2024年9月20日金曜日

自信と慢心

 

今回の記事は

最近になって、ようやく自分の中で整理出来てきた話です。

備忘、自戒のために記事にさせていただきます。

 

 

以前書いたかと思いますが、

今年は介護施設の慰問演奏などおこなっております。

いや、正確には「おこなっていた」です。

ある事件があって、自分を見直す必要を感じ、今はやめてます。

 

慰問演奏を行おうと思った経緯は

「自分の音楽は複雑ではあるが、ある程度の普遍性をもっているはずだ。

それを確認したい」という思いから、

ふだん音楽を聴かない(少なくともロックは聴かない)であろう、

ご年配の皆様の前での演奏に挑戦してみたく思った次第です。

 

最初に慰問演奏をしたのは3月でした。


全く顔も知らないご年配の皆様30人ほどのまえで演奏。

なかなかに緊張します。

ですが、ありがたいことに好評をいただき、

施設の方からも、また来てほしいとのお言葉をいただきました。

 

もちろん、お聴きの皆さんが知っている曲は一つもありません。

そんな中で受け入れられたのは本当にうれしかったです。

 

 

 

その後、6月に再演奏のお話をいただきました。

 

2回目ということもあり、少しリラックスして臨めましたが、

・・・まったく受けませんでした。

 

演奏を続ける中で

聴衆の皆さんの気持ちが離れていくのが手に取るように感じられ、

どんな曲をやっても、こっちに引っ張れない。

もうどうにもならなくて、途中で放棄して帰りたくなるくらい。

ここまでの気持ちは過去の音楽歴の中でも味わったことがないレベルでした。

皆さん、静かに聴いていらっしゃるが、ぜんぜん響かない。

 

演奏におかしな間違いはありませんでした。

音響にも変なところはなかったはずです。

でも1回目とは全然違う。

なにがよくなかったのか・・・

 

 

 

その後、反省を重ねていく中で気づきました。

私は”自信”というものを取り違えていたのだと思います。

 

2回目の演奏に赴くにあたり、

1回目の成功があったので無意識で慢心していました。

お話をいただいた時点で、

すごくいやな言い方をすると
「そうですか、また聴きたいですか。いいですよ。やってあげますよ」的な。

(もちろんこんな風に思ってはいませんが。)

 

1回目の結果に対し、自信を持つべき点は、

最初に自分が考えていた

「普遍性をもっているはずだ」という考えが確認できたことに対してであり、

「受けた」ことではない。

 

“自信”とは自分の中に見出すものであり、

他所の評価に対して持つ“自信”というのは、不完全で危ういものだ。

だって「自」じゃなくて「他」発信なんだから。

「他」によってもたらされた「自信」っぽいものは

どこかで”おごり””慢心“にすり替わってしまう。

 

 

先述の通り、聴衆であるご年配の皆さんは

私の曲を全く知らない。

だからこそ、こうした機微は明らかに伝わってしまう。

「いい曲かもしれないけど、なんか楽しくない」といった感じに。

 

これはレコーディングには表れないだろう。

でも、現場ではしっかりと見えてしまう。

そして聴き手の心に伝わる。

 

 

故黒田鉄山先生という武術家がいます。

黒田先生の抜刀は目に見えない速さです。


 

演武をなさるとき、

黒田先生はどういう心境で臨むのかインタビューに答えています。

 

この術を残してくれた先祖、自分に伝えてくれた祖父、両親に感謝を持ち、

どうかうまく刀が抜けてくれますように見守りください、と
祈願しながら臨むとのことです。

 

全く境地が違う。

でも、高い境地ゆえの難しい理念や複雑な思想があるわけではなく、

そこにあるのは謙虚、感謝という当たり前なことだ。

 

何に臨むにしても、この気持ちを忘れないようにしなければいけないな。

改めて思いました。



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さて、気持ちを切り替えて告知です。

 前回記事で書きました通り、

11月にのうてんふぁいらの第2回をやらせていただきます。



前回同様、音楽、絵、おいしいもので
居心地のいい空間を作ります。

ぜひお越しくださいませ。


あまりぎゅうぎゅうで見ていただくもの好きじゃないので

完全予約制になっています。

予約は下記メールにてお願いします。

sleepsleepgotosleep@gmail.com

斉藤 新


よろしくお願いします!



