心地のいい空間を作る

この2点と考えていました。

初回としては何とか及第点は取れたのではないかと満足しております。

次回に向けてのプランなどを話しあったりしながら

簡単な夕飯を済ませ、早めに就寝。

 

そんな充実の1日でした。

準備には時間がかかりましたが、始まればあっという間。

それだけ充実しているということなのでしょう。

企画は苦労もありますが、この感じを味わうとやめられなくなる。

そんなわけで、今後も「のうてんふぁいら」継続してまいります。

今回お越しになれなかった方々も次回ぜひぜひお越しください。


自信持って言っちゃいますが、

たのしいですよ!!


 

 

 

2024年4月4日木曜日

いい音

 

以前にも書いたかと思いますが、

私が音楽にはまるきっかけになったのは、

高校1年生の時に聴いたブルーハーツでした。

 

高校生の頃、私は器械体操部に所属しており、

夏休みには学校に泊まり込みで練習を続ける
校内合宿というイベントがありました。


合宿中、1年生は朝から練習を続ける。

夜になると、もう引退している3年生やOBたちが陣中見舞いに来る。

 

一応体育会系ですので、先輩には絶対服従。

先輩たちが部屋に入ってくると、1年生の私たちはシーンと静まり、

神妙な面持ちになる。

 

そんな先輩の中にフォークソング部にも顔を出している方々がおり、

アコギを持ってきて、後輩たちに聴かせるでもなく
弾き語りをやったりしていました。

曲はブルーハーツの「ラインを越えて」。

 

姉の影響でブルーハーツのことは知っていたので、

聴いたことがない曲ながらもブルーハーツの曲であろうことは
何となくわかった。

先輩にビビりながらも、その曲に心が震えた。

 

合宿が終わると、すぐにレンタルCD屋でブルーハーツを借りてきて
カセットテープに収めた。

そしてそれ以降、暇さえあればポータブルカセットプレイヤーで聴き続けました。

家にいるときも、通学の時も。

あまり友達が多いタイプでもなかったので、学校でも休み時間は

一人で聴き続けていました。

毎日毎日。

 

 閑話休題


現在、私が住んでいるところの最寄り駅は

高校の最寄り駅と同じ路線となります。

(かなり離れてはいますが・・)

 

なので、町に出るときには電車から高校を眺めることができる。

 

校舎も建て替わり、

私が在学していたころからは大きく外観が変わりましたが、

それでも高校の近くを通ると何となくなつかしい。

 

先日、高校の近くを電車で通る際、

たまたまスマホでメタリカを聴いていました。

 

先述のとおりブルーハーツで音楽に目覚め、

色々と聴く音楽の幅をひろげ、

高校卒業の頃はメタルヘッドになってました。

高3のころは通学電車の中でよくメタリカを聴いたものでした。

 

メタリカを聴きながら、車窓から母校を眺める。

昔と同じシチュエーションに、

不思議と普段聴くよりも良く感じました。

 

でも、ちょっと惜しい。

というのも、私にとってリアルなメタリカはカセットテープの音。

スマホで聴くMP3ではない。

カセットで聴いたらもっと良く聴けそうな気がする。

うーん、カセットで聴きたい。

 

いや、待てよ。

もしも同じように高校の脇を抜けながら、

あんなに聴き続けたブルーハーツをカセットで聴いたら、
どんな気持ちになるんだろう。

 

 

そこで、カセットプレーヤーを買ってきて試してみた。

幸い、ブルーハーツのカセットは当時にダビングしたものを

まだ持っている。

 

仕事の帰り道、電車の中でおもむろにカセットを取り出す。

カセットをプレイヤーに入れるカチャカチャ音も何となく愛らしい。

そして再生ボタンを押す。

 

おお。あの時の音だ。

 

音楽を聴くときのいつもの癖で運指をイメージしてしまったり、

レコーディング環境を想像したりしてしまう。

でもそんな邪念(?)も最初だけ。

どんどん引き込まれる。

 

懐かしいとかばかりではなく、

本当にいい曲だなと実感しながら、

記憶に染みついた歌詞をついつい口ずさむ。

 

 

カセットの音は低音域が削られ、

高音域には特有のヒスノイズが乗る。

レコーディングされた元音、元データに比べると「悪い音」だ。

でもこの音が好きだ。

 

 

「いい音」って何だろう。

 

クリアで異物がなく、音域に偏りがない音。

演奏者が出したそのままの音。

一般にはそんな100点満点みたいなものが「いい音」なのかもしれないが、

それは純度が高いだけであり、別に「いい音」ではない。

 

結局は聴き手にとって好ましいかどうかなのだ。

好ましければその人にとっていい音だ。

世間が悪いと言おうが、違和感が存在しようが。


人は本能的に他人の評価、意見、噂話を求めてしまうらしい。

原始の人間にとって、それらは生き抜くための必須情報だったからだ。

もちろんそれらは大事なことだと思います。

でも最後は自分の評価。

表現の分野に関していえばなおさらだ。

世間が「いい」と言おうが、「悪い」と言おうが関係ない。

自分次第。


 

カセットテープで聴くブルーハーツ。

私には最高にいい音でした。

 

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さて、告知です。

 

いよいよ「のうてんふぁいら」まで2週間強です。



「のうてんふぁいら・Ⅰ」

4月20日(土)

飯能イーストコート

 

出演

山際英樹

斉藤新

 

展示、物販

斉藤マミ

 

にじいろ市

MCRカンパニー

めぐるみどり

チチ

 

開場 12:30

開演 13:00

終演 14:30(予定)

 

料金 2000

※完全予約制です。

 予約は下記メールまで。

sleepsleepgotosleep@gmail.com

 

 

よろしくお願いします!!



