郊外に引っ越してきて2年が経った。
郊外といっても徒歩圏内に電車駅、コンビニもあるし、
観光地なので、土日は人も多い。
とはいえ、家の裏は川でその向こうには森、山が広がる。
引っ越す前に住んでいた都心に比べると
自然との接点がかなり多い環境だ。
そんな中、絵描きである妻の作品に変化を感じることがある。
昔から動物をモチーフにすることが多いのだが、
最近書く動物は「可愛すぎない」ように思う。
可愛くも不思議な作風であることは変わらないが、
なんというか、「可愛く書く」というディフォルメが少なくなっているように感じるのだ。
自分の音楽作品についても変化があるようで、
以前は映画的と言われることが多かったように思うが、
転居以降は風景、自然を感じると感想をいただくことが増えた。
先日、内田樹さんの「武道論」という本を読んでいて、
興味深い文章に出会った。
「人間の発揮することのできる最も大きな力は人間の中に起源を持たない」
環境による作曲への影響について書いたことがありますが、
この内田さんの言葉はそういうことも説明できるかもしれない。
外部の力、環境が人の発信、性格に影響を与える。
ただ、外部から受け取るものを自分なりの形に変換する力は個々のものだ。
その力を常に整え、磨く努力は続けていかなくてはいけないな。
それは受け取ったものへの敬意、感謝でもあると思います。
何事のおわしますかはしらねども
かたじけなさにに涙こぼるる
これは西行法師が伊勢神宮にて謡った歌です。
八百万の神との関係として、あるべき姿のように思います。
この「涙」が作品であれたら素晴らしい。
ちょっとロマンチックすぎるかな。
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