 

 

2024年9月5日木曜日

のうてんふぁいらⅡ

 

毎朝の坐禅中、ちょっと前までは夜明けとともに
ヒグラシの大合唱が聞こえていましたが、

今では秋の虫の声に切り替わっています。

ぼちぼち夏も終わりですね。

 

久々のブログとなります。

夏の間、特に何かしていたでもなく、

普段通り、練習、模型、坐禅、読書で過ごしておりました。

 

お盆前後から仕事が忙しくなり、

都心に出ることが増えてます。

都心は人が多いので疲れます。

疲れるというより、消耗するという表現のほうがいいかな。

仕事を終えて、山の方に戻ってくるとホッとします。


夏目漱石の「草枕」にこんな文章があります。

 

「自然のありがたいところはここにある。

 いざとなると容赦も未練も見せないかわりには、

 人によって取り扱いを変えるような軽薄な態度は少しも見せない。」

 

そんな自然の中の方がやっぱり落ち着きます。
ありがたい。

もっとも、最近は人が多いといっても、みんなスマホに没頭していて、

互いを無視しあっている群衆なので、

人によって取り扱いを変えるようなこともありませんけどね。

余計気味が悪い。

 

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さて、季節が秋に移りつつありますが

今秋にまたイベントを開催いたします。


 

にじいろのめ企画 ”のうてんふぁいらⅡ“

112日(土) 東飯能イーストコート

 

出演:
斉藤新
大河原康夫
パパライオン

 

展示、物販:
斉藤マミ


料金:2000円

 

 


4月に続き、妻とのユニット”にじいろのめ”による企画、
今年二回目の”のうてんふぁいら”です。

1年に複数回イベント企画やるなんて、20代のころ以来かな。

今回も音楽と絵を主軸に居心地のいい空間を作ります。

 

詳細はまだ決め切れていないのですが、

前回同様、昼間のイベントとなります。


音楽ライブと妻の作品展示。

 音楽のほうは、

今回は大河原康夫さんとパパライオンとの三つ巴です。

 

大河原さんは、知る人ぞ知る元Bucket-Tのギタリスト。

Bucket-T解散後はフラメンコギターの道に進み、

今ではギター講師を生業にしています。

最近はエレキガットギターでのソロ演奏を開始しており、

その初ライブとなります。

 

まさかの元Bucket-T共演です。

いや・・・全然大した話じゃないんですが。

 

 

そしてパパライオン。

比較的ポップロックなシーン(?)での活動が多い彼らなので、

お互い活動歴は長いのに
私の過去バンド歴の中で共演したことは1度しかありません。
(妻の企画ライブで活動初期のele-phantで対バンさせていただきました。)

ですが、実は付き合いは長く、ぼちぼち30年になります。

 

というのも、パパライオンのメンバーも私も
練馬区江古田の武蔵大学の出身でして、

学生時代からの付き合いなのです。

さらに、妻である斉藤マミも武蔵大学出身。

Bucket-Tも武蔵大学内のバンドとしてスタートしてまして、
大河原さんも武蔵大学。

 

そんなわけで今回の企画は武蔵大学の同窓会といった状態になっています。

30年ごしでの「いま」を見せ合うという意味でも楽しみです。

ご覧になる方には関係のない話かもしれませんが・・・



今回も前回同様に完全予約制となります。

前回同様にお越しいただいたお客様に楽しんでいただけるよう、

ケータリングやお土産なんかも検討しておりますので、

どしどしご予約お願いいたします。

 

あまりぎゅうぎゅうで見ていただくのも好きじゃないので、

人数に限りを設けています。

お早目のご予約をお勧めいたします。

 

では、よろしくお願いします!

 

 

 

2024年7月17日水曜日

新・即興の日

 

先週末、“入谷なってるハウス”での
「新・即興の日」というイベントに参加してきました。

 

同イベントは“なってるハウス”で定期的に開催されている
自由参加型のイベントでして、

その場に集まったミュージシャンどうしで即興セッションを行うというもの。

 

私は過去にロック的なジャムセッションはやってきましたが、

いわゆる「完全フリー」な即興セッションをやったことがない。

ただ、そういう音楽は好きでして、

いつか自分でもやってみたいと思っていました。

 

そんな中、“なってるハウス”のスケジュールを見ていて

このイベントの存在を知り、興味を持った次第。

 

イベントは13:30開場、1400開演。

開演までの間に続々と参加希望者が来店し、

名簿に名前と演奏する楽器を記載する。

その名簿に基づき、イベントホストである
ギタリストの林隆司さんが演者組み合わせを指名、

順番にステージに上がり、それぞれ1015分ほどの演奏をおこなう。

 