2024年3月6日水曜日

変位抜刀霞切り

 

ブルガリアンリズムというものがあります。

ブルガリアの農村の伝わる、

極端な奇数拍子が特徴的な民俗音楽、民謡です。

 

19世紀末から20世紀初頭、西洋音楽家たちは新たな音楽形態を模索する中で、

民俗音楽、民謡に着目し、研究、導入をおこなっていった。

ストラヴィンスキー、ドヴォルザーク、コダーイなどが挙げられるが

何と言ってもこの分野ではバルトークが有名です。

 

バルトークは各地の農村に赴き、

村民に民謡を歌ってもらい、それを録音、記譜し、研究を重ねたそうですが、

その中でブルガリアンリズムに出会います。

最初はこの異常ともいえる拍子が
技術の拙さによるミスだと思い込んで記譜していたらしい。

それくらい、奇異なリズムであり、
近隣地域の民謡と比べても類がないものだそうです。

 

その後、バルトークはブルガリアンリズムを導入した曲も書くなど、

先述の通り、クラシック音楽をブレイクスルーする素材としていくわけですが、

そんなバルトークの曲がロックをブレイクスルーするために、

エマーソンレイク&パーマーに引用されることになるというのも

何とも因果を感じます。

 

 

このブルガリアンリズムがどうして出来上がっていったのかは謎ですが、

ネットはおろか、テレビ、電話もない時代、

人の出入りというと出稼ぎか戦争くらいしかない隔絶された農村の中で

長い時間をかけて、独自にはぐくまれていったのだと思われます。

 

隔離、孤立した環境が新しい形式、文化を生む例は多く、

近いところでいえば、90年代の関西ボアダムズ周辺~TAGRAG周辺の特異な音楽、

70年代、高柳昌行さんをはじめとする日本の完全インプロ音楽や

ジャパノイズなどもそう言えるように思います。

音楽以外だと、日本独自の進化を進んだ折り畳み式携帯電話は、

絶島での生物の独自進化から例えてガラパゴス携帯(ガラケー)と呼ばれたりする。

 

隔絶環境では限られた情報、ツールしかない。

また、求められるニーズも独自であり、それらに対応していくことで、

他所では生まれえないものが生まれてくるのでしょう。

大多数が求めるものではないかもしれないが、

大多数にも訴える何かがある独特なものが。

 

 

常々、「制限」というものが新しいものにつながると考えています。

 

この考えは妻や恩師とも共有しているもので、

先日、エンニオモリコーネの本を読んでいても

「制限は新たな自由へにヒントとなることがある」との言葉があった。

ブルガリアンリズムもこの例に入るかと思う。

新しい何かを見出すためには外を見渡したくなるものですが、

逆に枠の中に閉じこもり、情報を絶つことも必要なのだと思います。

 

ですが、今の世の中ではこれがすごく難しい。

情報があふれかえり、そこら中から投げかけられてくる。
電車に乗っていても、町を歩いていても。

しかも伝達パフォーマンスの高い「映像」を介して。

また、ネット社会では自分からの情報へのアクセスもあまりにも簡単だし、

枠にこもることを悪とする考え方も流布している。

 

そんな中で「けものみち」を歩むべく、

街を離れて暮らし、テレビを持たず、SNS、ネットもほどほどといった具合にしてはいますが、

それでも情報は押し寄せてくる。

知的欲求、承認欲求、脅迫観念、惰性などで

ついつい平均化された情報やくだらない意見を自分から追ってしまう。

 

情報が貴重だった時代からすると逆説的な話ではありますが、

情報と距離を置くというのはこれからの時代に

求められるスキルになってきているのかもしれない。

 

 

白土三平の名作漫画「カムイ伝」にて、

主人公の一人カムイの剣技に

変位抜刀霞切りというものがある。

 

非人階級に生まれ、差別に苦しむカムイは、

一人、剣技を磨き、「力」でもって差別にあらがっていく。

 

剣術師匠を持つことは許されず、そもそも刀を持つことも許されない。

そんな中、野犬を相手に独自修行を重ね、

環境、情報ともに限られた中で必殺の変位抜刀霞切りが完成する。

 

いつか自分なりの霞切りを会得したいものです。

 


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さて、告知です。

 

3月は1本ライブ予定がございます。

 

3月31日(日)

西横浜エルプエンテ

Charmer's Pot vol.54

出演
TSUKAMARO (大阪)
FLOATERS
砂上の楼閣
リビドーと悪魔
ニューグリフィンズ
The Leslie Southern Tone
斉藤
Madoka Kenmochi + Yuki Tanaka
嗚咽民
RT323 

開場/開演 : 12:00/12:30
チケット : ¥2,500+1d


いまや西横浜の名物男FLOATERSモッサ君による名物企画。

私は1645から出演予定です。

 


そして、来月は4年ぶりの自主企画です!!


 420日(土)

飯能イーストコート

 にじいろのめ 企画
「のうてんふぁいら・Ⅰ」

出演
山際英樹 (ギターソロ)
斉藤新 (ベースソロ)

 展示
斉藤マミ 

出店
MCRカンパニー (お米)
チチ (スコーン)
めぐるみどり (地場野菜)

開場 12:30 開演 13:00 閉演 14:30(予定)

 2000円 (完全予約制)
ドリンク持ち込み自由


※ドリンク販売ありません。好きなものをお持ち込みください。
飲み終わったゴミについてはできるだけお持ち帰りをお願いします。

 ご予約

sleepsleepgotosleep@gmail.com

斉藤 新まで

予約はお早めにどうぞ!