今回の参加者は10人強だったので、

閉演となる17時ころまでにそれぞれ3回ずつステージに上ることになる。

 

演者組み合わせはおおむね名簿順になるのですが、

実際のところは指名されるまで分からない。

演者間での準備、相談はもちろん、

どんな演奏をしようかな、なんて事前検討もできないバーリトゥードだ。

 

 

初挑戦という緊張も手伝って開場直後の13:35にはお店に到着。

その時点で1人参加者がいらっしゃり、私は2人目の参加者として名簿に名前を書く。

一応お店の人に初参加であり右も左もわからない旨を伝えるが、

「そうですか」くらいで、こちらの緊張が伝わらない。

なるほど、これは緊張を持って臨むものではなく、

自然体でいくものなんだなと直感する。

 

名簿の序盤に名前を書かせていただいたことで、

開演後、最初の演者として指名される。

初挑戦、初参加なのに1番手か・・・

まずは他の人の出方を見たかったなぁと思いつつもステージに上がる。

逃げれば一つ、進めば二つです。(©水星の魔女)

 

お相手はドラム奏者でもちろん初対面。

よろしくお願いしますとお互いに挨拶をし、演奏開始。

ドラム相手なので、ビートを刻んでもらえるなら、

いわゆるロックのジャムセッションのように弾くこともできるな。

なんて思っていたのですが、全く刻んでくれない。

相手の出方に反応しながら、いわゆる「音楽」としての構築を排除して演奏。

 

10分ほどで演奏を終え、

「ありがとうございました」とごあいさつしてステージを降りる。

なんだか武道の組手みたいで面白い。

 

その後は他の方々の演奏を楽しみつつ、

2回目、3回目の演奏をさせていただく。

 

2回目はスティールギター+エフェクトの方とアルトの方とのトリオで、

3回目はアルト×2、ウィンドシンセ(電子サックス)の3名とカルテットで演奏。

そんな感じであっという間に終演の時間。

 

さすがは名門なってるハウス。

皆さん、演奏力が高く、音楽への熱意を感じる。刺激になります。

本当に勉強になりました。

 

ロックやジャズといったジャンルが決まったセッションですと、

それ相応のイディオムが存在するが、

完全フリーとなると本当に各人で臨み方が違う。

相手を無視してかかる人もいれば、ある程度の構築を試みる人もいる。

ただ、誰も共演者に何かを望むことはない。

一般にその楽器に望まれる要素
(例えばドラムだったらビート、ベースだったらリズムとか)すらも

全く意に介さない。


誰もが自由で平等。

そして何が起こるかわからない無常の中で、自分も無常の一部になる。

ある意味ですごく平和で温かい音楽経験だ。

人生の、命の縮図のようでもある。ちょっと大げさだけど。

そんな中で自分の在り方を明確に示せる
「フリーの巨人たち」のほんとうの凄さが

少しわかった気がする。

 

私は構築された音楽が大好きですが、

なるほど、フリーにはまた別の楽しさ、美しさがありますね。

これは癖になります。

新しい経験の場を設けてくれた“なってるハウス”とホストの林さんに感謝です。

 

今後はフリー演奏にも積極参加していこうかと思います。



 

2024年7月2日火曜日

ベースにギター用ピックアップ

 

今回も不人気テーマである機材の話です。

とはいえ、前回よりは一般的に興味を持っていただけるかも・・・

 

 

以前に何度か書いているかと思いますが、

私はあまりたくさんの楽器を保有することが苦手でして、

我が家にあるベースはずっと使っているリッケンバッカー4001の他、

オービルのフライングV、妻が昔使っていたSUPROPOCKET BASS3本。

 

もっとたくさんほしくなったりもするのですが、

なんか今ある楽器たちへの愛が薄れそうで、手が伸びない。

(それでもたまに購入したりもするのですが、
すぐに手放してしまいます・・・)

 

 

ずっとメインでつかっているリッケンバッカーには
ジャズベ用ピックアップを搭載しています。

このピックアップ、20歳のころに中古で購入したものでして、

あまり覚えていないのですが、
たしかダンカンのオールドジャズベモデルだったと思います。

 

このピックアップもずっと使っていまして、

他のものもいくつか試しましたが、最終的にはこれに戻すことになる。

過去にやってきたバンドすべてでこのピックアップを使ってきました。

 

 

さて、ここのところ、レコーディングをしていたのですが、

そんな中で少し今のピックアップに不満を感じてきました。

 

前回記事で書きました通り、
今回は全編フィールドレコーディングでの一発録りで進めているのですが、

そうなるとどうしてもベースの音が遠く、不鮮明になりがち。

やっぱりライン録りやスピーカーにマイクビタ付けで録るような
クリアな音像は得られない。

それでも少しでもクリアに録れないものかと画策している中で、

もっと高域域に強いピックアップが欲しくなってきた。

 

で、ピックアップを変えてみました。





ディマジオのストラト用シングルピックアップ。

ギター用のピックアップです。


現在使っているジャズベ用ピックアップもベース用ピックアップの中では

結構高音域に強いものですので、これ以上に高音をとなると

ギター用にたどり着いた次第。

 

 

実はベースにギターピックアップという組み合わせは、
以前にも試したことがありまして、

ベースが4弦に対してギターは6弦なので、
当然ポールピースの位置は合わないのですが、

意外と問題はなく、弦ごとで音量のばらつきなどもなく使えます。

 

ただし、普通のギター用シングルピックアップは指板のRに合わせて、

ポールピースの高さが調整してあり、そのままだと、

ベースの指板Rに合わないので弦ごとに音量差がでてしまう。

なので、ポールピースの高さ調整ができるピックアップであることが必須でして、

その観点からディマジオを選んだ次第。

 

 

以下、交換後の感想です。

 

まず、期待していた高音域ですが、

正直なところジャズベピックアップと大して変わらなかったです。

(むしろジャズベピックアップの方が高域の集音がいいかも・・・)

 

低域はというと、やはりここはベース用ピックアップにはかないません。

ただ、全然足りないとかではなく、ソロで演奏するには十分な低域と感じました。

さすがにバンドに入ると物足りないかな・・といったところ。

 

音域という点では高域、低域ともに
ジャズベピックアップのほうが有利という結果です。

(測定などしているわけではなく、あくまでも主観です。)

 

 

では、ギター用シングルピックアップに良いところがないかというと、

全然そんなことはありません。

 

まず、コードを鳴らしたときにジャズベよりもきれいな分離を感じました。

11音がしっかり聞こえる印象。

何が作用しているのかわかりませんが、濁りが少ない。

 

そして、ピッキングニュアンスがしっかり出る。

手先、ボリューム操作次第で結構音が変わってくれます。

これもすごく面白くて好み。

 

最後にエフェクター(ディレイ)の効きがいい。

効きがいいといっても下品にかかるのではない。

何とも説明しにくいのですが、ディレイ音がやさしいけどよく聞こえる。

 

 

以上のように、音域ではジャズベピックアップ、

音の粒立ち、繊細さ(?)では
ギター用シングルピックアップという感じだったのですが、

一点大きな問題がありました。

 

なぜかギター用シングルピックアップだと、

弓弾き時の音量が小さい。

理由は分からないのですが、あきらかにジャズベピックアップで弾く時よりも小さい。

音域の問題なのかな?

 

弓で弾くと、音は継続的に鳴ります。

この継続音がギター用シングルピックアップは苦手なのかな。

粒立ちのよさと相反する部分なのかもしれません。

 

現在の自分の音楽では弓弾きは重要な要素ですので、

この問題は看過できず、

結局、元の通り、ジャズベピックアップに戻すことにしました。

 

レコーディングでクリアさが得にくいという問題は
別の方法で解決をめざすことにします。

まぁ、基本的にはもっと稽古を重ねていくしかないかな・・・

そんなわけで、レコーディング難航中です。



 

2024年5月28日火曜日

レコーディングに向けての検証

 

今日は前回に続いて機材の話。

 

機材の話はこのブログの不人気テーマなのですが、

備忘録的に書かせていただきます。

 

現在、ソロでの2枚目のアルバム作成を画策しておりまして、

その録音方法を模索しています。

前回のアルバムでは、ライン録音、
スタジオでマイキング録音、フィールド録音を

織り交ぜて録音したのですが、今回はできるだけ生で録りたく、

フィールド録音のみでやろうかと思っています。

 

野外にアンプをもっていって、

鳥の声、川、山の音などが混ざった状態で録音します。

 

この場合、ライン録音やスタジオ録音と異なり、

録音したものを素材として後で加工することは難しくなります。

そのため、アンプから出た時点で
できるだけ理想の音にしておく必要があります。

 

そこで、現在の自分のアンプの性能の再確認のため

久しぶりにスタジオに入ってじっくりと検証してみました。

 

私の住んでいる街には音楽スタジオが存在しません。

なので、できるだけ近場の音楽スタジオを探し、

隣町の秩父というところまで、峠道を1時間ほど走って行ってきた次第。

 

 


私がソロ活動で使用しているアンプは

JBLEON1というものになります。

https://jp.jbl.com/JBL+EON+ONE+Compact.html

 

ベースアンプではなく、PA用アンプです。

私の音楽はルーパーでたくさんの音を重ねるので、

音域に癖のないフラットなアンプを求めていろいろ試した結果、
PAアンプにたどり着きました。

 

このアンプは電池式で電源のないところでも
使用可能ながら150Wという高出力。

スピーカーは8インチが一発と、少々心もとなくもありますが、
その分軽量。片手で十分に持ち運べます。

購入当時、路上ライブを想定していたためにこれにしたのですが、

路上ライブをやっていない最近は最近で、
外で練習する機会が多いので、電池式の恩恵を感じております。

 

 

ただ、8インチ一発の宿命なのか、
音量を上げていくと少し音が濁ってくる。

そもそも、ルーパーで多音域をいっぺんに鳴らしているわけですから、

音量を上げれば濁るのは当然と言えば当然なのですが、

その濁りを取ることは可能なのか?

また、他所のアンプだとどの程度濁るのか?

レコーディングに向けてその辺の確認もしました。

 

 

 

以下、検証の結果です。

 

EON1の音量について

 

そのスタジオにはAMPEG SVT450ヘッドと810Eキャビネットの
セットが常設されていました。

スタジオの広さは15畳くらい。

SVT450はトランジスタの450Wというモンスターアンプ。

それと10インチ8発の定番キャビ(通称 冷蔵庫)ということで、

かなり余裕のある組み合わせです。

このアンプを比較対象として、自分のEON1を確認していきます。

 

最初に確認したのはSVT450での音量。

さすが450W。
20%くらいの出力でドラムに負けないくらいの音量が得られました。

(ルーパーでアンプを鳴らしっぱなしにしたうえで、ドラムを叩いて確認。)

 

次にEON1で同様にドラムに負けない音量を出してみました。

50%くらいの出力でドラムに負けない。

電池式でスピーカー一発でドラムに負けない音量。

これってなかなかすごいことです。

改めてEON1のすごさを知りました。

 

 

音の濁り

 

だが、この音量だと100ヘルツ辺りの音がクリアに出ない。

まぁ、ルーパーでベース演奏を何層にも重ねているので、

どうしても100ヘルツ辺りに音が溜まりやすくなり、
にごるのは仕方ないことでもあるのですが、

なんというか、この音域を鳴らすために無理をしている感じで、

素直にスピーカーが鳴らせていない印象を受ける。

 

SVT450810Eの方はまったくそういう感じは受けない。

スピーカーへの負荷が少なく、

キャビネット全体が鳴っていることでスムーズに音が出ている感じがする。

アンプの特性というより、
キャビネット(810E)によるところが大きいのかもしれない。

 

 

濁りを消す

ではEON1大音量時の濁りは消すことができるのか。

 

EON1はスマホアプリと連携させることで
グラフィックイコライザーが使えます。

そのグライコで濁りを補正してみましたが、

ちょうどいい感じにならない。

やはり音量を下げるしかないという結論。

 

結局、いつもの野外練習の時くらいの音量まで下げました。

そうするとすごくクリア。

この状態でグライコ補正すると、すごく理想的な音になりました。

 

レコーディングはこの感じで行くかな。

ライブとなるとこの音量では心もとないので、音量を上げざるを得ないのですが、

いたずらに上げると濁るしなぁ・・・

ライブ用にはもう少し高出力のアンプが欲しいところですね。

 

 

1+1は2になるか

 

次に試してみたのは、 

「音量を上げると濁りやすいのであれば、

音量低めのアンプを複数鳴らせば、

濁りがなく、音量も稼ぐことができるのでは?」 という検証。

 

SVT450EON1を共にクリアに聞こえる(聞きやすい)音量に抑え、

同時に鳴らしてみる。

1台ではドラムに負ける音量だが、2台を鳴らしたら・・・

結果、音量感はあまり変わりませんでした。

2台鳴らしているのだから、
1台の時の2倍の音量感を得られそうなものなのですが、

そこまで劇的には変わらない。


複数個所から音が聞こえることで

少しはうるさくなった気もしますし、

音圧は感じないでもないのですが、

音量は1.21.5倍くらいにしかならない感じでした。

お互いの音がマスキングしあって音量感UPにつながらないのでしょう。

 

面白い結果ではありますが、

小型アンプを数台鳴らすことで音量が倍増していくのならば、

持ち運びも便利だし、理想的と思っていたので、少し残念。

やっぱり濁りがなく大音量が欲しいなら

大出力のアンプとそれを受けきるキャビネットが必要ということです。

まぁ、当たり前の話ではありますが・・

 

 

アンプの置き方で音質は変わるか

 

最後にEON1の置き方を変えて音質変化を確認してみました。

 

EON1は縦置き、横置きの2種の置き方が可能な設計になっており、

横置きにするとスピーカーが斜め上を向き、
「転がしモニター」として使用できる。

この2種で音質、音量感に変化がでるか。

 

結果、横置きよりも縦置きのほうが低音がしっかり再生されました。

音量感は特に変化を感じないかな。

 

実は予想通りの結果でもあります。

この現象はギターアンプJC120(ジャズコー)でも起こるものでして、

キャスターの付いている横置き状態よりも、立てたほうがスピーカーが安定し、

しっかりとした低音が鳴ります。

 

EON1でも横置きだと少し不安定になり、低音が伸びないのでしょう。

 

追加で今度は椅子の上に縦置きしてみました。

おそらく椅子の不安定さの分、低音が消えると想像していたのですが、

ほとんど変化ありませんした。

 

EON1の場合は置き方の安定、不安定よりも、

重心の位置などが効いているのかもしれません。

 

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以上、いろいろと確認していて

昔のことを思い出しました。

Bucket-Tをやっていた20代前半頃の話。


BORISのベース タケシさんが当時使っていた
スピーカーキャビネット(アンペグ810E)が不調だったため、
メンテに出していたところ、

8個ある10インチスピーカーのうち、
まともに鳴っていたのは2個だけだったとのこと。

かなりヘビーユーズで無茶な音量でしたので、へたっていたのでしょう。

でも、ライブを見ている分には音量が
著しく落ちているという感じはなかったです。

すくなくとも2個のスピーカーしか鳴っていないなんてわからないレベルでした。


810Eは2個のスピーカーでも十分に音量が出るんですね。

スピーカーだけではなくて、キャビネット自体がしっかり鳴っているのでしょう。

これは810Eキャビの設計、構造、材質、バスレフ、重量によるもので

スピーカーだけが音を出しているのではなく、

キャビネットがそれを補助、増幅させているのだろう。


今回、小音量で2台ならしても大音量が稼げなかったのは

このタケシさん現象の逆説的なものかと思います。

スピーカーが増えてもそれぞれがマスキングしあってしまう。

それよりもしっかりとスピーカーを鳴らす状態を
作ってやることが重要なのかと思います。

ちゃんと状態が整っていれば、8個中2個しか鳴っていなくても、

そこそこの音量感、音圧感を得ることができる。


アンペグ810Eは私も昔使っていました。

重すぎて手放しちゃいましたが、

やはりベストセラーであることには理由があるんですね。

今更810Eに戻るには機材車も体力的にも無理ですが・・・




2024年5月17日金曜日

RC500

 

先日、新しいエフェクターを買いました。

BOSSRC500というルーパーの中でもちょっと上位の機種。

久々に奮発しました。

 

このRC5002つのトラックにループフレーズを録音でき、

それらトラックは自動的に同期されてズレることなく再生される。

また、それぞれのトラックにリバース再生などの
特殊エフェクトをかけることもでき、

リズムトラック(ドラムトラック)もプリセットされていて、
多数のリズムパターンが再生可能。

そして、そのリズムに合わせて演奏、録音も可能で、

リズムのテンポチェンジも可能。

テンポを変えると録音した演奏のテンポも自動で変わる。

 

そして録音型式は最新技術の32ビットフロート録音。

個人的にはこれが購入の動機でして、

16ビットや24ビット録音の他機種ではオミットされてしまう音域まで、

しっかりと取り込み、再生することができる。

 

 

まぁ、ざっと機能を挙げていくと上記の感じでして、

興味のない人、ルーパーを触れたことのない方からすると、

何の話やら。。といった感じかとは思いますが、

とにかく多機能なのです。

 

 

で、購入後、いろいろと試したり、練習したりしてきたのですが、

 

・・・手放すことにしました。

 

録音形式の恩恵で音質はクリアだし、

2つのトラックの同期もありがたい。

今までは2つのルーパーを並べて、
同じタイミングでスイッチを入れなければいけなかったところが、

そんなこと全く無視して演奏してもかっちりとそろう。

 

でも、この「かっちり」が面白くない。

機械が作ってくれる「かっちり」は私が演奏しているものではない。

 

音質の良さは素晴らしく、

そのためだけに使い続けようとも思ったのですが、

それもそこまで必要なのだろうか・・・
という元も子もない気持ちになってきた。

 

「録音」した時点で音は模造品になる。

本当の演奏の空気、倍音、音圧、そういったものは

大なり小なりオミットされる。

クリアな音質であることはありがたいが、

他要素のデメリットを思うと、そこまで重要ではない気がしてきた。

32ビットフロート録音のシンプルルーパー、
どこか発売してくれないかな・・・)

 

また、多機能すぎることも引っかかる。

こんなにたくさんの機能はいらない。

ラーメン注文したらチャーハンと餃子、杏仁豆腐まで出てきて、

一瞬うれしいけど食べきれない。そんな感じ。

食べたかったのはラーメンだけだ。

 

 

最近のエフェクターはとにかく多機能なものが多い。

もちろん悪いことではないのですが、

行き過ぎると、音楽を演奏しているのは、

演奏者(人)なのかエフェクターなのかわからなくなってくる。

 

例えば、RC500に内蔵されたドラムトラックに合わせて、

フレーズを弾いて、テンポを変更したりして緩急をつけ、

最後にトラックエフェクトをかけて締める。

この場合、これを演奏しているのは私なのかRC500なのか。

私がやっているのは「演奏」ではなく「操作」という気がしてくる。

 

 

AI技術が加速的に進歩している中、

本当は世に出ているもののさらに先の機能を持つエフェクターも
作ることもできるのだと思う。

例えば、勝手にマイブラの音になるとか、

さらにはギターで1音弾いたらすぐに曲が出来てしまうとか。

(実際、DTMの分野では作曲アプリなどは世の中に出回っている。)

でも、そこまでいったらエフェクターではない。

 

エフェクターメーカーさんは新製品を企画する中で、

どこまでがエフェクターと扱ってもらえるのかという
線引きに悩んでいるのではないだろうか。

 

あまりにも高機能すぎると

プレイヤーの想像力を刺激するのではなく、

想像力を終わらせてしまう。

そのギリギリをつかなくては新エフェクターとして人気を博さないだろう。

 


 あまりにも特徴が強すぎて想像力を奪う場面もある。


KORGの製品でカオスパッドという名作モジュールがある。 

タッチパッドを指で触れたり叩いたりするこで

入力した音に対して思いもよらないエフェクトがかかったり、

サンプリングできたり、直観的にその変化を操作することができる。


凄く面白くて個性的な機材で、

例えばルインズの吉田達也さんはドラムの演奏中に足でパッドをふれることで

ノイズを出し、「点」の連続になりがちなドラムの演奏に

「線」となるノイズを絡めてすごく面白い表現をなさる。

 

だが、このカオスパッドの操作性の良さやパフォーマンス性、
シンセやサンプラーとの親和性から、

ノイズごっこ、インプロごっこにも多用されることになる。

そんなわけで無個性なノイズプレイヤーがこぞって使う。

この時、プレイヤーはカオスパッドに使われてしまっており、

聴衆はその人ではなくカオスパッドを聴いている。

 

 

灰野敬二さんのインタビューでの言葉を思い出します。

 

「だれもがなぜそのエフェクターが出来てきたかを考えずに使っている。

本来は演奏者に出したい音があり、

それを実現するために技術者が苦心して作ってきたものこそがエフェクターだ。」

 

やはり演奏者主体でありたいものです。

エフェクターはすごく面白いし、大好きです。

でも先に表現ありきで使いたい。

 

 

エフェクターにはまって早30年。

思えば、ずっと手元に残しているエフェクターって少ないかも。

まぁ、こうしていろいろ試して、売って、買ってっていう
行脚行為が楽しいんですけどね。